本書は、新アジア仏教史というシリーズ(何と全15巻!)の第3巻。
一番ブッダの生涯についての記載が多いかなと思って、GETしたのだが、ネコに小判だったようだ。
第一章の仏伝のところは、今まで、さんざんいろいろ読んできたこともあり、わかりやすい。
第二章以降が、ブッダの教えに関する部分だが、ここで、出て来る様々な経典と学説。ここは、予備知識がないと、ついていけない。
本書を読んでわかったのは、様々な経典の研究は、それこそ、奈良時代から、長く続けられているのだが、新しい経典が発見されるたびに、その説が覆されていくということだ。まだまだ、定説などない。
様々な経典が生み出されタイミングについてもいろんな考え方があるため、その伝道経路についても、様々な説が出る。南伝=小乗、北伝=大乗という単純な構図は、今は過去のもののようだ。
密教は、比較的新しい教えであるが、それでも、前期、中期、後期で、内容が大きく異なる。当初5世紀ぐらいにスタートし、後期は、12世紀頃というから、それだけでも、長い期間なのに、元々密教の発生が、ブッダの入滅後、約八百年後ということだから、仏教と密教とは別物という考え方があっても、全然おかしくない。
かつ、チベットなどで新しい経典が発見されるから、その歴史すらころころ変わる。
この辺になると、やはり専門家に任せないと。
そして、この複雑怪奇になった仏教をわかりやすく説いた、法然、親鸞の功績がある。
もうすぐ上野で、企画展が始まる。京都で、それぞれ見たけど、もう一回見に行く予定。
仏教を、学問として、学びたい人向けの本。
初心者がいきなり読んでも.....