かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

飛鳥の都

2012年05月17日 | Books



岩波新書の日本古代史シリーズの第3巻。

飛鳥時代というと、飛鳥に都があった時代というイメージがあるが、とんでもはっぷん。でも、本書は7世紀のお話ということで、その辺は割り切っている。天智天皇は、この時期の中心的天皇だが、都を近江に移している。当時の都が、今のイメージと随分違っていたことがわかる。斉明天皇にいたっては、九州で亡くなっている。

この時代で、際立つのは、アジアとの関係が深まったことと、その影響もあり、律令統治への足固めができてきたという。
遣隋使は、日本側で記録されているものよりも前に派遣されていたが、初回は、対新羅戦争の一環だったらしい。
本書を読むと、隋、唐周辺の情勢により、できたばかりの日本が翻弄されていたようだ。

そもそも飛鳥時代と言っても、飛鳥にずっと都があったということではまったくなく、初期は、難波方面への指向が強かったようだ。
面白いなと思ったのは、この時代に、地方豪族のモニュメントが、古墳から寺院に移ったという表現だ。確かに、この時期以降、古墳は作られなくなり、残っているかどうかは別にして、寺院がその地位を引き継いだのである。

今、皇族が女性ばかりになってしまい、話題になっているのが、皇位継承のルールの問題だが、現在の皇位直径継承は、この時期に始まった。その前は、兄弟だったりして、定まっていなかったらしい。持統天皇(=女帝)だった頃の話だ。

この辺まで来ると、今の日本の基礎がこの時期あたりにできたのかななどと思う。でもそんな単純な話でもない。
近時の考古学上の発見で、説に裏書されたり、逆になったりということが、平気で起こる世界ではあるのだ。

コメント
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