かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

平山郁夫シルクロード美術館

2012年05月24日 | Culture・Arts



最後に、恒例行事になってきた、平山郁夫シルクロード美術館に行った。

毎回毎回、展示替えが楽しみだ。

今回の企画展は、”平山郁夫高句麗古墳を描く”。

平山さんの普段の活動を知らなければ、何故あのとんでもない北朝鮮に何度も行って、かつ世界遺産指定をサポートするんだと思われただろう。
私も、当初そう思っていた。

でも、平山さんにとっては、北朝鮮の、特に古墳壁画を研究することは、ライフワークの中の必然だった。
卑弥呼の墓の壁画を想像して描いた平山さんの作品は、後に高松塚古墳の壁画が発見され、その人物像が酷似していることが、たいへんな話題になった。
その元になったのが、高句麗の古墳の壁画だ。
その古墳を、1997年より、何回も訪れる機会を得ることになった。

古墳の壁画の模写だけではなく、周りの風景、案内してくれたガイドさん(もちろん歓び組タイプ)、板門店など、いろいろ描かれているが、皮肉なことに、素朴な亜細亜を描いた作品群になっている。
政治さえ普通になれば、悪い国ではないのだろう。国民が、可哀そうだ。

高句麗の古墳に描かれた四神が、高松塚や、キトラのものと極めて似ていることと、サイズが、全然でかいことがわかる。
同じサイズで、高句麗の古墳が再現されていて、これも大迫力。
その再現は、平山さんが、二度学長を努めた、東京芸術大学によってなされたというが、単なる印刷ではなく、岩絵具や、岩をすりつぶしたものを塗ることにより、よりリアルなものに仕上がっている。
その中でも一番鮮やかな朱雀の絵については、いろんな再現法が、比較できるように展示されていて、面白い。

壁画は、高松塚のケースでもわかるように、たいへん痛み易いので、展示は、難しい。昔、キトラの玄武の展示を見に行ったが、凄い行列で、とても小さいものだった。
この技術によって、古墳に親しめる施設を作ったら、古墳へ興味を抱く人も増えるだろう。

小さな仏様の展示もあり、時代の古いものが多く興味深い。
日本に最初に伝わった仏像も、小さな、金属製のものだったと考えられている。

二階は、大シルクロードシリーズの展示。
単品では見たことがあった、巨大な、朝・夕キャラバンシリーズを左右対象に並べ、その向かう方向に、ペルシャ、ローマが配されるという、ダイナミックな展示だ。
一つ一つの絵を描かれた時に、このように展示する構想を描いていらっしゃったという。
亡くなられてから、実現したことになる。

平山さんの活動と、それを引き継いでいらっしゃる方の活動に感謝である。

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