天気とスコアが比例しないところが問題。
岩波新書 日本古代史シリーズの第六巻。最終巻だ。
正直、この辺になると古代史という感じはしない。そのイメージは、読後も変わらない。
本書は、平安時代の中でも、摂政関白の時代を中心に描かれている。
やはり、メインは、藤原家。最初は、幼帝を補佐するために、摂政が生まれたが、その後、天皇の補佐をするため、関白が生まれた。両方ともその初代は、藤原基経なのだそうだ。
藤原家は、それから次々と姻戚関係を結び、天皇家に食い込み、実権を握るようになった。
明治天皇が、奈良時代をめざしたのは、平安時代以降の、天皇が実権を失いつつある時代を、元に戻したかったのだろう。
本書では、当時の絵や、日記を通して、よりリアルに当時の公家や庶民の生活を描いている。祇園祭りは、当時からの祭りで、神輿、行列、見物人が、祭りの三点セットだったという。年中行事絵巻に楽しく描かれている。
葵祭り(当時賀茂祭)が、官の祭りで、祇園祭りが、民の祭りと言えるという。
その祭りが今まで続いているのだから、すばらしいことだ。
そういえば、先日の祇園での事故は痛ましかった。どうもドライバーの病気が原因のようだが、よくわからない。続報がないなぁ。
本書で、元寇の前に、日本が攻められたことがあることを知った。刀伊という女真族が攻めてきたのだ。船50隻で攻めてきて、この前ゴルフをした志摩あたりに上陸したのだという。1週間で退散したそうだが、この事件をきっかけに外交がますます消極的になったという。
その傾向は、明治まで変わらなかったということか。
この6冊を読んで、この時代に、日本国の基礎、日本人の基礎、日本文化の基礎、日本人のメンタリティなどが、形成され、今に引き継がれていることが感じられた。
日本の歴史は凄い!
もちろん中国などは別格なのだけど、今に繋がっているという意味では、日本に比べられる国はあるのかな?