リスペクトコラムです。
最近でも当ブログでよくリスペクトさせていただくFOOT×BRAIN。相変わらずいい情報満載です。番組スポンサーを見ると、サイゲームス、キリン、DAZN、サントリー、三菱電機と蒼々たるビッグネームが並んでいます。そりゃ全国放送になるわなと思いました。これからもずっとお願いしたします。ラブ!もこういうスポンサーが増えたら、ひょっとしたら放送時間が増えるかもと期待。そういえば憲剛さんの番組もあの時だけなので、全国放送毎週化に期待。今日も長い記事になりました。これでも少し端折ったのですが。手を抜かない性格なもので、ご理解下さい。
【話題のアマチュアクラブ 南葛SC レジェンドが続々と加入するワケ】
昭和の下町風情が今なお残る東京・葛飾。寅さんやこち亀の両さんなど国民的キャラクターが生まれた街として知られているが、実はキャプテン翼もこの街から生まれている。作者の高橋陽一は葛飾で生まれ育ち、今も地元で作品を描き続けている。
高橋(高):下町の人には分かってもらえると思うが、東京にもJリーグクラブはあるが、西の方に多いので「オラが街のチーム」という感じがしなかった。僕自身も。「オラが街のクラブ」への憧れ(がある)。
東京のしかも下町をホームとするクラブがあればサッカーはより盛り上がる。そう思っていたある日、Jリーグを目指す地元クラブの存在を知った高橋。
高:最初はお手伝い(後援会長)。チーム名を「南葛SC」にして、もっと盛り上げていくのはどうか?と提案させてもらった。
漫画の舞台は静岡だが、南葛のチーム名は高橋の母校、南葛飾高校が由来。葛飾からJリーグ入りを目指すクラブにとって、この上ないチーム名だった。2019年に高橋はクラブのオーナーに就任。本格的に運営を担う事になった。
高:今まではバルセロナなど海外の試合を多く観ていたが、今は南葛が中心になった。お世話になった方には「サッカークラブだけには手を出さない方がいいですよ」と言われた。すごい大変だし、お金もかかると言われたが、勝った時の喜びの方が大きいというのもある。漫画と一緒で、このチーム面白くなりそうだなという、ドキドキやワクワクを感じさせるクラブだと思う。
確かにここ数年で一気にメディア露出が出て来た印象。それは高橋先生が本気になって関わったからなのですね。リアル南葛SCとしてオーナーに就任ですか。世界的な人気コミック、キャプ翼ならゴールはJにとどまらず、世界まで行くかもしれません。欧米のレジェンド選手達にコアファンがウジャウジャいるので、そのうち加入するかもしれないし、その資金が集まればすごい事に。それくらいキャプ翼の影響力はグローバルだと思います。今は化ける前かも。
そんな高橋オーナーがクラブのGMに抜擢したのが、専門誌サッカーキングの元編集長の岩本義弘氏。
高:僕の漫画の方も仕事も一緒にやっている上での信頼関係、キャプテン翼という作品の事も一番理解してくれているし、サッカーメディアに長くいたので、取材でほぼすべてのJクラブと繋がっている。岩本さんに勝る人材はいなかったと思う。
岩本GM(岩):(高橋)先生は昨年にキャプテン翼が40周年になった。40年間ずっとこの葛飾でやっていて、葛飾の人はキャプテン翼の街という事を認識している。そこで本気でやって、ニュースにもなる事で、葛飾の人達の期待を感じるようになった。(Jクラブのオーナーになる選択肢もあったが)上のカテゴリへ上がっていく過程をサポーターや地元下町の葛飾の人達にも一緒に味わってもらう方が、上に行った時に盛り上がるし、そうなってきている。
このGMさんがポイントですね。単によそから来てもらったのではなく、実はサッカーキング誌から旧知の仲で全幅の信頼関係。これは最強の人材です。水戸さんの小島社長もメディア出身ですが、ネットワークやビジネスモデルの引き出しをすでにたくさん手元にある訳ですから。番組を拝見すると、岩本GMはのびのびとビジネスを手掛けていっているような印象です。そのうち世界が相手になってくるでしょうが、このGMさんならもっとクラブを成長させていかれるでしょう。
下町のサポーターと綴る「リアルキャプテン翼」の物語。掲げるビジョンは「葛飾からJリーグへ」「アジアを代表するクラブへ」。その夢は着実に進み、2年連続でリーグ昇格。今シーズンは関東リーグ1部でプレー。そんな快進撃を支えたのが、チーム哲学になった翼君の名ゼリフ「ボールはともだち」。
岩:やるサッカーのスタイルから、ボールはともだちという事で、普通はJリーグを目指しているクラブは、上がって行く確率を上げるのに、なるべく守備を固めてショートカウンターを含めて速い攻撃で、前に強力な選手を置いてってやる。しかし、(南葛は)圧倒的なポゼッションサッカーを目指している。高橋先生がこれにこだわっているので、そこに
こだわってやると、守備を固めているチームにやられたりするので大変だった。
選手との契約は、(その哲学を)明言している訳ではないが、結果そのサッカーにマッチした事になると、技術力ある選手ばかりになってしまった。たぶんJ3と比べても技術力は高いと思う。
〔レジェンド効果〕
レジェンド達(元日本代表の稲本選手と今野選手)の加入で効果はすでに表れている。
岩:普通のJクラブに移籍していたら、そこまでニュースにならないが、キャプテン翼×元日本代表でニュースバリューが上がった。その効果でツイッターフォロワー数急上昇ランキングで、日本の全サッカークラブ中2位(1位はJ1川崎)になった。
当ブログは余り読んでいませんが、サッカー人にとってキャプ翼はカリスマ性はMAX。いい意味で宗教的な印象も抱きます。その中では欧州のレジェンドも、日本代表OBもみんな翼君の一ファン。報酬やカテゴリに関係無く入団するのは当たり前でしょう。本当にJ3くらいに来ると、海外から選手が加入してくるのでは。そのうち、翼君ブランドが世界に広がっていくかもしれません。ちょうど日本のコミックのように。可能性は無限大です。
〔キャプテン翼フル活用=下町パートナー契約(地域活性化)〕
街に貼られたポスターやサポーターの横断幕、商店街のノボリ(タペストリー)にも翼君。クラブだけではなく、スポンサーもキャプテン翼というコンテンツを活用できる。スポンサー企業が作る名刺には「葛飾区からJリーグを目指す南葛SCを応援しています!」という文言とともに翼君のイラストが入っている。
「下町パートナー契約」として、名刺やチラシに翼君のイラストを使っていい契約を結んでいて、印刷会社では、名刺交換すると結構話題になり、スポンサー企業からすると、いい営業ツールになっている。飲食店ではクラブ公式コースターとして、クラブエンブレムが入ったコースターを使用。南葛サポーター相手には公式コースターで提供。オーナーがキャプテン翼のドップリ世代で、漫画を見て育った。その影響で中学生の時にサッカーをやっていたので、スポンサードは運命。
〔目に見えないブランド効果〕
クラブ内に目を向けると翼ブランドの別の効果がある。「怪しくない」。キャプテン翼を背負っており、そのキャラクターを使えているというだけで、絶対的な安心感がある。ちゃんとした選手を選びがちになる。キャプテン翼を背負う覚悟があるからこそ、健全な組織づくり、成長し続ける姿が求められる。
この下町パートナー契約はスポンサーのメリットが高いですね。Jクラブでもよくマスコットのイラストが露出されますが、翼君はレベルが違うなぁ。これだけでもそのうち、ブレイクするのでは。全国のサッカー人であるスポンサー企業が羨ましがっていると思います。そのうちできるであろう、クラブのグッズショップもすごい人気を博す事でしょう。
〔未来への取り組み(選手社員)〕
クラブではこれからのモデルケースになりそうな様々な取り組みも行っている。選手をクラブ社員として採用するシステムを導入。それは「選手社員」という斬新な試み。クラブ事務所でデスクワークに励むのは選手達。一般のアマチュアクラブでは親会社等の企業や個々の業種に従事するが、南葛SCでは35人中20人の選手が社員として勤務し、クラブ運営に携わっている。広報部では選手(社員)が自らクラブのPR動画を編集。営業部では選手(社員)が企画してPRイベントを相手先と交渉して実施。元J1川崎の楠神選手は「サッカーだけやるよりは忙しいが、チームの事を常に考える部分ではやりがいはある」と。元鹿島の佐々木選手は「スポンサーに選手も営業で訪問。自分の給料がどう出ているか、Jリーグ時代には認識できていなかった。クラブはいろんな人の支えや応援があってクラブが回っている事を実感しやすい環境」と。
岩:企業チームはその企業の仕事をさせるが、南葛SCの選手は営業やホームタウン活動を社員の仕事としてやる。この後の人生に生きる。営業がちゃんとやれるようになったら、どこの会社に行っても通用するし、セカンドキャリアの選択肢が増える。
うーむ、選手がみんな自社社員として働くというのは斬新ですね。よくレジェンド選手がフロント入りするというのはありますが、ほとんどの選手がみんなという事例は他には無いでしょう。選手が経営や運営の現場の最前線に立つというのは実は理想形かもしれません。昨日勝ち越しゴールを決めた人気選手から、チームを助けてくださいと頼まれたら、説得力MAXでしょうから。それこそ「あの選手はわしが育てた」状態になるのかと。今の経営規模だから、そういうスタイルだと思うので、今のうちですか。若手選手のセカンドキャリアのためにも素晴らしい取り組みだと思います。
〔未来への取り組み(選手個別パートナー)〕
岩:練習着のスポンサーを選手に解放。「選手個別パートナー」として、スポンサー料から経費を除いた金額すべてが選手の収入として分け与えている。これも営業の一環で、J2仙台から来た2選手は、移籍してから半月で15社以上契約している。J1時代の年俸を超えてしまうくらいに営業で稼げる可能性があるのは、結構夢があると思う。
これもアイディアですね。自分が獲ったスポンサードがそのまま自分のものになる。堅い表現ですが、何か究極の資本主義のような感じです。でも格差が出がちになるのも事実。上手く運営して欲しいです。また、サッカーがおざなりにならないように注意もして欲しいです。バランスが取れれば三方よしのいいビジネスモデルだと思います。
〔未来への取り組み(クラブトークン)〕
去年から世界のビッグクラブも行うデジタルサービスを開始。オンラインでのクラブ応援ツール「クラブトークン」。デジタル上の株式のような資産「トークン」を購入し、サポーターはクラブを応援する証としてトークンを購入。クラブを支援するだけでなく、運営に関する意見を直接ぶつけたり、トークン保有者だけの投票企画に参加できるなど、様々な特典がある。実は新シーズンのユニフォームデザインも、トークン保有者の投票で決定。
岩:成長する可能性が高いという事で、サッカークラブの中でかなり注目されて、(トークンの)売上も上がっている。今は国内だけだが、この先は海外も視野に入れている。株とは違うが、影響力を与えるという意味ではかなり近いと思う。去年始めた時は1カ月で4,200万円の売上があった。そのうちの8割がクラブに入り、その後の売買の手数料もその都度クラブに落ちるので、クラブの財源としても大きいものになっている。パリ・サンジェルマンがメッシの契約金の一部をクラブトークンで支払ったのを真似して、稲本選手の報酬の一部をクラブトークンで払う。まだまだ手探りだが、面白い仕組みだと思う。
このトークン事業は実はJクラブでも増えています。湘南さんがすぐ浮かびますが、新しいビジネスモデルに敏感なJクラブ、Jを目指すクラブから取り入っている印象です。単なる一つのやり方ではなく、欧州のメガクラブがすでに実施しているというのが大きいですね。昔で言う持株会みたいなものですが、そういえば湘南さんにも持株会ありました(やはり付加価値高い)。つまりすでにそういう経営構造になっているので、すぐに導入できたのか。1人のオーナーによる個人商店化しているところ、一握りの株主だけで経営してきたところは、トークンの導入は抵抗が大きいんだろなと。つまりバルサ(ファントークン有り)のようなクラブにはなれないという事か。
〔南葛SCが描く未来〕
岩:葛飾にサッカー専用スタジアムができて、Jリーグにたどり着いたら、今まで見た事のない下町の熱狂を見る事ができると思う。その後で日本を代表するクラブまでたどり着けたらいいなと思っている。(スタジアム構想は)葛飾区の区議会で協議が始まっており、少しずつだが前進している。Jが近くなってきたので、区の方でも空気感は出せている。カテゴリーが上がるごとに、高橋先生(オーナー)と区長を訪問してPRしている。
頑張って欲しいと思います。南葛さん以外にも東京には最近、同じ匂いがする元気のいいクラブが増えてきました。新宿さんしかり、渋谷さんしかり。これからも出てくるのでは。Jを目指すクラブが出てきて、下からの突き上げが出てくるのは組織が活性化していいと思います。お隣の広島県にも同じような動きを感じます。福山さん以外にも広島ユナイテッドさんという存在があります。岡山県でもそのうち同じような動きが出るかもしれませんね。