CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

マネーロンダリング

2007-07-05 08:27:16 | 読書感想文とか読み物レビウー
マネーロンダリング  作:橘玲

また、お金モノの小説であります
最近こんなんばっかり読んでるせいか
仕事が手につかず、明日には億万長者にならなくてはならないと
よくわからない夢想に悩まされるところ
人間として最低極まりないわたくしでありますが
たくさんのお金を集めるていうのは
なんというかな
死の臭いと不幸が撒き散らされている

そんな気分にさせてくれる小説でありました

怪しげな海外コンサルタントというか
香港に在住することで、合法的に税金を払わなくてよくする
そういう便宜を図る男のお話でありました
その男がひょんなことから
びっくりするような美人とよい関係になったと思ったら
その美人が、凄い驚くような金を税金から逃がして
その金の出所が、ああ、危ない
気づいたら、男も巻き込まれてさぁ大変

そんなお話であります

最初、というか読み始めというか
期待していたのが、ハゲタカとかあんな感じだったのですが
どっこい、本格といっていいか知らないが
推理小説めいたそのスタイルにちょっと面食らったのです
なんだろうかしら、読み終わった後の
なんともいえぬ読後感が
宮部みゆきの火車に似てる、もしかしたら
あの犯人と誰かさんがだぶって見えるからかもだよと
ちょっと思うのですが、面白かったです

考えてみれば酷く簡単なトリックというか
仕掛けだったのですが、それに気づかず
大変詳細な脱税方法を読み漁っていて、気づくと
ああ、事件が起きて、解決しとる
そんな具合で驚き
ちゃんとハジメから、誰か犯人が出てくる
そういう小説だと思って読んだら、また違った楽しみ方が
できただろうと個人的な感想であります
ようは、犯人当てられなかった自分のふがいなさを書き綴っております

さて、で、内容のキモというか
ほとんど本編とは関係がないように進められていた
ステキ脱税方法の数々がなかなかどうして面白く
結局のところ、税金集める人がわからないようにする
それがマネーロンダリングに通ずるのだそうでありました
んでもって脱税というのは、日本国の法律ではあるけども
日本で起きてなければ、犯罪の範疇になりません
それがポイントでありました

英語が大切だわ

無い頭が判断したのは
中学生でも言いそうなことであります
英語さえできれば、うまいこと海外に口座作って
ぼろ儲けになるのかもしれませんと
そういうことが示唆されておりました

少しだけステキと思ったのは
主人公の秋生という男がトレーダーとして
死ぬほどの恐怖を前にして脱落しているという
へたれっぷりが描かれていたところであります
その死ぬほどの恐怖が、経済的な恐怖であり
暴力とかそういうのでないところが
リアルといったらいいのか、うわぁ、という具合で
大変面白かった
ああなりたくないけども、なったら一気に老けるんだろうな
そういうありきたりな感想であります

ともあれ、脱税の役に立つかというと
そうではなさそうなお話
ただ、ここ数冊読んだ本と同じく
節税の概念がお金持ちへの第一歩なのかもと
思わせてくれたのでありましたとさ