CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

バイアウト

2007-07-03 08:30:27 | 読書感想文とか読み物レビウー
バイアウト 作:真山 仁

ハゲタカの続編、旧題ハゲタカ2ことバイアウトを読了
前作ハゲタカの登場人物のその後が描かれておりました
この作品とハゲタカあわせてで
かのNHK土曜ドラマの傑作ハゲタカが出来たかと思うと
いやおうなしに期待して読んでしまうのでありました

いや、面白かった

そうつぶやいたのだが、なんというかな
ハゲタカほどのインパクトと楽しさがなかった
届かなかったという具合なのでありますが
どうにも消化不良なところがあって至極残念
ただ、それでもやっぱり買収劇とかってステキよねと
しみじみ感心できたのであります

前作ハゲタカで日本に対して喧嘩売った鷲津が
一年間の海外逃亡生活を経て
再び日本に降臨するところから始まるのであります
鷲津を襲う様々な因果、それにより最大の痛手をこうむるのでありますが
ネタバレすぎて触れられない、ああ

そのネタバレすぎるその部分が
最終的に解決されてない気がするのが
とても気にかかるというか、残念だったのであります
折角だから、前作のように
どばっと嘘でもいいから、フィナーレが派手だったらよいのに
そう願ってしまうのでありますが
今回は、ことが大きくなりすぎたというか
結局日本でお金持ちになろうとするには
国や政治家とつながりが必要なんだわと
教訓めいたことがつれつれ出てきて、そのコネクションによる
決して爽快感のない達成が
連綿と続くのでありました、ステキ

アメリカと日本との間で
ワシントン筋やら、兜町筋やら
あちこちで酷いことをしつつ、ベルボックスと呼ばれる
ステキな日本の暗部をつかさどるアイテムやら出てきて
なんか字面だけ見ていたらファンタジーなのでありました
スリーピングビューティーとか出てくるしな

鷲津もあれこれ活躍して、活躍しすぎたがタメに
ホライズンを解雇されるというのはドラマの通り
ただ、ドラマとはまったく違う展開での解雇
そして、そのシーンもまったく動揺が無い
とは言い切れないが、それほど大きな衝撃ではない
ここで、人柄というのか、友情でもないが
色々と集まってくる仲間たちの構図等が
いちいち少年漫画みたいだけど
鉄板でかっこいい描写だと惚れてしまった
いや、泣いた(泣くとこじゃねぇ)

前作で別れたリンとの逢瀬というか衝撃的な再会と
愛情なのか、スキンシップなのか、ともかく
乱暴に継ぐ乱暴もステキ
ダメ人間になった鷲津が、ぼこぼこにされる姿は
それはそれで面白いなぁ、いいなぁと
ちょっとだけ思うのでありました

まぁ、全編を通じてやっぱり
鷲津モテモテやんけというやっかみはあるのですが
ステキ、一層ワイルド感が増したというか
女をあさる感じが出た鷲津もなかなかよいと
感心してみてしまったのでありますが
あれくらいのお金持ちになると、簡単にスチュワーデスとかと
仲良くなって、ステキなことになる様子でした
いいなぁ、なりたいなぁ(目を覚ませ俺)

と、まったく金融と関係ないところばかりでありましたが
金融がらみの案件はそれなりにあるんだが
どうも今回、どの案件も、え、それで終わり?みたいな終了で
少し残念、まぁあんなもんなのかもしれませんが
ハゲタカより爽快感が落ちるのです、さっきも書いた
それと、どっかの雑誌に連載されていたのか
そのスタイルはわかりませんが、なんか全然関係ない
あるダメ男の生活が突然挿入されてきて
それがオチに繋がるんだが、その要らないなぁと
これまた物語と関係ないことを覚えたのも追記であります
商業小説だからああいうのが必要なのかしらとか
よからぬ邪推をしてしまいます

と、さっぱりな感想文でありますが
面白かったので書き終えておきます