CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

六道の鬼にござれば

2011-04-18 21:40:51 | 読書感想文とか読み物レビウー
六道の鬼にござれば 作:阿郷 舜

時代小説というか、時代劇小説であります
歴史小説じゃぁないけども、なかなか、
下地には凝っておりまして、
信長華やかなりし時の禁裏とそれより以前、
天皇について、色々と推察した
興味深い小説でありました

なんか、研究者だったか、NGOの人だったか、
作者の経歴が妙な感じで驚いたのでありますが、
世界各地を旅して、様々に、地に足のついたというのか、
下々として、あまり歴史上語られることのない世界、
そのあたりについて、ずずいと飛び込んだような話

もののけ姫とは違うのですが、
下地というか、タブーと、何かしらの間を
綱渡り的に描いていたような物語であります
なんのこっちゃわかりませんが、
つまるところというか、まぁ、天皇の起源がどこにあって、
それがどういうルートで、そして、それとは別の
達がどうであったかとか、
なかなか、手強いテーマを書いております

そんなわけで、描いている世界は
そこそこ面白かったりするのですが、
ちょっと残念と思われたのが、
どうも、物語が狭いというか、なんか、色々あって、
たくさん考えて、様々なことが見えたという感じなんだけども、
読み終わってみると、あれ?もう終わり?っていうか、
大して動いていなくね?と思ってしまうようなところが、
にんともかんともであります

スケールが小さいというのとは違うのですが、
主人公が強すぎるせいか、はてまた、
主人公側が負ける気がしない内容だからか、
ともかく、バトルなんかも色々と描かれておるのですが、
それらが全て、なんか、もう一つというか、
単発で終わっていて、続いていない感じが、
どうも、全体スケールを小さくしているように
読めてしまったのであります

結構たくさんの人が出てくるのに、
一回限りだったり、なんか、どうも、
しっくりこない感じがしてしまいましたところ

最終的に目的がなんだったのか、
色々伏線あったけど、それ、伏線じゃなかったのか、
とか、私の読み方にはちょっと合ってなかったようで
ありました

とはいえ、サンカのくだりといいますか、
その頃の世俗の事情について、色々と書かれているところは面白くて、
読まされたのであります

全体的になんとなく、アレな感じになっているのは、
多分、天皇起源のあたりのところが、
どうも納得いかないせいだと
自分ではわかっておるのですが、
色々な古い書物と照らし合わされるところは、
MMRとは違うんだけど、
胡散臭いというか、説得されようとしている感じがあって、
馴染めなかったと思われるのでありました

読みましたという、感想をメモ