CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福

2017-03-13 22:07:36 | 読書感想文とか読み物レビウー
サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福  著:ユヴァル・ノア・ハラリ

読み終えるのに随分時間がかかってしまった、
こういう難しい本は一気に集中して片付けないといけないなと
反省しきりの読後であります
何せ、難しすぎてもう、最初のほうで何書いてあったか
さっぱり思い出せないのであるからして

と、情けない感想になってしまいましたが
なかなか刺激的な一冊でありました
ホモ・サピエンスという生き物について、
その特異な部分を様々に挙げて、どういう仕組みでそうなったか、
あるいは、何がそんなに違うのかというのを
生物学、物理学、生化学、はてまた倫理学から哲学までも
幅広い分野からアプローチをかけて読み解くという
面白い本でありました

ちょっと飛躍というか、そりゃないだろうと
思わなくもない部分も見られるのでありますが、
原初の人類、そのなかでなぜ、サピエンスだけが残ったのかという説明に
認知革命と呼ぶ、想像力、神話の構築を挙げているのが肝でありました

集団を統率するために、集合意識のような、
みんながそうだと信じるものというのが発明された、
あるいは、それを信じる、つまり想像することができると
無いものを知覚する力を手に入れたことが凄いと
そういうところからの解説でありました
これはなるほど、物凄く納得というか、そうか、そういうことだったのかと
合ってるかどうかもわからないまま、腑に落ちてしまったのでありますけども
この知覚が、やがて神話にはじまり、宗教という共通概念を作り上げたと
そういうお話に発展していくのである

その後、この宗教が、都合よく社会という、これまた
非常に大きな種族帯を率いていくために作られていき、
これがまたこぎれいに整えられていくことで、
どんどんと集団統率がうまくなるわ、階級ができるわと
中世の様相を経たというお話であります

さらには、この抽象概念の認知が、信頼というものを生み
この信頼というものが具現化したものとして、貨幣が開発されると
これはまた、別の本で読んだ説と合致したので
なるほどなと思わされたところなのだけども
非常に面白い思索だと感じたのでありました

さらには、都合よく平和なるものを手に入れようとするため
帝国主義という手法が編み出されて、実際に
それによって、多くの小競り合いが掃討されたというのも事実であり、
さらに時代は進んで、そもそも戦争という行動が
実利に合わないという段階まできているというのが
興味深い内容なのでありました
相当の昔から考えれば、随分立派な世界になっておると
そういうお話であります

が、しかし、この想像が行き過ぎたかのようにして
今度は派手に差別やなんやを訴えるようになって、
自由とはそもそもなんなのだといったことから、
生きる目的とは、幸せってどういうものだと
昔の人の労働対価と、現在の労働対価の差について考えるなど
哲学にも踏み込んでいき、読むだけで
あれこれと考えるきっかけになる素晴らしい本だったわけでありますが

まぁ、ともかく、ちょっと読んで、閉じてなんて読み方していると
さっぱりわからなくなるので、読むときは
集中して読むべき本であると、そんな教訓めいたことを
メモっておくのでありました
面白かったんだが、楽しみきれなかったというわけなのである