CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【映画】ミリオンダラー・ベイビー

2020-05-01 20:54:08 | ドラマ映画テレビ感想
アカデミー賞受賞作品だと思われます
いかにも、ボクシングで成功していくスポ根的作品だろうと
パッケージから判断してみていて、衝撃を受けたというか、
そうか、クリントイーストウッド作品って、そういうことだったかと
自分の浅はかさを呪うでもないが、
思ってたのと違うと、泣きながら見ることになってしまった
切ない作品でありました、すごい面白かったけどやるせないわ

ヒューマンドラマであったようにも思うし、
哲学的な、生きるということについて、正解とは思えないもので終わる、
なんとも考えさせられる作品でありました
ボクシングのチャンピオンになろうという女性が、
精一杯、そして、決して曲げることなく努力をして
成功していくという姿を見つつ、
その彼女のトレーナーであり、また、住み込みの元チャンピオンでありが、
それぞれ、自身の生き方とも折り合いをつけつつ
彼女と歩んでいくという出だしと、
練習風景なんかが、すごくスポーツものという感じで
それだけで十分に面白いじゃないかと
食い入るように見入っていたのであります

特に、女優さんの作りこみが素晴らしくて、
素人だったころから、練習を重ねていくにつれて
明らかに体つきと動きが変わってきているというのが
並大抵の努力ではないものを感じさせられて、
女優が、その役と同じくらいの肉体的努力をつっこんだことが
ありあり伝わってきて、すごく感動したのでありました

そういった、スポーツの動きという部分もよいのだけども、
出てくるキャラクタたちの人間的醜悪さもまた優れていまして、
ろくでなしがいっぱい出てきて、
本当にろくでもないことをしていく様、
そしてそれが咎められないという切なさ、
そんなひどい仕打ちを映画で見せるなと思ってしまったりするほどなんだが
それがまた、物語を面白くといえばいいのか、
見せるものにしていたのは疑いがないところでありました

最終的には、まるで正しいとは思えない、
生きるということ、生きたということ、そこにある尊厳というものについて
ある結論を出してしまうのだけども、
これがまた、なんというかな、一人の人間の限界というべきなのか、
精神的な、宗教や何かではどうしようもない選択を見せつけるようで
ぐっと心に残ったというか
本当にもう、悲しいと思えてならない、映画だったと思うのでありました

ラストに、途中で逃げた男がまた帰ってくるという
別エピソードのエピローグ的なものがあり、
これが少しだけ、気分を晴らせてくれるというか、
何か、よい予感を覚えさせるのだけども
なんとも、心に重い映画であったように思うのでありました

悪い奴が、ひどい目に合わないというのが
物語のうえで見せられると、余計につらいと
すっかり心が衰えてきた老人だなと自身を鑑みるのである
イーストウッドは、年齢を重ねたうえで、それを撮ってるというのにさ