CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【映画】スターリンの葬送狂騒曲

2020-05-14 20:50:58 | ドラマ映画テレビ感想
見たいと思っていて、映画館で見逃したそれであります
タイトルからしてはちゃめちゃコメディタッチで、
スターリンの死後のどたばたを描いているのかなと
軽い気持ちで見たんだが、

いや、確かに、コメディタッチというか、
だいぶ黒めのブラックユーモアたっぷりの
辛辣というか、もう、終盤になるとまったく笑えない感じが
すごい映画だと感心しながら見入ってしまったのであります
そのころの時代というか、何があったかさっぱり勉強が足らないので
スターリン死後、フルシチョフになるまでに
何があったのかが、わかりやすく描かれていて勉強になったのでありました
まぁ、実際はもっとひどいことがあったんじゃないかとも思うが
この映画だけでも、絶対に共産主義だけはだめだなと
思わされる壮絶さに満ち溢れていたのである

序盤で、ばんばん粛清していく様が、いかにもスターリン主義的(誤解)だと、
笑いながら見られていたんだけども、その粛清が続くなか、
それをBGMのようにして、物語が進んでいき
やがて、権力闘争、派閥闘争のにおいを帯びてきつつ、
それを共産主義的、ソ連的正義にのっとって解釈しようと
あの手この手で策謀していくというのが
すごい面白いのでありました
本当に、絶対あんな世界に生きていたくないわ

コミカルに、党委員会というものの実態を描いているさまが
滑稽なんだけども、だんだんと、ああいうこと
日本の社会というか、会社内にすごいいっぱいはびこってるよなと
うすら寒い感じになるのもまた素敵で
官僚的とも違うのかもしれんが、
ある程度、秩序をたもつために承認というフローを通すということが
なんとも不細工だけど、代わりのない方法なんだろうなと
改めて思い知ったようであります
結局そういう手続きを踏むだけで
やってることは、根回しとか、寝技の範疇にはいってしまうという
この齟齬というか、気持ち悪い感じが
よくよく見かけるやつだと思ったりするのだ

と、そんなわけで、政治家と軍部というもの、
ソ連的なそれというのが
驚くほど日本でも見る光景だというのが
一番怖いと思った部分なんだが
ホラーじゃなくて、コメディなんだよな
いろいろ考えさせられるが、面白くて仕方なかった