アパレル興亡 作:黒木亮
タイトルの通り、戦後くらいからの日本におけるアパレル業界の
興亡をまとめた小説でありました
どこまでが本当なのか、登場人物とか、あれこれは架空と断ってあったけども
昭和史、平成史というものにも通ずる、
ファッション業界のあれこれが見られて非常に面白い小説でありました
レナウン、オンワード、三陽商会といったところは、
昭和のというイメージがあるところの盛り上がっていた時代というのは
正直言って知らなかったので、この業界の切磋琢磨というか、
しのぎを削ったやりとりというのは
目を見張るものがあるなと楽しかったのであります
特に海外ブランドをどう取り入れて、うまくやりくりするか、
百貨店とどう付き合っていくのかというのが、
どこの業界でもあるはずだけど、
個人的に商売柄近しい業界のそれともそっくりだったので
バイヤーとの営業マンのやりとりというのが
楽しく読める小説でありました
いや、全然楽しい仕事してないんだけどもな
主役の会社はさすがに仮名らしく、
実際は東京スタイルという会社なんだそうで、
正直こういうのに疎いのでさっぱり知らないんだが、
小説内と同様に村上ファンドとの闘いで名をはせたのは確からしく
そこの悪の強い社長の、悪行と実力が様々
思い致すところのある内容でありました
昭和っぽいという言葉で片付けられない
重大なコンプライアンス違反が放置されているというのは
社風というよりほかないんだろうけど
すごいことだな
ともあれ、こういう企業物で昭和っぽさ全開の話というのは
やっぱり楽しいものでありまして、
しゃかりきに働いてこそという時代、
それを当たり前に働き続ける男たちというのが
非常に面白いと思えるのだけども、
それにしてもというところ、また、そのブレーキがきかない状態のまま
狂乱のバブルを味わいというのが
重大なところ、バブルとは昭和の終わりの話なんだなと
なんとなく、平成の話と勝手に思ってしまいがちなそれを
改めて思い出す小説でありました
個人的にバーバリーというものに
何かしら憧れめいたものを持っているので、
三陽商会の件だけはすごい鮮明にニュースとしても覚えているが、
その悲喜こもごもが、もっと描かれていてほしかったなと
思ったりなんだったりしつつ、
アパレルという業界で、いつの間にかファストリが先行して、
この業界に昭和からという老舗が生き残ることはできなかったんだというのに
何か、感慨のようなものを覚えるのでありました
業界は続いているのに
企業は続かないなんていうのが、恐ろしいところだと改めて思うのである
次は自動車だろうかと、なんとなし思ってしまうが
どうなのかな
タイトルの通り、戦後くらいからの日本におけるアパレル業界の
興亡をまとめた小説でありました
どこまでが本当なのか、登場人物とか、あれこれは架空と断ってあったけども
昭和史、平成史というものにも通ずる、
ファッション業界のあれこれが見られて非常に面白い小説でありました
レナウン、オンワード、三陽商会といったところは、
昭和のというイメージがあるところの盛り上がっていた時代というのは
正直言って知らなかったので、この業界の切磋琢磨というか、
しのぎを削ったやりとりというのは
目を見張るものがあるなと楽しかったのであります
特に海外ブランドをどう取り入れて、うまくやりくりするか、
百貨店とどう付き合っていくのかというのが、
どこの業界でもあるはずだけど、
個人的に商売柄近しい業界のそれともそっくりだったので
バイヤーとの営業マンのやりとりというのが
楽しく読める小説でありました
いや、全然楽しい仕事してないんだけどもな
主役の会社はさすがに仮名らしく、
実際は東京スタイルという会社なんだそうで、
正直こういうのに疎いのでさっぱり知らないんだが、
小説内と同様に村上ファンドとの闘いで名をはせたのは確からしく
そこの悪の強い社長の、悪行と実力が様々
思い致すところのある内容でありました
昭和っぽいという言葉で片付けられない
重大なコンプライアンス違反が放置されているというのは
社風というよりほかないんだろうけど
すごいことだな
ともあれ、こういう企業物で昭和っぽさ全開の話というのは
やっぱり楽しいものでありまして、
しゃかりきに働いてこそという時代、
それを当たり前に働き続ける男たちというのが
非常に面白いと思えるのだけども、
それにしてもというところ、また、そのブレーキがきかない状態のまま
狂乱のバブルを味わいというのが
重大なところ、バブルとは昭和の終わりの話なんだなと
なんとなく、平成の話と勝手に思ってしまいがちなそれを
改めて思い出す小説でありました
個人的にバーバリーというものに
何かしら憧れめいたものを持っているので、
三陽商会の件だけはすごい鮮明にニュースとしても覚えているが、
その悲喜こもごもが、もっと描かれていてほしかったなと
思ったりなんだったりしつつ、
アパレルという業界で、いつの間にかファストリが先行して、
この業界に昭和からという老舗が生き残ることはできなかったんだというのに
何か、感慨のようなものを覚えるのでありました
業界は続いているのに
企業は続かないなんていうのが、恐ろしいところだと改めて思うのである
次は自動車だろうかと、なんとなし思ってしまうが
どうなのかな