CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】湿地

2020-11-16 20:39:49 | 読書感想文とか読み物レビウー
湿地  作:アーナルデュル・インドリダソン

北欧を舞台にしたというか、アイスランドのミステリ小説でありました
アイスランドならではといっていいのか、
人口が少ないといったことが、ある種キーワードというか
ミステリの根幹部分に関わってくる内容で
なかなか面白く読めたのでありました
人口の大半が、だいたい親戚にあたるというのは
結構衝撃的なことだよなと、同じ人種という概念が狭いというか、
少なくとも、自分が考える自国民というものと
遠い感覚が新鮮でありました

ある老人が殺される事件が発生し、それを追いかけていくと
50年以上前のある事件が姿を現し、
その糸が今に続き、この事件の真相に繋がっていくといった感じで
派手なアクションとかあるわけではない、
淡々と様々なことを調べていき、そんな古い事件なのに、
少しずつ手がかりを探り当てて、
そういうことだったのかと合点するまでにいたるというのが
推理小説、ミステリ小説といった、よくあるそれとは
ちょっと異なるペース、あるいは、楽しみ方で満足できる内容でありました
謎を解く楽しみはあるんだが、異質といっていいのか、
異世界といった感じがするのだ

この事件とは、特に関わりなく、主人公の娘がシャブ中になってて、
これもまた、なかなか大変なことになっているという話も展開して、
それが事件とリンクするかと思ったら、特にそういうわけでもなく、
いや、実際は細かいところで近づいたり、離れたりしてたんだけど
ただ、そういう状態の若者というか、人間が一定数存在するということが
当たり前に受け入れられている社会といったらいいか、
ともかく、犯罪なんだけども、許容されているというか、
存在が認められていて、どうしようもないといった
やるせなさでもないな、なんだろう、この不思議な感覚わと
北欧独特なのか、その世界観が衝撃的だとも思えたのでありました

話題作で、さらに続編があるとのことで早速読んでみているんだが
なかなか、楽しいといった、明るい話ではないけども
面白く読める小説でありました