CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】緑衣の女

2020-11-17 21:34:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
緑衣の女  作:アーナルデュル・インドリダソン

前作湿地に続いての北欧ミステリであります
またも、過去に起こった悲惨な事件とクロスオーバーしながら
現代に、その謎というか、その事件を暴いていくというお話
またもといっていいのか、
どうやら、北欧というのは結構大変なところのようで、
DVというか、女性への執拗な暴力が隠されてきていたと
そんなところを暴いた内容でもありました

唐突に差し込まれる暴力的な夫に悩まされる妻と子供たちの物語があり
それが、どうやら過去の話であるらしいと思いつつ
現代では、謎の骨、おそらくは殺人にあった遺体が発掘され
これがまた、ちょっとずつ掘り起こされていくという
いらいらする展開と、それと同時並行的に
主人公の娘の問題とか絡んできて
まぁ、北欧というか、アイスランドというのは大変な家庭環境が多いんだなと
いらんことを考えさせられつつ、物語が進んでいくのでありました

前作に続いて、やっぱり、派手な何かがあるわけでもないんだが
ある悲惨な家族の物語が、少しずつ、本当に少しずつ明らかになっていく
その途中途中に、ただただ、悲惨であった過去のシーンが挿入されて
まぁ、なんというか、酷いと思わされ、
そういった男の有様というのが、ありありと浮かぶような
外面はとてもいいのに、家庭内では悪魔となる
こういうのは、どこでもあるんだなと思わされつつも
その人を許容しているようでもなく、
でも、逆らうことはできずといった女性の苦悩だとか
様々なことに思いを募らせる内容でありました

最終的に、これまた、見事に解決というか
その物語が明かされるのだけども、
前にも思ったが、人口が少ないとはいえ、
相当に古い記録も当たることができてしまう
これが、アイスランドという国の凄いところなんじゃないか
70年近く前の事件を明かすことができてしまう
そこが面白いと思ったのでありました

いや、物語だから、実際そんなわけねぇだろと言われたら
残念でしかたないんだが、人間の数が少ないから
わかってしまいそうだなと思うのである