CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

NHKスペシャル 疫病退散 千三百年の祈り

2021-06-11 18:26:00 | ドラマ映画テレビ感想
久しぶりにNHKスペシャルの面白いドキュメンタリでした

内容は東大寺のお水取りをやりました
と、そんな話で、コロナだから大変だとか、
1270年続いているんだとか、そういうこともそれぞれ凄いことだし、
非常に興味深い内容であったのだけども、
個人的に一番興味を引いたのは「五体投地」でありました

漫画知識で、なんとなく、全身をなげうつ祈りの方法と
聞いてというか、読んではいたし、実際そういう場面を読んだのだけど、
実際の坊さんが行う五体投地が、思ってたのと全然違ったし、
もうそれが凄い迫力で、度肝を抜かれたのでありました

人によって、それぞれフォームが違うというか、
五体投地というのは、名前と概念を示しているだけで
正しい所作といったものが存在するんじゃないんだと
考えてみれば当たり前のところにいたって
なんというか、凄くよいものを見せてもらったと、手をあわせるほどでありました
様々な方法で、床に体を叩きつける
それによって、祈りを昇華させるというのが
もう、観念的すぎて、ちょっと考えると意味不明というか、
それ関係なくない?とか思ってしまうんだが、
本当に祈りをささげようと思ったときに、
その方法をとって、その辛さに何を見出すのかが大切なことなのか、
それこそが本当の祈りと呼べるものになるのかとか
哲学的で、すごくよかったと思うのである
言葉遊びと、祈りという意味のあるなしが希薄なそれが、
誰のための、なんなのか
すげぇ考えさせられる内容だったと思った

宗教というものが、疫病に対してどうあるべきか
それが、現代に突きつけられたということでもあるんだなと
改めて思い知る内容だったように見える
疫病退散を祈るのに、その行為自体が疫病を呼んでしまう
コロナ対策を十分に展開できないと
そんな話になってくると、祈りという行為への神秘さというか、
信頼というものが大きく損なわれると感じたんだが
それでも実際に行われた行事を見ていると
なんだか、ありがたいという気持ちが湧き上がってきて、実に不思議でありました
このあたり、自分には信心というものが足らないと思ってたけど、
案外そうでもないのかもしれんと
心弱き者として、ある種の安心を得たのでありました

伝統と歴史を見たといっても相違ない、
誰に見せるためでもないものが、その人たちによって続けられているというのは
価値といったものに変えがたい凄いことなんだと
思わされたというお話でありました
儀式というものの大切さがわかったというか、
この信頼を生む行為を真似て、安っぽいものがありふれたから、
何かが揺らいでいただけなのかなとも
思ったり考えたり

非常に面白かったとメモっておく