ハリガネムシ 作:吉村萬壱
芥川賞受賞作品であります
タイトルについて、なるほどと思わされる内容だったが、
いかにも芥川賞といった感じの、うらぶれたといえばいいか、
エログロナンセンス的な話が、ずりずり、はいずりまわる感じで展開する
読んでいて、決して気持ちのよいものではないけど、
なぜか読みやすく、描写がありあり、実像を結ぶように浮かんでくるので
なんというか、大変な小説だと思ったのでありました
倫理の教師が、なんかわからんうちに、怪しいデリヘル嬢と
情を取り交わすようになりはじめ、
そのまま、自分の中に眠っていた衝動や、欲望のままにふるまい始めると
まぁ、そのあたりが、いかにも、ハリガネムシに取りつかれたカマキリのようだと
そういうお話だったわけだけども、
この衝動というものと、それに取り込まれていく虚無感のような、
ずるい諦観みたいなのが見て取れて、非常に面白かった
今の年齢だからわかるのかもしれないが、
こういうこと、あるのかもなぁという、妙な連帯、共感を覚える内容でありました
願わくば自分には、このようなハリガネムシがつかぬように
物語としては、もう一匹、いや、一人、ハリガネムシにとりつかれているのかもしれない
そういう少女が、少しだけ出てくるのも興味深い
彼女については、重要なようなそうでもないような、
不可思議な存在だったんだけども、これがまた、芥川賞っぽいなと思わされたのでありました
脇役の影が濃い、この濃さがすごいと思ったのである
芥川賞受賞作品であります
タイトルについて、なるほどと思わされる内容だったが、
いかにも芥川賞といった感じの、うらぶれたといえばいいか、
エログロナンセンス的な話が、ずりずり、はいずりまわる感じで展開する
読んでいて、決して気持ちのよいものではないけど、
なぜか読みやすく、描写がありあり、実像を結ぶように浮かんでくるので
なんというか、大変な小説だと思ったのでありました
倫理の教師が、なんかわからんうちに、怪しいデリヘル嬢と
情を取り交わすようになりはじめ、
そのまま、自分の中に眠っていた衝動や、欲望のままにふるまい始めると
まぁ、そのあたりが、いかにも、ハリガネムシに取りつかれたカマキリのようだと
そういうお話だったわけだけども、
この衝動というものと、それに取り込まれていく虚無感のような、
ずるい諦観みたいなのが見て取れて、非常に面白かった
今の年齢だからわかるのかもしれないが、
こういうこと、あるのかもなぁという、妙な連帯、共感を覚える内容でありました
願わくば自分には、このようなハリガネムシがつかぬように
物語としては、もう一匹、いや、一人、ハリガネムシにとりつかれているのかもしれない
そういう少女が、少しだけ出てくるのも興味深い
彼女については、重要なようなそうでもないような、
不可思議な存在だったんだけども、これがまた、芥川賞っぽいなと思わされたのでありました
脇役の影が濃い、この濃さがすごいと思ったのである