沖で待つ 作:絲山秋子
短編二編収録の単行本であります
芥川賞受賞作品なので、また身構えて読んだのですが
どちらかというと抜けた感じのテンションだったので安心しつつ読んだのでありました
表題作は、同期入社の男女について、その妙な連帯感というのを描いた作品で、
事件は起きるけど、直接関係がないというか、どこか他人事めいた
いや、当事者なんだが、なんか気が抜けている関係のままに、
つらつらと、社会人あるある的な内容をほんわかと描いた内容でありました
同期で配属先が一緒だったというだけで、
まず、その配属先での排他的違和感を覚える段、
そこから馴染んで仕事をしていく段、その最中の面白おかしい話、
そして、そこを離れるときにすっかり里心のようなものがついていた段、
そしてそして、といった感じなんだけども、
それぞれの思うところと、年齢と、得ていくもの失っていくものが、
何も語られず、ただ、二人の男女が生きてきた様を描いているだけで
変遷というのがみてとれるようで面白かった
人間こうやって、変わっていくような、変わっていないようなと
そんな感じよなと思うのである
オチというか、唐突とも思えた秘密の話が驚愕だったけども
なかなか考えさせられるところである
もう一遍、勤労感謝という素敵な題名で
その題名の通りに、何に感謝すべきかしらと無職の女性が
あるひどい目にあった日の仕上げで考えるといった感じ
これまた気が抜けているし、いい塩梅の会話劇で、何がという描写はないのに
その内面や、内情、人間性みたいなのがにじみでてきていて面白かった
個人的には、こっちのほうが好きだったかもと思うのだが
どっちも、女性の独り言めいた、不可思議世界で、
書かれていることと、本当に思っているところに
何か乖離のようなものがあるんじゃないかと思わせるようでもあり
面白く読んだのでありました
暗くない芥川賞は好きだなぁと改めて思うのであった
短編二編収録の単行本であります
芥川賞受賞作品なので、また身構えて読んだのですが
どちらかというと抜けた感じのテンションだったので安心しつつ読んだのでありました
表題作は、同期入社の男女について、その妙な連帯感というのを描いた作品で、
事件は起きるけど、直接関係がないというか、どこか他人事めいた
いや、当事者なんだが、なんか気が抜けている関係のままに、
つらつらと、社会人あるある的な内容をほんわかと描いた内容でありました
同期で配属先が一緒だったというだけで、
まず、その配属先での排他的違和感を覚える段、
そこから馴染んで仕事をしていく段、その最中の面白おかしい話、
そして、そこを離れるときにすっかり里心のようなものがついていた段、
そしてそして、といった感じなんだけども、
それぞれの思うところと、年齢と、得ていくもの失っていくものが、
何も語られず、ただ、二人の男女が生きてきた様を描いているだけで
変遷というのがみてとれるようで面白かった
人間こうやって、変わっていくような、変わっていないようなと
そんな感じよなと思うのである
オチというか、唐突とも思えた秘密の話が驚愕だったけども
なかなか考えさせられるところである
もう一遍、勤労感謝という素敵な題名で
その題名の通りに、何に感謝すべきかしらと無職の女性が
あるひどい目にあった日の仕上げで考えるといった感じ
これまた気が抜けているし、いい塩梅の会話劇で、何がという描写はないのに
その内面や、内情、人間性みたいなのがにじみでてきていて面白かった
個人的には、こっちのほうが好きだったかもと思うのだが
どっちも、女性の独り言めいた、不可思議世界で、
書かれていることと、本当に思っているところに
何か乖離のようなものがあるんじゃないかと思わせるようでもあり
面白く読んだのでありました
暗くない芥川賞は好きだなぁと改めて思うのであった