CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】作家超サバイバル術!

2023-04-22 21:13:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
作家超サバイバル術!  著:中山七里、知念実希人、葉真中顕

新人というには、だいぶ過ぎている、売れっ子小説家だと思われる三人が、
新人賞をとってからどうしたらいいか、そこをちゃんとしてないと
あっという間に小説家ではなくなってしまうという
執筆業の悲喜こもごもとアドバイスをまとめた本でありました
業界暴露本とも異なるんだが、真面目に作家で食おうと思うなら
ここに書かれていることが、少なくともムダではないんだろうなと
本当、大変な世界だなということが書かれていて面白かった

新人賞をとっておめでとう、
あなたのライバルは東野圭吾です
といった感じが、新人賞を受賞した作家の立ち位置なんだそうで、
まぁ、確かに生き残っていくのは相当大変だなと思わされる内容であります
色々なアドバイスもあったけど、三人に共通してたのは
他に収入あるなら、ちゃんとそれは続けておこう
ちょっと働いてから小説家になろう
税理士を雇おう
といったところで意見が一致していて、中山七里さんに関しては
かなりドライというか、商業人としての経験あってこそのアドバイスが多くて
サラリーマンとしては、一番すんなり納得できる内容で楽しかったのでありました

編集者とのあれこれというのも書かれていたけど
作家側に問題がという話も、往々にしてあろうという感じだし、
そのあたりは、難しいというか、結局売れていないという状況によって
人が狂暴になるというか、誰かに当たりたくなるという
ただそれだけのような感じもあって、ああ、ひどい世界だと思わされるのでありました

あとは、twitterは絶対やるな、という話と、
小説家の問題は結局小説を書くことでしか解決しないという
ごく当たり前のところに帰結してんだが、
実際その通りで、多作でないと売れていかないし、
作家であるということを支えきれないというのはなるほどなと、
その量産するということが、作家という職業人のスキルなんだなと
改めて思い知ったのでありました、
結構いい話が書けたかもという、一発屋でも相当大変なんだが、
それをずっと続けられないと職業作家というのにはなれないんだなと
この大変さが、よくよく伝わってきてよかったのでありました

新人作家の9割が3年くらいで消えていくというのが
言われてみるとそんな感じかもという具合で、
とんでもなく大変な世界であるのに、
シェアはますます狭まっていて、椅子取りゲームのし烈さが極まってきている
文壇というか、職業作家という生き方が修羅の道であるというのが
一致した意見であったのは、記憶にとどめておきたいと思うのであった

そういうのを潜り抜けた人の本だけを
僕らは読んでいるのだな、ありがたし