CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】リアリティ番組の社会学

2023-12-02 20:55:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
リアリティ番組の社会学  著:ダニエル・J・リンデマン

タイトルの通りなんだが、そもそも「リアリティ番組」ってなんぞと、
でてくるタイトル「リアルワールド」「サバイバー」から「バチェラー」までの、
一つとして知らないので、正直めくら読みというか、
わからない単語を飛ばして読むという難読になってしまったわけだけども
なんとなく、ドキュメンタリとはちょっと違うが、それに近い、
人間の営みをあれこれ見せるという番組らしいと
それらから見える、社会の姿というのを説いた
大変真面目な本でありました
なんか、わちゃわちゃする番組の面白おかしい話かと思ってたんだが、
物凄く学術的というか、凄いちゃんとした本で
番組のことがわからないけども、社会の問題と、それの起こりというものについて
凄くわかりやすく勉強できた
そんなつもりで読んだんじゃなかったのに…

番組では、様々な恋愛模様や、家族の問題なんてのが
あれこれと出てきて、視聴者が怒ったり笑ったりすると
そういうものを狙っているんだけども、
その怒りや、笑いの根幹にあるものは、社会が定義する何かで、
そこから逸脱しているから、それらの感情が生まれるといったこと
そういう理から考えると、社会が定義する何かというものが見えてくる
それは、やはり、差別的であるし、それを誇張するからこそ娯楽になっていると
根元的に、そういったものが内在する世界を映しているといった感じでありました

そりゃそうだという感じなんだけども、
その人気の秘密、それでいて、よくない番組だという論調、
この矛盾に人間社会の何かがあるのではという話になって、
まぁ、ジェンダーやら、政治やらの問題と、
この番組をもって、トランプという大統領を生んだという話、
その時の手法と類似点などなど、
色々な指摘があって非常に面白いんだが、
ドキュメンタリほど教育的ではないというのだが、
実用の部分が内在する番組もあったりとか、もう、ドキュメンタリの次の段階の番組とすら
いえるかもしれないようなのであるけども、
とりあえず、ここで繰り広げられている営みが、
この本によると、アメリカそのものなのかもというお話だったのでありました

日本でも、バチェラーというのは、作られていたように思うんだが
まったく見たこともなければ、さほど流行ったという感じもしないので
アメリカ特有の文化なのかもとも思ったりするんだが、
日本におけるNHKの家族に乾杯とかがこれにあたるとすれば、
若干のアレンジはあれど、社会性人間にとって
楽しい番組となるそれだったのかもしれないと思うのでありました

まぁ、何を学んだとか、どうしたいとか
そんな本ではなかったんだが、番組をおうことで、
アメリカの思想なり、雰囲気の変遷が読めるのかもなと思わされたのである

昔はそれを映画やドラマが描いていたんだろうかとも思ったりする