CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】将棋カメラマン 大山康晴から藤井聡太まで「名棋士の素顔」

2023-12-20 20:55:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
将棋カメラマン 大山康晴から藤井聡太まで「名棋士の素顔」  著:弦巻勝

縁にからめとられるように、気づけば将棋を撮る人になっていた
そんな感触を持ちつつ、将棋を、棋士を撮ってきたカメラマンが、
歴史的大舞台や、それをなす棋士たちとの交流を語った本
最も濃く過ごした棋士が米長先生だったようで、
その内弟子の様子なんかも微笑ましく書かれていて
きっと、書けないようなことも山ほど見てきたんだろうなと思うようなところだが
大変面白かったのである

書かれている通り、今の棋士とはくらべものにならないというか、
まるで人種が異なる人が山ほどいたというのが
端々から感じられて面白かった
昭和の棋士というのが、一種無頼であったのだと
改めて思い知るような内容で、
それでいて、強い人に早世の方が多かったんだなと思い知ったのである

今でこそ好々爺といっては失礼になるんだが、
田中寅彦先生やら、桐山先生の若いころの写真が貴重というか
面影がありありと若いというのに感激してしまったり、
ただ、こちらを見つめているだけの升田先生が、その迫力を写真から投げられたようなものもあったり
プロの写真はすごいなと感動したのでありました

話しも、様々な棋士との交流が語られて面白いことこの上ないのだが
やっぱり、鳥取砂丘で裸になる米長先生を撮ったというのが
一等凄いと思うのであった
米長編だけで、一本大きな物語でもかけそうなくらい
あれもこれもと思い出がある様子で、
これはこれとして、写真で語る企画とかやってほしいと思ったのでありました

あとは、棋士だけではなく、将棋好きの有名人とも交流があったようで、
渡辺淳一、団鬼六といった著名な先生がいるかと思えば、
あの小池重明さんとも面識があったらしく
すげぇ世界にいたんだなと、アウトローっぽさが
そこここから感じられて面白かったのである

今となっては、大山先生も、升田先生も知らないので、
その頃をカメラで撮ってきたというのは
大変貴重だなと思うとともに、
撮影した写真は、やがて、連盟に寄附されるとのことらしいので
それらもまた、見る機会があろうかと思うと
ちょっと楽しみでもあると書いておく