CLASS3103 三十三組

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【読書】巴里マカロンの謎

2023-07-22 21:05:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
巴里マカロンの謎  作:米澤穂信

ようやっと読めた、小市民シリーズの最新作
どうも前回発刊から11年の歳月を経てのものらしいが、
ずいぶん朗らかというか、暗闇がなくなった感じがすると
少々驚いて読んで、そして、とても緩やかに青春小説を楽しめたと思うのであった

意外といっていいのか、これまでのシリーズで、
ここまで具体的に地名が出てきていたかしらと首をひねってしまったんだが
もしかすると、放火事件のあたりとかも岐阜の地名のどこかしこだったかわからんが
今回は、がっつりと「名古屋」という実在都市が出てきて、
彼らの住んでいるところから、東海道線で20分程度のところにあるというお話がでてきて
なんといったらいいか、驚いてしまったんだが
名古屋である必然性はあったのか、舞台となった中学や高校は、
私立のあれやこれやなのかと、元名古屋市民として気になって仕方なかったんだが
それは本当に些末なことで、相変わらずの謎解きを華麗に楽しんでいて
これまでの三冊と異なり、ほとんど小市民であることを放棄しているでもないが、
そこへのこだわりは持ちつつも、薄れている、だからこそ
自然に謎解きしているといった感じで、
とても楽しく読めたのでありました
なんだかんだ、嘘をつかれているではないが、小市民たろうとしている姿に
違和感がぬぐえないというか、登場人物の気持ちと乖離があると感じていたので
いっそすがすがしく、これくらい謎解きしている方が
楽しく読めるなと思ったのであった

と、まぁそれはそれとして、あいかわらず甘い物に関しての
ちょっとした謎解きがいくつか出てきて、ふたを開けてみたら
結構ブラックというか、後ろ暗い事件があったりしたけども
中心となっているお菓子もろもろについては、とても美味しそうで、
また、小山内さんが、オオカミさよりも、ただの甘味もの好きとしてのキャラが
かなり前に出ていたので、微笑ましく読めてよかったのでありました
まぁ、そのせいか、ちょっとかわいそうな目にもあっていたんだが
あれについては、オチが見えているが、どういうことだったかの組み立てが
大変わかりやすくて面白いお話だったと思うのである

ともあれ、大きくは何も事件はないまま、
二人の関係がどうしたということもなし、
でも、知らず内に、すっかり屋外休日デートをしている感じになってるのは、
それはもう、いよいよ付き合ってるといって差し支えなくない?と思ったりしたんだが
相変わらずそういうことは、毛ほども感じさせず
謎解きをする二人を楽しめる作品でありました

メタ的というか、どうしても名古屋にひっかかるから考えてしまうんだが
例えば、岐阜に住んでいる高校生が、休日に女の子と名古屋駅に行くといったら
これはもう、かなりのデートなんじゃないか、
この感覚が理解できそうなのは、自分に地の利があって、
この本をより楽しめているんじゃないかと、よくわからない優越感でもないが
喜びを味わったりしたんだが
間違っているような気もする


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