ハンチバック 作:市川沙央
どうしても読みたいと思っていた一冊
読んでみたら、ちょっと期待しすぎていたとは思ったものの
芥川賞の新しい地平を拓いたようにも読める本で
大変よかった
ハンチバック=せむし、というのが本当なのかわからんが、
生きるために身体が破壊されていく、あるいはしていくといった壮絶な難病を患いつつも、
それ以外はとても恵まれた環境にある主人公が、介護を受けつつ、エロ文章を売って、
そしてSNSで他愛のないことを吐き出していたら、
ある種の願望を叶える機会に出会ってと、まぁそんなあらすじだけども、
難病に苦しみ、どうして生きているか、そういうことを考えているような
あきらめているような、そのどれでもないまま、
さりとて、強く自分が生きているということをふまえている言動と行動がとてもよかった
ある種の聡明さをどうしようもなく下品に披露する、
言葉を使役するといった感覚が面白いのだが残酷で、
軽口の叩き方はネット上のそれこれのようでもあるが、
心の機微と、察すること、考えることの理知的な部分が際立って読めるのが興味深い
一見すると、そういった人の性欲の話のようでもあるけど、
それとは肉薄するが、健常者が思い描くそれとは異なり、
その行為、結果に伴うものへの妬みにも似た衝動が根底にあって
そこにまた、拘泥するでもなく、本当に望んだのかもわからないが
案外やってみたらといった軽い気持ちで、
それこそ、入れ子的に小説内に現れる小説の主題である、春をひさぐ女のそれに近い、
小遣い稼ぎと興味本位の代替手段のように、選んでいる、望んでいるのかと思った
破滅願望ではなく、どうってことない一幕としての生業としての風俗
それを実行してみるといったことが、難病を背負っていることで
複合的に救いや望みや嫉妬や欲望をごたまぜにした何かにしていると
そう読むと、非常に味わい深く面白かった
ラストがまた、非常によい
あっけらかんではなく
何かのメタファーかのように、現役女子大生の風俗嬢という登場人物が出てくるというところが
夢のトレースを見たようでとてもよかった
どうしても読みたいと思っていた一冊
読んでみたら、ちょっと期待しすぎていたとは思ったものの
芥川賞の新しい地平を拓いたようにも読める本で
大変よかった
ハンチバック=せむし、というのが本当なのかわからんが、
生きるために身体が破壊されていく、あるいはしていくといった壮絶な難病を患いつつも、
それ以外はとても恵まれた環境にある主人公が、介護を受けつつ、エロ文章を売って、
そしてSNSで他愛のないことを吐き出していたら、
ある種の願望を叶える機会に出会ってと、まぁそんなあらすじだけども、
難病に苦しみ、どうして生きているか、そういうことを考えているような
あきらめているような、そのどれでもないまま、
さりとて、強く自分が生きているということをふまえている言動と行動がとてもよかった
ある種の聡明さをどうしようもなく下品に披露する、
言葉を使役するといった感覚が面白いのだが残酷で、
軽口の叩き方はネット上のそれこれのようでもあるが、
心の機微と、察すること、考えることの理知的な部分が際立って読めるのが興味深い
一見すると、そういった人の性欲の話のようでもあるけど、
それとは肉薄するが、健常者が思い描くそれとは異なり、
その行為、結果に伴うものへの妬みにも似た衝動が根底にあって
そこにまた、拘泥するでもなく、本当に望んだのかもわからないが
案外やってみたらといった軽い気持ちで、
それこそ、入れ子的に小説内に現れる小説の主題である、春をひさぐ女のそれに近い、
小遣い稼ぎと興味本位の代替手段のように、選んでいる、望んでいるのかと思った
破滅願望ではなく、どうってことない一幕としての生業としての風俗
それを実行してみるといったことが、難病を背負っていることで
複合的に救いや望みや嫉妬や欲望をごたまぜにした何かにしていると
そう読むと、非常に味わい深く面白かった
ラストがまた、非常によい
あっけらかんではなく
何かのメタファーかのように、現役女子大生の風俗嬢という登場人物が出てくるというところが
夢のトレースを見たようでとてもよかった
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