CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】東京観光

2017-12-26 21:15:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
東京観光  作:中島 京子

前回の「妻が椎茸だったころ」で、魅力につかれた感じになりまして
もう一冊と読んでみました、これもまた
同じようなというか、不思議な魅力にあふれた
短編集で楽しく読み終えたのであります
なんといったらいいのかな、この短編
むやむやしてるけども、非常に楽しい

ちょっと、愛だの恋だのともまたずれているような
不思議な感情が彩られていて、
これは、執着とか、偏愛とか、そういうものなのかしらと
思わされるような不思議な出来事というか
かなり一方的な登場人物たちの思いいれがあって
それを、主人公の主張のまま受け入れていると
最終的に、ずれているのはどっちだったのかと
考えさせられるようなのが多くて
他人の意見に左右されがちな自分には、
楽しいというか、恥ずかしいというか、
考えさせられるばかりの内容でありました
面白いと思うのだが、人を選ぶのかもだなぁ

表題の作品については、東京という都市というよりも、
何か、どこかに出かけたという事実自体に
なんともいえない感情を入れるというか
でも、そういうずれた感じもまた旅情といえばいいのか
それこそが本質みたいな主張といえばいいのか
答えはでないけど、なにか
納得までいかないが、わかるといえるものが
たくさん読めたのでありました

自分だけが正しいと思っていることについて、
それが自分だけだと自覚できない、
そういう気分をなぜだか、他覚と呼びたくなるような体験で
楽しむことができたとか
もう、言葉遊びすぎて、何書いてんだかわかんないんですが
楽しいと思えたのでありました

もう一遍、ゴセイトという、思春期にありがちな
一人遊びともいえない、ある種悲しい思い出というか
恥ずかしい体験みたいなのも
ぎゅっとつかまれるようで好きでありました
誰かと話したようなという体験は、
いつの間にか、自分が作り上げた、何かとの会話でないか
そういうのは思春期にもあるけど
今現在ですら、あるのでないかと思えてならないので
なんとも、いやな気分ともいえるそれを感じながらも
目が離せないようで、やっぱり
楽しいと思えたのであります

なんだかんだ、面白く読めてしまう短編ばかりだ


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