CLASS3103 三十三組

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【読書】タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源

2020-09-08 20:57:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源  
著:ピーター・ゴドフリー=スミス

非常に興味深く、面白い本だった
タコに関する研究本だと思ったら、そこからさらに発展して、
意識や、記憶、心といった哲学にも通ずる問題に意識を撥ねる
大変楽しい内容だったのであります

タコについて、そもそも、ほとんど知らなかったということも
この本によって補完されるし、そういう本でもあるのだけども、
その専門性高い話ばかりではなく、
タコがどういう行動をとるか、タコの研究がどうなされてきたか、
そこで判断されたものは、正しいのかという切り口で始まり、
やがて、タコに対して抱いている、研究結果という期待は
本当にタコを理解した内容なのだろうかと
そんな風になってくるのでありました
これは本当に深い、凄い面白くて仕方ない

タコという存在を紐解いていき、人間とどのあたりで進化分岐したのか、
それはどこが決定的に違ったのか等等、そのあたりも面白いんだが、
それらがさらに遡ったとき、ごく単純な生き物と呼べるかといった状態のとき、
コミュニケーションの原点ともいえる行動が見られ、
それが進化を続けるにつれ、何かを伝えるという方法となって、
その手法として神経が構築されていく

このあたりのドラマチックな語り口が面白いので
ぐいぐい引き込まれて、久しぶりに考えさせられた
というか、いい具合に本によって目が啓く感じを覚えたのでありました
この神経というものが、やがて、手とか足とか、そういうものに
概念もまた変化していき、今があるのかという
なんか、わかったような気分になれる知識を得つつ、
タコは全身にそのような神経が通っているという話で、
それは知恵というものか、知能というものを
どう判断すればよいのかに疑問を呈するのでありました

まぁ、そんなことを続けつつ
考える、心とは何か、もっと単純に嫌という感情が
人間以外にも存在するのかどうかとか、
そういうところにも発展して、もう、考え出したら楽しくてきりがない
答えがないのに、あれやこれや想像できるという
最高の娯楽を提供してくれるような
いい本だったのであります
久しぶりに、どっぷり本を読んだという感じがする
本によって、動かされて、何かを考えるというのが楽しい
そういう本だったと
思って書いておくのでありました

それはそれとして、タコとは何かについても凄く厳密にかかれていて
大変面白いのでぜひ読んで欲しいような気がする一冊でありました


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