CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

日輪にあらず 軍師黒田官兵衛

2013-05-16 21:01:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
日輪にあらず 軍師黒田官兵衛 作:上田秀人

来年の大河ドラマに備えて読んでおきましょう
そんなわけで、前々から興味はあったけど
ちょうどよい小説が見当たらないと思っていたところ
黒田官兵衛を主役にした小説がありましたので
ひっそり読んだのであります

読みやすくてよかった

以前に、立花宗茂の同作者の小説を読んでおりまして、
あれもかなり面白かったというわけで
期待して読んだのでありました、期待通りでありました
ただ、ちょっとおとなしいというか、割と安定した
そういう内容だったように思います

信長が凄い
秀吉は信長にあこがれている
家康は手ごわい

そんな三英傑を描きながら、それらに少しずつかかわっていく
特に秀吉にはしっかりかかわるわけですが、
軍師でありながら、一大名としてあがいていく黒田官兵衛が
描かれているのでありました
なかなか強かな人物という描かれ方でもありますし、
ものすごい天才という持ち上げ方でもない
このバランスがステキだわねと
読んでいて、鼻につかない感じの主役ぷりが見事であります

特に、神がかり的な献策や戦ぶりというのも描きつつ
それらは、太閤殿下の兵があってからこそ、
黒田の兵だけでは、所詮雑魚でしかないといった
そういう限界のようなものも描かれていて
地に足が着いたというか、あがいていく、そして、
天下には届かなかった男という感じが
ありあり伝わってきてよい本でありました

秀吉の下に組み込まれていくまでの話なんかは、
私勉強が足らないのでさっぱり知りませんでしたが
非常に面白くて、この人もまた、
戦国を生きた人なんだなと思わされる内容で素敵
義にあついとか、そういった側面もありながら
裏切るというそれが、義というよりも信を得られるかといった
非常に重要な部分を大切にしていて
読んでいて、思わずなるほどなんて思ったりできて
よいのでありました

ただ、後半というか、秀吉が大きくなるにつれて、
だんだんと遠くに置かれるようになってきて、
そして、すっかり戦国という大きな舞台から
二軍オチしたみたいな印象で終わるさまは
少々残念ではあるものの
それこそが黒田官兵衛なんだろうなと
不思議と納得できてしまい、なんというか
とても楽しめたのでありましたとさ

おかげで、片山右近や、中川清秀の生き様もわかったりして
へうげもの読みとしても、あれこれ知識を補完できたので
満足であります


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