CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

三人姉妹 チェーホフ

2006-01-19 09:06:45 | 読書感想文とか読み物レビウー
先日に続いて、セットになっておりました
三人姉妹(チェーホフ)を読みました

ロシア文学っつうのは、難解なものだなと
桜の園の時は、実際、10回以上読み直して
ようやく、名前と行動が一致して
多分こんな話だろうと思ってたのでありますが
今回の、三人姉妹についてはまだ一回しか
通読してなくて、はたして内容を理解できたかというと
全然わからん
といった体たらくで、大変であります

しかも、わたくし、ずっと小説だと思ってましたが
これは戯曲と呼ばれるジャンルなんだそうで
それがなんなのかわからんのでありますが
どうも、演劇の演目、いわゆる
ドラマの脚本みたいなものなのかしらと
現在は理解しておりますが、これもまた
理解が深まったときに、知識を慰めようと思うところ

はてさて、三人姉妹については
どれが主人公なのか、全然わからないところが
速くも相当難解でありまして
アンドレイという、三人姉妹の兄弟
つまるところ、4人兄弟姉妹の物語になるのでありますが
町に軍人がいて、モスクワがとてもステキなところで
憧れているんだが、そこにはいけず
よくわからない高尚な哲学をひっさげながら
それを横目にあざ笑い、毎日が無為に過ぎていくことを嘆く

と、字面だけで、凄く荘厳な具合ですが
一まとめにすると、やっぱりよくわからん、そういう感想
私の理解力が酷いので、さっぱりわからなかったんですが
感動的な台詞がいくつか

姉妹の長女オーリガが言った
「毎日一滴、また一滴と力と若さが抜けていくような気がする。
だんだん大きく強まっていくのは、空想だけ・・・。」
という、労働することで何かすり減らしているような
なんともいえない虚無感にさいなまれる女性の台詞でありますが
不幸な姉妹の長女らしく、その不幸っぷりも
板についております(なんて感想だ)
ただ、この強まる空想というのが、モスクワへの思いだったり
もっとステキな毎日がどこかにあるかもやもとか
もう切ない話でありますね

もうひとつはヴェルシーニンが言ったことでありますが
長いうえに何度も出てくるのですが、
私なりに解釈したところによると
「今は高尚なことを考える人が3人しかいないなら、
その内衆愚に踏み潰されてしまうが、やがてその人が
6人になり12人になりと増えていくと、それが衆愚を圧倒する、
毎日はめまぐるしく大きくうねっていて
日々進化しているから、今がつらくても未来は幸福であるはず」
という論でありまして
このやがて大多数になっていく、そのための
礎となるわけではない、無駄死にに近いことだが
先にはそれが幸福へとなんらかの作用をするだろうみたいな
なんだかとてもステキなお話
今、生きていることが未来の幸福につながるという
当たり前ぽいが実感のない話が、少しだけ
実感になるような、ならんような、ステキ台詞であります
もっとも、この哲学のすぐあとに
「しかし、幸福言うても、結局
どれだけ年月が経とうとも、今とかわらぬことで
人間は迷い悩み、先へと進まない、結局
ここに存在しているような気がしてるだけで、本当はいない
本当なんてものもないし、幸福だってない
あっても今とかわらない」
みたいな絶望感に打ちひしがれたステキな台詞もまっているのでありますが
なかなかどうして、ロシアは哲学が面白いんだと
ようやく気づかされました

と、まぁ、そんな具合で
やはりボケをいれる間もなく、感想が終わってしまうのですが
とりあえず、名前と人物を暗記してから読まないと
さらに苦しいということだけわかりました
ロシア人の名前は本当に難しい
あと、ネトラレがステキな戯曲であります


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4 コメント

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ロシア文学というか (あらん)
2006-01-19 17:24:27
ドストエフスキーとかの長編を読むと、出てくる名前が難解な上に省略形というか、全然つながりのない愛称で呼ばれたりするので、ものすごく混乱します。

(正確では有りませんが)ラスコーリニコフがドミトリーに成るとか、ファーストネーム・セカンドネーム・ラストネームと一杯続いたり(野球じゃないんだからと突っ込みたくなる)



とにかく名前で敷居が高くなるのは困った物です。
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レス>あらん様 (管理人)
2006-01-20 08:33:39
コメントありがとうございます。

ロシア人の名前に困惑するのは

私だけじゃなかった様子で安心してます



なんであんな長い名前で

しかも、関連性の無い(多分あるんでしょうけど)

別名が出てくるのかと

途中何度も、相関図というかこの名前が誰という

図を見直しながら読んでいました

あれがすんなりわかるようになると

格段に面白くなるのかと思ってしまいます
返信する
はじめまして (Hi-Fi)
2006-01-22 22:36:37
ロシア人の名前は困りものですね。

私はロシア語勉強してからはホントにロシア文学が面白くなりましたよ。



ちなみにロシア人の名前は、「名」、「父称」、「苗字」となります。現ロシア大統領のプーチンはウラジーミル・ウラジーミロビッチ・プーチン(たぶん)です。父称は父親の名前(を変形させたもの)です。なので、プーチンのお父さんもウラジーミルと言う名前だということが分かるんです。

もしプーチンに姉妹とかがいたりしたら、仮に名前がエカテリーナとすると、

エカテリーナ・ウラジーミロブナ・プーチナです。

父称は女性形に変化して、かつ苗字も女性形に変化します。

また、ロシア人は丁寧に呼ぶときは名+父称で、それ以外は愛称とかも使います。

これがまた厄介で、例えばウラジーミルさんはヴァロージャとなり、本を読んでるとこれは誰??となるんですよねー



と、長々と失礼しました。



ときどきこのブログを拝見しているのですが、チェーホフの戯曲を読む人がいるのか!?と思わず嬉しくなってコメントしてしまいました。

知名度が低くて悲しくなるのですが、機会があったらブルガーコフの「巨匠とマルガリータ」を是非。

ソ連時代の社会主義を風刺したとっても面白い小説です。



ではでは



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レス>Hi-Fi様 (管理人)
2006-01-23 08:54:59
コメントありがとうございます

ロシアへの含蓄が深い様子で

なるほど御教授ありがとうございました

やっぱ、言語とか文化とか理解すると

その土地の文学は面白いんでしょうね



私も知り合いにロシアに通じた人がいまして

その人のおすすめでもないですが

教えてもらって読んだんですが

なかなか、女性詞とか男性詞とか

名前を聞きなれないせいがあって

ロパーヒンはともかく、オーリガが

男か女かわからないとか悪戦苦闘しました



おすすめの書籍もありがとうございます

ちょうど今、読むもの無かったので

探してきてみようと思います



またコメントいただけましたら幸いです
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