CLASS3103 三十三組

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【読書】さまよう刃

2013-12-17 20:54:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
さまよう刃  作:東野圭吾

罪と罰に考えさせられる内容の小説でありました
テーマとしては、よくあると言ってしまっていいのか、
未成年の犯罪を裁くということ、
仇を討つということ、
この二点について考えさせられる内容でございました

陰惨な事件からスタートするのでありますが、
最近、心根が弱くなってきたのか、
こういう、ただ悪い、そういうものを読むのが苦痛というか、
嫌でいやで仕方ない、そんな具合で、
もう本当に、暴虐といったらいいか、残虐、酷薄?
いや、下賎極まりないといったらいいのか、
ともかく、非道なそれが始まりであります
つまるところ、娘が強姦のうえ殺された

父親のショックはいかばかりかというあたりから、
司法解剖などの結果から、殺人ではなく、
致死罪の程度であろう、しかも未成年と思われる
そんな風に考えると、
その哀しみに対して、あまりにも、あまりにも軽い
その怒りを、気持ちをどうしたらいいのかと
煩悶する、ここからの仇討ちへのいざないは見事でありました

そして、そのいざないというか、
実際に、仇討ちのそれに踏み出すシーンなんぞは、
激情に駆られる様、その説得力たるやといったもので、
別に、子供はおろか、結婚もしてない自分が、
これは怒る、多分殺すと思ってしまうほど
なんというか、陰惨極まりないその衝動を受け取って
まぁ、見事な仇討ち道に落ちていくのでありました

その後、仇を討つために潜伏しながら、
少しずつそこへと近づいていく
その間の葛藤でもない、なんというか、
目標がそれであり、怒りは間違いないものの
それでよいのかと疑問というではない、
何か、虚しさというやつを討つ前に覚えてしまったりと
人間の機微や人情が描かれて
にんともかんともでありました

オチというか、最終的な部分については
個人的にがっかりで仕方ないところでありますが、
この問題について、いろいろと疑問を投げかけた
それがテーマであれば、このオチがあってこそなのか
わからないものの
今回のサスペンスというか、ミステリ部分については、
そこは別に、ミステリにする必要なかったんじゃないか?と
ちょっと思ってしまったりしたものの
全体に、雰囲気と動きはステキすぎる小説でありました


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