森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「壬生義士伝」を観ましたか

2007-02-03 03:51:22 | 映画
壬生義士伝 - goo 映画

―おもさげながんす― ッて、胸に響く言葉ですね。映画館でも観ましたが、一昨日もテレビで観ましたよ。

 テレビ版でも、渡辺謙主演でやりましたよね。私はそれを観て、テレビの前で泣きまくったことがあります。映画を観に行くときも泣かないわけがないと思って、ハンカチは二枚持って出かけました。

 思ったとおりでした。もう滂沱の涙で目が腫れ上がってしまいました。その時私の隣には年配の御夫婦のだんなさんが座っていました。日本の男の人って、ちょっと気の毒だと思うのですが、外ではあんまりあからさまに泣く事を躊躇ったりなんかしませんか。でも私が、声こそ出しませんがさめざめと泣きまくっているので、もうこんな泣き女の隣で我慢する事ないやと思われたのでしょうか、ポケットからやおらハンカチを取り出したかと思うと、最後まで私と競うように泣いていましたね。ちょっと心の中で思ってしまいました。

―おじ様、私の隣で良かったですね。―って。

 この映画には、もう一つ思い出があります。
今となっては全てが泡になってしまった英会話教室に通っていた時の事です。似たような事を「白虎隊」の時にも書いたのですが、微妙に違う話です。

その先生が日本映画の話をしました。「日本映画見ましたよ。なんだっけなぁ、有名なあの日本映画・・・」
それって「寅さん」。それはそれでいいけれど、「寅さん」で日本映画を語られたくなかった私は、この「壬生義士伝」を一生懸命、お勧めしたのです。
―日本人の魂がこの映画には描かれている。家族のために身を挺して働く、カッコイイ日本の父が描かれている。(この先生は新撰組を知りませんから。)それを心から感謝する妻がいる。―
何にも伝わらなくて、(結果は見えていましたか)ガッカリしましたが(ふがいない自分に)、なぜだか、日本を知りたかったらこの映画を観て~と感じてしまったのですね。

中井貴一演じる吉村貫一郎が、その最後を迎える時、雪を見ながら一人で遠く離れた家族に語りかけるシーン。その息子が五稜郭に向かう時、家老の息子と交わす、泉の水の水杯。・・・・思い出しても涙が出ます。

でも、私の一番はやっぱりココです。
遺髪を受け取った妻のセリフ。
「だんなさま~、ごくろうさんでやんした。私らのために銭っこためてくださりやんして・・」


前に、その頃の仕事場の知人に、このセリフは日本の妻の心だよねと言ったら、「エー、そ~う?」と不満そうに言われてしまいました。要するに私だってだんなと同じくらい頑張っているのに、なんで女だけ感謝しなければならないんだと言うことなんだと思います。
そんな事言っていませんよ。それに、男の人たちはエンドレスな地味な仕事を繰り返す妻の仕事に感謝していると思いますよ。(大反論の声が聞こえてきそうですが・・)

とにかく家族のために働いて働いて、現実にはさほど感謝もされず、それでも働いて、給料なんかがわずかに上がれば、また家族のために喜んで、そんな日本の大半のお父さん達はカッコイイと思います。


人は何を守るために生きるのか―愛するものであったり、「義」の心であったり・・・
ラストで佐藤浩一演じる斉藤が
「吉村先生、おもさげ、ながんす」と彼の娘に南部なまりで頭を下げるシーンがあります。娘ミツは医者であるわけですから、確かに先生と言われる立場の人ですが、吉村はすでに旧姓です。

斉藤はミツを通して、吉村貫一郎との出会いに頭を垂れたのだと思い、涙は留まることがありません。

泣いた泣いたという内容ばかりで、おもさげながんす。




コメント (2)
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