<続けて2記事アップしてます。「相棒」も好きだけど藤原竜也も好きと言う方は一つ前の記事にもお立ち寄りくだされば幸いです。>
なんとなく切ないお話でしたね。
この物語を見ていたら、前のシーズンでやっていたドラマ「それでも、生きてゆく」を思い出してしまいました。
被害者家族の終わりのない苦しみ。
だけど加害者家族もまたそれは同じように続いて行くのですよね。
「それでも、生きてゆく」の被害者家族の母、大竹さんのセリフですが、
「同じ船に乗ってしまった。」
苦悩の大海をこの二つの家族は渡っていくしかないのだと思います。
何処にたどり着くのか分からない船ですが、いつかそれでもどこかに辿り付く事を信じて・・・・
だけど苦悩から逃れても、又新たな苦しみがやってくる。又逃れても、又やってくる。
平安な日々は、幼き日に追いかけた逃げ水のように追いかけても追いつけないものになってしまったのでしょうか。
あらすじは→こちらで
さながら賠償金の件から卑怯にも逃れて逃げ出したかのような加害者家族の父親でしたが、見つけ出した時に語る彼の言葉は胸に迫ってきました。
息子の事件で近所の人がテレビのインタビューで自分のことを語る。
そんな風に思っていたのかと絶望する。
裁判が終わったと思ったら、妻が病死してしまう。
そして今度は民事の裁判を起こされて負け、又マスコミに晒される。
波のようにやってくる苦悩の日々。逃げ出したくなってしまうのも無理はないことですよね。
そして新たな苦しみが、彼を襲う事になるのです。
もう一人の家族、加害者の姉も苦しんでいました。
だけどただ弟をかばうと言うものではなく、被害者の家族同様に心の底から謝って欲しかったのだと思います。
罪の意識のない甘い弟。
彼女の選んだ選択は・・・
私はここでもやっぱり先に述べたドラマを思い出してしまったのです。
そちらのドラマでは、警察に出頭する前の兄をいきなり蹴り倒す妹でした。
人間ドラマだとああなり、サスペンスだとこうなるのかと思いました。
普通の感じで「ただいま~」と帰ってくる姉の夫。その声の感じから、姉の家は決して冷めた夫婦ではなく、幸せな家庭を築いていたのだと思います。その普通の幸せもここで終わりです。
救いのない終わりでしたが、今回のゲストの渡さんが依頼者を真摯に守る良い弁護士役で出ていました。彼が今度は彼女を守るんだなと思うと、少しだけホッとするものがありました。
やってもいないのに、自分たちが犯人だと出頭しようとした被害者家族の気持ちは複雑でしたね。
悪縁であっても、その縁を断ち切ることなど出来ない悲しみを感じました。
ラストに哀れな父親に、捕まった犯人が誰なのかを告げる右京。
それを見ていた尊は、何も右京が告げなくても良かったのではないかと言います。そんな役を引き受けなくても良かったと言う意味だと思いますが、右京は覚悟がなければ刑事なんかしていないと告げるのです。
先を歩く右京のその先に、尊は逃げ水を見るのです。尊にとって右京はそう言う存在なのでしょうか。
ちなみに今回の視聴率は、17.4でした。
ゲスト/渡哲也 綿引勝彦
脚本:櫻井武晴 監督:東伸児