森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.12 「海盗セブン」

2012-07-17 07:01:30 | 観劇・コンサート日記

地球ゴージャス、初体験。

wowowで14日の日に観ました。

オープニングの歌から迫力がありますが、なんか長い・・・・

って、始まってみたら、これ、ミュージカルじゃありませんか。

地球ゴージャスって 岸谷五朗 ・ 寺脇康文の主宰の劇団ですよね。まさか彼らが歌って踊るなんて思ってもみませんでした。なんたって薫ちゃん&秀吉ですからね。

だけど彼らの他に大地真央 三浦春馬 森公美子 施鐘泰(JONTE) 小野武彦 藤林美沙 原田薫など。

歌って当然という方もいらっしゃって、見応えがありました。

歌って踊るのかと驚いたのは、先に述べたお二人だけではなく、三浦春馬くんについてもそう。

やるなあ、彼。

ますます好きになってしまいました。

大地さんは素敵な人ですねえ。

彼女が宝塚の時に、かなりのファンの人を知っていましたが、分かるような気がします。

森さんの歌も聞けて、なんか嬉しかったです。

 

3.11以降、表現者または表現できる場所を持っている人たちは、何らかの想いを発信しようとしていると思いました。「新感線」の「シレンとラギ」もそうでしたが、この「海盗セブン」のお話にも、それが盛り込まれていると思いました。しみじみと思い返すと、なかなか奥が深いのです。

でもそれはしみじみと思い返すと・・・・
と言う条件付き。

歌と踊りの舞台から元気発信。それはダイレクトに伝わって来ました。

だけど・・・

物語の展開からは、それが分かりづらいと思いました。
初めての「地球ゴージャス」の作品です。故に思ってしまったことを、正直に書かせていただいています。だけどこの感想は、先日「新感線」のドキュメンタリーを見た影響からなのかもしれません。

何を思ったのかというと、岸谷さんは抱え込みすぎてるんじゃないかなということです。作って演出もして、そして出演もしてしまう。

でもこれって、非常に良いこともあって、舞台で暴走するアドリブもシメられし、ささやかなミスもアドリブでカバーしやすいですよね。しかもそれが観客にも分かって、逆に舞台と一体化して凄く楽しいのです。

それでも抱え込みすぎているからじゃないかと思ってしまったのは、物語の部分が、タイトルがカッコいい割には、うーむという所。感動部分も浅い・・・ような。シナリオ補助を・・・ムニャムニャ・・・・

まあ、これはあくまでも私個人の感想ですし、トータル的にケチを付けてるわけではありませんので、あしからず。

ミュージカルなんかそんな物よと言われれば、そうなのかなとも思うのですが、なんたってこれだけのメンバーなので勿体ないなと思ってしまったのです。

私的には父と子の確執とその終わりをもっと踏み込んで描いて欲しかったと思いました。

おっとと、普通にネタバレの感想を続けて書いてしまいました。これから何かの機会に見る方もいらっしゃるかもしれないので、先にまとめさせていただくと、地球ゴージャスの舞台は、その劇団名と同じくゴージャスな舞台でした。しかもその舞台から伝わってきたのは「優しさ」でした。

お芝居の後に、観客に直接挨拶をする岸谷さん。チケット代の一部は東北の震災支援に寄付されたのだそうです。そしてカーテンが降りていく最後まで「ありがとう」を言い続ける三浦くん。凄くほんわかした気持ちになりました。

 

以下は途中で入れたかったネタバレ感想です。

 

親に愛されなかった子供。
それでも子供は、その親に「良くやったね、お前はすごいね。」とずっと褒められたいと思っていたのです。
その父が、「お前はやはり俺の子だ。凄いな、良くやったな。」
と言ったのは自分が助かりたいがゆえの懇願のセリフ。

欲しかった言葉はあまりにも悲しい言葉でもありました。

また

マンホールチルドレンゆえに響き渡る地下で歌い、そして歌が上手くなった双子の姉妹。
幼くして父をなくし、形見だったアコーディオン。寂しくてずっとそれを弾いてきた青年。でもそれで手先が器用になって盗みの達人にもなった・・・・。

逆境が別のパワーを育てたのです。

妻に去られた男は、一枚の派手なアロハシャツを拒み、自分を変えるチャンスを失っていました。もう逃げないと決めた男は、そのシャツを着ることに。

自分を変えるきっかけは、本当にささやかなことから始まるのですよね。

「子供たちの悲しみを盗むのだ。」
その趣旨に賛同して、みんなはひとつになりました。
たとえ言葉巧みなことを言い、前で旗を振る人が利権のみの強欲な人であっても、次に続く人達の心が真実ならば、そこには大きな力が生じると思います。

今の日本は正義の顔をしながら、こういう人がアチラコチラに紛れていて複雑にしてしまっていると思います。

ダメなものはダメ。
当たり前のことを言うと「経済というものが分かってらっしゃらない。」などと、まるで言った人を見下すような言い方をする人が実際にいるんですよね。

いろいろなメッセージが含まれていました。

・・・・・・・

良い舞台が続いていけば、様々なジャンルの天才たちが吸い寄せられるように参加してくるんですよね。地球ゴージャスもいつかそういう劇団になったら素敵だなと思いました。

さわやかな舞台でした。

 

 


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