私の今年と来年のな~んとなくの目標の一つは、東京駅周辺の美術館制覇。
東京駅周辺にはたくさん美術館があるんですよ。東京駅の中にもあるぐらいですから。
昨日5月3日に、その一つ「三菱一号館美術館」で開催中の「ザ・ビューティフル」に行ってまいりました。
これは今年初めに、その東京駅周辺の美術館をアレヤコレヤと調べていた時に、絶対に行きたいと思っていたイベントでした。
この前美術館に行ったのは、森アーツセンターギャラリーの「ラファエル前派展」で、その時の記事でも紹介した美術手帖3月号増刊の後半はこの唯美主義の特集でした。
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美術手帖3月号増刊 ラファエル前派 19世紀イギリスの美術革命 |
美術手帖編集部 | |
美術出版社 |
このラファエル前派と唯美主義は歴史的流れが繋がっていて、なんと「ラファエル前派展」のチケットを提示すると200円の割引になるのです。
申し訳ないのですが、ラファエル前派展のチケットはデザインが使い回しが出来ると言うか非常に面白みがないのですよ。
このことを知らない人は捨てちゃうよね。
でも、まあ、・・・私は捨ててないのですが。
捨てないっていうのは、時々良いこともあるのだよ、諸君。200円分くらいは。
まっ、それはともかく。
私は別に美術の勉強をしてきた者ではない訳だから、知らなくたって何も問題もないし、知らなくたって当たり前だとも思うのだけれど、それにしたって本当になんにも知らなかったんだなと思うことが多いです。この事は「ラファエル前派展」の記事の中でも同じことを言っていますね。
でも、本当にしみじみと思いますよ~。
唯美主義は「唯〈ただ〉美しく」なんですね。
それについては→耽美主義
唯美主義の画家に描かれている女性たちの多くは、強い意思を感じさせるものが多数。
眼力もそうですが、頬のハリから伝わってくる表情のちからを感じます。
孔雀やひまわり。
ギリシャ神話やジャポネスク。
素敵な作品がいっぱいです。
↑ チラシの裏面です。
ところがワタクシ、時々天邪鬼的な感覚に陥ることがあります。
皆価値があり多くの人々に認められた作品でも、だからってハハアってひれ伏すわけには行かないよって思う時もあるのです。
「芸術のための芸術」
すなわちひたすら美を追い求めるということなのかもしれませんが、生活全体が唯美主義そのものの画家たち。だから彼らは壁紙から暖炉上の装飾から、アクセサリーのデザインから家具のデザインにも手を染めていくのです。
なかなか商業的です。
女性たちの引き込まれるような表情に最初は心を囚われても、たくさん見ているうちに、だんだんとその時代に流行りだったのか、首筋の角度に飽きてきてしまいました。
ところが首筋の角度に飽きても、目や唇などに見たことのあるような親しみを感じてきました。
そこではたと気が付きました。
私が散々お世話になってきた質の高い漫画の絵と同じ。私にはそう感じたのでした。
この唯美主義が、「サロメ」のワイルドの同性愛逮捕後にほぼ同じく衰退していくのもドラマチックで映画的でなおかつ絵画的なことだなと思いました。
今回も美術手帖で予習をしていきましたが、解説のためのヘッドホンは借りました。
親切な解説でしたが、時には解説な親切過ぎて長過ぎると感じるものもありました。混んでいたらその場を離れつつその解説を聞かなければならないと思いました。
だけれど、最後の終わりの挨拶から、その前の「真夏」の解説は素晴らしかったです。
「・・・・唯美主義の落日そのものです。」のような。
その「真夏」
この絵をネットで見て、是非行きたいと思った「ザ・ビューティフル」。
やはり本物は圧巻です。
この一枚だけでも言って本当に良かったと思えます。
真夏の暑さに女性が椅子にモタレしばしの転寝タイム。彼女に風を送っているのは果たして本当に彼女の傍に実在しているのでしょうか。彼女が目を覚ますとそこには誰もいない午後の昼下がり。玉座のような椅子で優雅でゴージャスでありながら物語的な要素に引きこまれます。
以下は買ってきた絵葉書・ファイル・一筆箋から
壁紙。ブルース・ジェイムズ・タルバート
サロメの挿絵。オーブリー・ビアズリー。人気が高いですよね。
一筆箋の裏のデザイン
ファイルはコレクションしています。
「真夏」
三菱一号館美術館の10月からのイベントは「ボストン美術館ミレー展」です。
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ちょっと勉強でもしましょうか・・・・。
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鑑賞のための西洋美術史入門 |
早坂 優子 | |
視覚デザイン研究所 |
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西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書) |
池上 英洋 | |
筑摩書房 |
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お片づけ、結構順調に進めています。
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