※ ネタバレなしのあらすじ書かずの感想なので、学校などの読書感想文の参考にはお役には立てません、悪しからず。(今回は特に顕著かも☆あっ、いつもか^^)
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「愚かな薔薇」は萩尾望都氏が描きおろし期間限定カバーで話題になり、私もそれでその本に辿り着きました。
言うなれば吸血鬼の有効活用の物語かと。
いや、そんな風に一言で言ったら、多くの皆様に叱られそうですね。
だけど、不死の体を手に入れるとするならば、確かに果てしない時間を有する宇宙間飛行の飛行士には最適ですね。
血を吸われた者は、ゾンビ型吸血鬼になるわけではなく、代わりに健康的になれると言う、つまり何かしらのエネルギーを貰うと言うメリットがあると言うのも面白いです。
地球滅亡後の新しい人類の移住先を作る人々を作り出すと言う、国を挙げてのプロジェクト。
発想が半端なく面白いと思いました。
ヒロインの父は母を殺して、行方不明になっているとされていました。その真相も最後には暴かれて行きます。
つまりサスペンスあり、ホラーあり、キリリと痛い青春物語あり、そして最後にはかなり大掛かりな発想のSFと言う、読者を飽きさせることはありません。
枯れて行く薔薇は賢い薔薇。
死なない薔薇は愚かな薔薇。
なるほど~。
一気に読めます。面白かったです。
あらすじを、Amazonさんのページからお借りしました。
【夏が近づく季節、母方の故郷・磐座を訪れた奈智。十四歳になると参加することになる二か月に及ぶ長期キャンプは、「虚ろ舟乗り」の適性を見極めるためのものだった。キャンプの本当の目的を知らないまま参加した奈智は、磐座の地や両親の死にまつわる因縁、謎めいた人物たちに翻弄されていく……。恩田陸が放つ、吸血鬼小説の新機軸! SF長編。】
恩田陸さんの、他のシリーズになっている作品も読んでみたいなと思いました。
ただ、私、ちょっと思ってしまったのは・・・・
何か伏線回収部分が、私的には足りないような気がしてしまったのです。
それはサブで甘んじた人たちの気持ちの物語だったかな。
この子たちは、その後どうしたんだろうかと気になりました。
また、こういう物語に出会うと、私はいつも思ってしまいます。命の選別と言うか、種の選別を。地球には今はいったいどれだけの数の異なる種の生物がいるのでしょうか。
もしも船に乗せて移住させるとしたら、何をどのようにと考えてしまうけれど・・・・・
この雄大なラストでは、そこはどのような考えなのだろうかと、かなりつまらない事を考えてしまうのでありました^^
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