今回の脚本は光益義幸さんで《相棒season22第6話「名探偵と眠り姫」》のライターさんです。リンクした記事にもリンクしてありますが、この方の「最後の晩餐」や「悪役」もかなり気にいっている作品です。
《ドラマの感想はネタバレ配慮していません。未見または再放送時の事前リサーチにはお気をつけて。》
彼の作品には、時には愛する者のために自己犠牲も厭わない人が登場してくるなと思いました。
また、「彼はこのようなことをする人かしら」と感じてしまう人と「彼ならやりかねないな」と感じさせる顔ってあるのかなとも思いました。
これはちょっと失礼な感想なのかもしれませんが、マンションから転落死してしまった右京たちがマークしていた男は、そんな50億もの仮想通貨を盗んでいくようなバジリスクには思えなかったのです。
そうなると、やはりドラマの限界と言うか、「ハハーン、きっとああなってこうなってね。」と次の推理に向かっていくということなんですね。
でもまあ、「相棒」では全くそうは見えなかった普通のおばちゃんが、恐ろしい殺し屋だったという話もあったように思いますから、そうとばかりは言えないことですね。
「らくえん」と言うペンションに集まった客たちはみな一癖も二癖もあるような人たちばかりで、楽しめました。
1時間ドラマなので種明かしが早かったのは残念なような気もしましたが、よどみなく物語が進んだのは良かったように思います。
所轄の刑事たちやハングレの鮫島の子分たち、そのハングレにかつて脅かされていて、その者から指令を受けてきた編集者にその彼を金銭的に助けた小説家。
私は「バジリスク」とか「鮫島」とか言う名前をすぐに忘れてしまうので、その為に2回見たのですが(笑)、2回見たら、より一層面白く感じました。
冒頭の薫が、美也子が見つけたネットニュースの画像から事件を追いかける展開になるのが面白かったし、
ペンションで犯人を追い詰めていく右京と、彼と何の連絡もつかないまま、その真実と右京のいる場所にたどり着いていく薫と言う設定も楽しめました。
そんなところも今回の見せ場だし、右京の「そろそろ着く頃だと思ってました。」と言う言葉が、彼らの相棒の絆がますます強くなっている感じもして良かったですね。
結局今回の事件は、自殺に追いやられた我が子の母の復讐・・・・・
そう書くと、さながら悲劇の母みたいになってしまうわけですが、その自殺した男と言うのは、多くの人を暴力で縛り付け苦しめてきた男で、ある意味自業自得でもあるわけ。
だけどどんな子供でも母は母ってことなのかもしれません。
しかしこの母にしてその子ありって感じでしたね。
右京が声を荒げて諭しても、この母には1ミリも響いてない感じで、そこが一番怖かったかも。
今回で、私的に嵌った言葉は、イタミンの「温泉に戻って茹で亀になってろ。」。
六本木署の刑事の右京への言葉「黒幕っていう雰囲気がある。」。そして右京の「そちらは危ないですよ。」「熊でも出るって言うのか」「いいえ、亀が出ます。」かな。
またデジタルデトックス・・・・・ときには大事な事よねって私も思いました。
それから今回のロケ地「ジャルダンドヨノ」・・・・いつか行ってみたいなと思いました。
今回の視聴率は、10.7でした。