映画「パラサイト半地下の家族」の舞台。
映画は、非常にインパクトのある心に突き刺さった作品だと思いましたが、かなりの鬱映画で二回は見たいとは思いませんでした。
それの舞台って、如何に古田新太主演と言っても観る勇気があるかどうかと思いつつ、ずっと録画ホルダーの中に鎮座していました。(他にもてんこ盛りでそう言うのがあります(;^_^A)
結論から言うと、観て良かったです。
以下はあらすじは追っていませんが、なにげにネタバレしています。
映画の大雨で半地下の家が壊滅的な状況の部分を、(たぶん)神戸の震災に置き換えて描かれていました。
しかしここで語られていたことは本当だろうかと、すべてを丸のみにしてはいけないなとは思いました。下町は大火事。だけど影響を受けなかった高台の人たちは、いつものように犬の散歩をし、そして予定通りパーティーをする・・・・・
ただ格差の状況を描くのに採用した出来事だったのかも知れません。だから(たぶん)と書いたのです。
こういう部分こそ、録画なんだから何度も見て確認したら良いじゃないってところなのだと思います。
ところがいつ終了になるか分からない人生の後半を生き始めると、それが気持ち的に出来ないのですね。
要は、これからは何でも一期一会と言うことなのかもしれませんね。
これは決して批判ではないのですが、お母さんがクリスマスに鏡餅にろうそくを突き刺して、ケーキと言い張り、みんなで笑いあうというシーンがありました。
ちょっとベタだなと思ってしまいました(;^_^A
だけどしっかりと「貧しかったけれど、楽しい幸せだった日々」と言うのが伝わってきました。
この家族は皆家族を深く思って、そして幸せだったと思います。
だけど他の人には冷たかったと思いました。冷たすぎたのです。そこが貧しい毎日を暮らしてきた一番の弊害だったと思いました。
あの時、自分たちが罠にはめて追い出した元家政婦のお願いに頷いてさえいれば、あの悲劇は起きなかったはずです。いや、もしかしたら、元家政婦の反撃がその後に来たかもしれません。だけど元々仕掛けたのは自分たちなのですから、反撃の気配を感じた時点で防御しても良かったのではないかしら。
と、そんなことをいくら言っても意味のないことできたね。
彼らは他の人々を陥れ、その家に入り込むパラサイトだったのですから。
父と母は、その生活ゆえにまたは生き方ゆえにそこにたどり着いてしまった人々なのかもしれません。
だけど未来ある若い人たちは、その理不尽さに気がつき、抜け出そうとします。はっきりと娘は言います。「もう止める」と。
が、間に合いませんでしたね。
舞台ゆえの工夫があり、それによって分かりやすかったりユーモアをより一層感じたりしました。
こちらはより一層とは言えないかもしれませんが、その悲劇も深く感じました。
そしてベタだなと感じた、あの貧しいけれど笑いあった日々と言うシーンが胸に迫ってきました。
大切なのは「愛」。だけどそれは自己愛のみでは悲劇を生むってことなのかも。
家族愛は、ある意味自己愛の延長のような気がしました。
やっぱり心に突き刺さる作品でした。
以下の文は、「パラサイト」の舞台のHPからお借りしました。ねっ、魅力的なキャストさんがいっぱいで、それだけでも観る価値ありって感じでしょ。
【家内手工業の靴作りで生計を立て、地上にありながら地下のように一日中陽がささないトタン屋根の集落で細々と暮らす金田一家。物語の中心となるそんな金田一家の主・金田文平には、ドラマ・映画・舞台・ラジオなど様々なジャンルで活躍する個性派俳優、古田新太が決定。身分を偽造し、高台の豪邸に住む永井家の家庭教師としてアルバイトを始める文平の息子・純平を、数々の話題作に出演し俳優として着実にキャリアを積む宮沢氷魚、同じく永井家にアートセラピー教師として取り入る純平の妹・美姫には、子役時代から安定感のある演技力に定評がありシリアスからコメディまでこなす伊藤沙莉、美姫に続いて家政婦として雇われる文平の妻・福子を、多くの作品で唯一無二の存在感を放つ江口のりこが務めます。
また、金田一家とは対照的に、高台の豪邸で暮らし、次第に金田家に<寄生(パラサイト)>されていく永井家の主人で、実業家として成功しつつも中身はまるで“土建屋の親父”・永井慎太郎には、舞台やドラマ、映画で独特の存在感を放つ山内圭哉。美しく品もあるが天然な側面も持ち合わせる永井家の“奥様”・千代子には、デビュー以降数々の人気作に出演し、幅広い層からの支持を得る真木よう子。その娘・繭子を次々と話題作に出演する注目俳優、恒松祐里が演じます。
さらに、永井一家の家政婦を務めこの物語のキーパーソンとなる安田玉子には、その抜群の演技力が多くの作品で光る“カメレオン俳優”・キムラ緑子が決定。また、舞台『パラサイト』オリジナルの登場人物として、ナイロン100℃の作品をはじめ毎回鮮烈な印象を残し、鄭の作品に多数出演し信頼の厚いみのすけと、個性と実力を兼ね備えた魅力的なキャストの共演が実現しました。】