二回分の感想を書くと言っても、残念ながら二倍中身が濃いと言うわけではありません。
なにげに遅々として物語は進んでいないように見えて、実はゆるーくしっかりと進んでいるのですよね。
明智光秀の信長に仕える以前の資料が少ないゆえに、自由度が高いなと感じています。
帰蝶の夫になる人を見て来てと言う理由で、美濃に出掛けて行く光秀でしたが、実はそこで彼にとっての運命の人に出会わせるのですものね。
運命の人との対面・・・・
そりゃ、かっこ良くなくちゃね。だけど見方によってはうつけに見えなくてはならないわけで、たぶん、そのうつけって言うのは、変わり者と言う事なのかも知れませんね。
朝日と共ににこやかに現れて、獲った魚を切り身にして売る信長。
光秀は母から、すべては国の為ぞと言われるまで、あのような男に嫁ぐなどと悩んでいるようで、夫としての合格点はあげ辛いものがあったのかも知れませんね。
だけどこの時代の結婚観は、今とは違うはずです。
帰蝶こそ、最初から分かっていたのですよね。逃れられない自分の運命を。だけど光秀を今でも思っているがゆえに最後に自分の想いのままにしてみたかったのだと思いました。
帰蝶が去って、そして駒が去る。
帰蝶が去る時、光秀は書物の整理なんかしちゃって・・・・・。
「本当は、帰蝶さまを手放したくなかったのではないですか。」と光秀の気持ちに迫る駒。
自分の胸に問いただすような顔をして「そうかも知れぬ。」と言う光秀。
駒は光秀の心が自分にはないものと思って、涙をこらえて去って行きました。
ちがーう、こま~ !!!
ちがーう、光秀~ !!!
思わず心の中で叫びたくなるような気持ちになりました。
どんなに手放したくなかったとしても、その人は想ってはならない人。気持ちを切り離して書物の整理をしていた・・・・。気持ちを切り離せた人だったんだよ。
だけど、あの峠まで見送るよと言い、きっとそこにたどり着いたら、また少し先までと言ったかもしれない光秀。
そう言わせる想いは何なのかと、駒は思わなかったのでしょうか。
「そうかも知れぬ。だが」と「だが」と言わないのか光秀。
月の光の中で、駒が残したお手玉を見て何を思っていたのでしょう。
セリフであれやこれやと語らない光秀の本当の気持ちを分かろうとするのは、その辺のサスペンスよりも難しいなと思いました。
駒と帰蝶のキャピキャピ女子会風景や、道三の国衆には何にも伝わっていない熱き想い、また今回も帰蝶の婚姻が決まってハイテンションに喜ぶ道三、高政のあれやこれや(雑)、婚姻時に行方知れずになっている信長と見どころがいっぱいだったのですが、なんだかんだと言って、私の中ではあの光秀と駒との峠の入口での別れが一番印象強く感じてしまいました。
二人はどうなっていくのでしょう・・・・・・って、次回には後の正妻となる熙子が出てきちゃうわけだから、ああ、切ないなぁ。
私は大河ドラマは事実と違うものと思っていて、自由な脚本を楽しんでいます。
視聴者をやきもきさせる手練に拍手です。
そうですよね♪
光秀は、前半の人生が不明ゆえに、ライターさんの腕の見せ所度が高いような気がします。
そしてそのライターさんの罠にはまって、ワタクシもやきもきしています(笑)