「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

新東京駅

2010-07-09 20:59:44 | 街づくり

 丸の内側に計画される可能性のある「新東京駅」は、フォローしていく必要があると思います。

国土交通省の「成田、羽田空港間及び都心と両空港間の鉄道
アクセス改善について」
http://www.mlit.go.jp/common/000040245.pdf

http://www.mlit.go.jp/common/000055953.pdf

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景観法 理解のために(4)

2010-07-09 14:08:26 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

質疑の続き

○委員  三つの課題がまずあるのではないか。
 一つ目は、先ほどの景観の定義から始まって、それをどう定量的に表現するか。客観的な評価基準。
 二つ目は、それを生かす上で、景観アセスメントという手法的なものが本当に確立できるんだろうかどうか。
 さらには、それが住民を入れた民主的な議論の中できっちり仕組みとして成立すのだろうか。
 住民サイドから見て、今回の法案は本当に使いやすくなっているかどうか。使いやすくなっているとすればそれはどの点であるか、使いにくくなっているとすればこの点はちょっとというような点があればお聞かせいただきたい。また、市長さんにおかれましては、地方行政の立場からも御意見を。
○西村参考人 今回の法案の一つの特徴に、住民やNPO団体や景観行政団体からの提案制度というのが広く認められています。景観計画についても提案ができる、また景観重要建造物についても提案ができる。景観地区に関しても、景観地区そのものは都市計画の決定なので、既に都市計画法の中で住民の提案制度というのが認められているわけなので、広く、ほとんどのツールに関して提案の制度がある。それも、当事者だけではなくて、景観に関する形成の団体であれば団体として提案できるという仕組みになっていて、これは今までにない仕組みだと思うんです。ですから、それは非常に重要じゃないかと思います。
 それからもう一つは、景観計画の中で市民がどれぐらい計画に関与できるか。これは実際につくるときの問題になるわけですけれども、非常に重要ではないかと思うんですね。今、必ずしも市民の方が、非常に景観がいいところ以外ではなかなかそう関心を持っていない方もいらっしゃるわけです。先ほど山出市長さんがおっしゃったように、マンションがすぐ隣にできる可能性があっても気がつかない人も多いわけです。また、デザインに関して、建ち上がってくると文句になるけれども、計画段階では余り関心がない人がいらっしゃる。それは、単に意識が低いというよりも、今まで、そういうことに関心を持っても、どこに何を言っても、行く場所もなかったし、言っても聞いてもらえなかったわけですね。
 今度の法案の中で、ちゃんと計画の中に市民の声が反映されて、そしてどういう将来像が描けるのかということに関して市民がそれなりのイメージが持てる。となると、それは自分たちがつくった計画だと思えると思うんですね。そこがやはりかなり大きく意識を変えていく出発点になるんじゃないかというふうに思います。
○山出参考人 先ほども申し上げたんですが、私は、景観というのは自然と歴史に深くかかわる、こう思います。自然は一つとして同じ土地柄はありませんし、歴史を同じくする土地柄は一つとしてありません。そういたしますと、景観行政の主体というのはあくまでも地域だ、とりわけ市町村だ、こういう思いがありまして、今度、景観行政団体の中に市町村というものの立場を強く打ち出してくださった、県と同じ扱いにしていただいた、この点を評価したい、私はこのように思っています。
 そして、景観協定という概念が出てまいりました。みんなで協定をするんだ。ここがまた大切なところであろうと思っていまして、住む人の意思が景観協定に反映するという点においてもよかった、私はこのように評価をいたします。
 ただ、先ほども申し上げたわけですが、例えば景観という概念は、多様なものを統一する概念というのは、恐らく景観というものの中に大切な要素として存在する、それを先ほどは整序の論理、私はこういうことを言わせていただいたわけであります。秩序と整うということでありまして、例えば高さなんかも、整っているというのが視覚に訴えて安らぐわけでありますし、美しいわけでありまして、整序の論理というのは極めて大事だというふうに思っておるんです。
 ところが、景観条例なるものは地区ごとに高さなんかを決めておるわけでありますが、今の扱いですと、高さについてはむしろ建築基準法とか都市計画法という方向に行くわけでございます。私が言いたいのは、景観条例で高さ制限というものをしていたら、即それを景観法が認めてほしい、景観法が条例に授権をしてほしい、そうしたら、自治体、市町村は大変やりいい、こういうことを言いたいわけでありまして、ここは、今すぐと言わなくても、これからの検討課題としてお願いしたい、こういうことなんであります。
○中林参考人 住民にとって使いやすい法律になることが重要だという御質問ですが、二、三の点だけ申し上げたいと思います。
 一つは、第十一条に「住民等による提案」というのがありますけれども、ここでは三分の二以上の土地所有者の同意を必要とするということになっております。景観の場合、景観区域、景観計画がこの場合どれだけの面積になるかわかりませんけれども、非常に大きい範囲に及ぶことがあって、そこで三分の二以上の同意で提案するのは非常に大変だろうなということを一つは思います。
 それから、景観についてはNPOなどの活躍する場も用意されているようなことがありますけれども、これもまさに西村先生なんかはよく御存じのように、海外の事例のように、景観とか文化財にかかわるようなNPOが非常に公的に高い地位にありますというか、国民、市民の信頼のもとにあるようなNPOが育ってまいりますと、そういうところにいろいろな判断をゆだねるとか、それは非常に有効な方法だと思いますけれども、まだそういうNPOが育っていないとか、そういうことがありますので、なかなか難しい面はあるかもしれません。
 そういう意味では、今回の法の中には幾つかの住民がかかわれる仕組みが画されているとは思うんですけれども、どこまでそれが運用で有効に働くかというところには多少危惧する面がないとは言えないということです。
○委員 
 市町村の差についてどうお考えになっていらっしゃるか。
○西村参考人 やる気がないところをどうするかという問題に関しては、やはり一番重要なのは、都道府県がどれくらいの主導的な役割を果たすかだと思うんですね。恐らくそういう地域に関しては都道府県が景観行政団体になると思うんです。そして、広域的な観点からいろいろな施策をしていくということになると思います。
 その意味で、どんなことが都道府県が市町村に対してやれるのか。それも、単に地区を指定するような平面的な計画だけでなくて、もう少しマンパワーを送り込んで動いていくとか、もしくは、先ほどからあるようなまちづくり的なノウハウやワークショップ的なノウハウを伝授していくとか、もう少しダイナミックな協力というのがあり得ると思うんですね。
 いずれにしても、問題は、今の法案のフレームですと、都道府県がいかにサポートできるかというところにかかっているのではないかというふうに思います。
○山出参考人 先生、教育だけでなしに、建物のありようとかそういうことについて褒美もやるようにと、仰せのとおりでございまして、私も、いい建物あるいはいい広告、こういうものについて表彰するというようなことをいたしております。
 先ほど、いいものを見せることが大事だということも申し上げましたけれども、いいものを見せることによって啓発されていきますので、このことを大事にしなきゃいけないというふうに思っています。そうすれば、広い意味で市町村ごとに格差ができるではないかという御指摘ですけれども、僕はやはり、良貨は悪貨を駆逐していくんではなかろうか、そんな思いを持つわけであります。
 規模の大きい施設、工作物等について時々物議を醸します、それから色彩についても物議を醸すことがありますけれども、私は、これは大いにやるべきである、議論をすべきだ。その中から啓発をされていきますので、行政はそれを面倒くさがるということをしちゃいかぬ、小さいことであってもよくよく聞いていく必要がある。
 私は、茶屋街が一つございますが、ガス灯にしました。そうしたら、前のコンクリート柱の方がよかったと。ガス灯にしたら、あの上にかけてある銅板がきらきらして光って困る、こういう意見を芸妓さんが私に言いました。私はそのときに、しかし、コンクリート柱の前は木柱だったろうね、木柱からコンクリート柱になってそしてガス灯になったんで、過程があるんだ、そのときそのとき議論しただろうね、こう言いました。そしてもう一つ、ガス灯の上の金ぴかの銅板は、そのうち緑青を吹いて落ちついてくるよ、こういうことを実は言ったことがあるんです。
 そういたしましたら、半年たちまして、芸妓さんは私に、市長さん、謝ります、こういうことをおっしゃって、別に謝る必要はないんですけれども、やはりいろいろな経験を積んでいかないといけないという思いであります。一つ一つ丁寧にやはり経験を繰り返していく、その中で意識が高まってくるんではなかろうかと思いまして、ある日突然に施策を講じてよくなるものではない、そう思います。
○中林参考人 市町村のやる気の差とか景観の質の差などについてどう考えるかという質問ですが、非常に難しい質問かとは思いますが、私は、日本のどこの地域に行っても、地域の景観について全く誇りを持たない住民がいるところはないというふうに思っております。
 どこの地域も、そこの風土に合った自然はありますし、それぞれ町をつくってきた歴史がありますから、誇るに足るものがある。しかし、現実に、景観をどうしようというようなことは考えないのではないかと思われるような状態のところというのもやはり存在するのは事実だと思います。しかし、基本的に景観というのは大切にするものだというところから出発するのが正しいのではないかというふうに思います
 今、金沢市長がおっしゃいましたように、物議を醸すことに恐れていてはいけないという発言は非常に的を射ていまして、やはりこういう問題というのは、議論をしていく、そういう中でわかってくるというのが非常に多い。私どもの美意識というのは、話をするということが重要な要因となって、ここが重要な場所だったんだ、景観だったんだということがわかってくるようなことがありますので、そういうことを重ねていくことによって、やる気がないとか、どうしたらいいかわからないようなところについての景観も充実していくというふうに一般的には考える、それが正しいのではないかと思います。
○委員 人間には、やはり整ったものがある一方で、わい雑な逃げ込むものがないと非常に生きていて苦しいんだというようなことを御指摘された心理学者も、深層心理の中であるんだというようなことを指摘されたわけでございます。町の中にもやはり、特にこれは文学的な表現をされる方は、必ず町にはわい雑なものがなければ魅力を失ってしまうんだ、人間に例えれば欠点があるからよさが出てくるんだという表現をされる方もあって、済みません、非常に禅問答的なお話になって申しわけないんですが、この景観をやっていく中で、その町の中のわい雑さというのはどうとらえるべきなのか。
○西村参考人 難しい質問ですけれども、私は、わい雑なものは恐らく計画してできるようなものじゃないと思うんですね。恐らくそれは自然発生的にできていくもので、人間の心理や生活様態がつくり上げていくものだと思うんです。
 今我々がここで議論しようとしている景観法は、恐らくはそこを対象として議論するわけではなくて、やはり、その対極にあるような、計画の中で、計画を通して実現することができる部分で何かできないかということが議論だと思うんですね。
 ですから、景観法ですべてのところをすべて計画できないのと同様に、やはり、わい雑なといいますか、そうではない部分というのはどうしても残っていくだろう。ですから、ここでやれる部分が地域全体をカバーしているのではないわけなので、ここで美しい都市を目指したからといって、そういうところが全部抜け落ちてしまって何か無味乾燥な、絵にかいた無菌の町ができるというふうにはならないんではないかと思っています。
○山出参考人 わい雑さというのは必要だと私も思います
 トタン屋根の飲み屋さんが並んでいて、コップ酒を飲む。人間臭い場でありまして、私はこれは必要だ。しかし、その場は汚くあっちゃいけない、衛生的でなきゃいけないというふうに思いますから、私は、わい雑という言葉と醜悪という言葉は一緒だろうかなと、ちょっと疑問に思います。醜悪というのは、視覚に訴えて、何とも言えない、見るのも嫌だというのが醜悪であって、わい雑さというのはそのことと一緒だろうか。景観に影響するのは醜悪という言葉であって、わい雑は人間臭さ、これはむしろあってしかるべきというふうに思います。
○中林参考人 これはもうお二方がおっしゃること、ごもっともだと思いますが、質問が非常に文学的、哲学的なので、それに答えさせていただきますけれども、やはり人間の美意識というのは、今おっしゃられたみたいにいろいろありまして、いろいろなものについて評価を加えることができるというのが人間だと思います。例えば廃墟とか荒城の月などというものもありますけれども、そういう、人が死んだり、うらぶれてしまったところにさえ美意識を感じるのが人間だということなので、それはそれで、また別の形での文化財になったりもするわけなんですが。
 ですから、もし景観のこういう法律ができて、非常につるっとした無味乾燥な景観をつくっていくというような発想をする方がいらっしゃったら、そうではないだろう。やはり人間がいろいろなものをつくり出していく自由度をより増す方向で景観の充実がなされる、こういう基本精神が重要だということは申し上げておきたいというふうに思います。
○委員  トータルのチェックについて今後どう考えていくべきか。もし千代田区で御経験されている例の中で、トータルなチェックも含めてそんなようなガイドラインができないものなのか、御意見を賜れれば。
○西村参考人 具体的な計画策定の中で、そしてまたそれぞれの設計者が計画を立てるときに、そこに何らかのガイドラインを示すわけなんですけれども、その示し方には幾通りか今までの景観条例の中でもスタイルがあると思うんです。
 一つは、割合、数値を明らかにしていくやり方。それからもう一つは、先ほどの金沢の例のように周辺との調和を大事にしてくださいということで、調和というのは審議会やその下の部会の中で形として決めていくやり方。それからもう一つは、千代田区ではそうやっているんですけれども、幾つかの基本的な考え方、例えば、非常に緑はつないでいきましょうですとか、余りスケールの違うものは並べないようにしましょうという、ある種の作法みたいなものですね。そうしたものを幾つか提起して、その中で地域の文脈に合った幾つかの作法を使ってくださいというような形で提示するガイドラインのあり方。
 それから、同じガイドラインでも幾つかあると思うんです。それぞれに一長一短あって、既にこうした景観条例に関した施策は十年以上の蓄積が各自治体でありますから、いろいろなところのよくいっているやり方、そして、どこかのまたよくいっているようなやり方が見えてきていますので、その意味では、こういう機会なので、きちんと全国のさまざまな知恵を寄せ集めて、ガイドラインの幾つかの類型化をやるというのは必要だと思うんです。その中で、恐らく、それぞれの設計者や事業者がやるときに、非常にうまい使い方のようなガイドラインは見えてくるんではないか。ただ、それは一つの答えには恐らくならないんだと思うんですね。地域によってかなり違いますし、コミュニティーのあり方も違うので、やはり幾つかの特色がある類型が出てきて、それをどこで自分たちのスタイルのものを使っていくかというような議論が次のステップで必要になってくるんじゃないかというふうに思います。
○委員 今回の法案の中で罰則規定というのはどの程度盛り込んでいくべきなのか。
○山出参考人 景観法では、罰則の伴う変更命令とか是正措置命令ができるようになりました。私は、これは確かに進歩だというふうに思っています。ただ、このことを私自身はもう少し広めてもいいんではなかろうかという思いがあります。罰則を自治法上認められるわけでありますので、そういうことができるということを景観法に景観条例への授権を書いてもらう、こういうこともあってしかるべきではなかろうか、こう思っています。
 景観の領域については、私は、規制緩和という概念は極めて限定的だ、そう思っていまして、規制緩和という概念は景観の領域ではないんではなかろうか、むしろ逆に強化すべきではなかろうか、こんな思いを持っておるわけであります。
○委員 やはり私のように外から出かけていった者にとっては、この景観はぜひ残してほしい、こうしてほしいといういろいろな勝手な思いを持つわけでございます。そういうことを実際に住民の方にぶつけてみますと、そうはいってもね、住んでいる人間からすれば、このことを守ることで非常に不自由になっているんだというようなことも間々お聞かせいただきます。
 京都の景観が、本当にそれが住民の方とマッチしていくのか。
○中林参考人 全般的な話をしているのでいろいろな話があるわけですけれども、一つは、最初に言われましたように、外から来る者と住んでいる者という話もございますが、例えば、非常に厳格な意匠上の規制を受けているような地域と、そうでもないけれども歴史的市街地と呼ばれる部分では違う面があるんじゃないか。非常に厳格な規制を加えているところでは、やはり住んでいる者にとってはというような声が出ないことはないと思いますけれども、しかし、おおむね、そういう歴史的な景観を守りながら住んでいることに誇りを持っている場合が多いわけです
 もう少し一般的に、京都の、行政区でいいますと上京区、中京区、下京区というような中心部の区です。ここでも人口は三十万人近くはあるわけなんですけれども、そういう一般的な市街地の人々が、個別の土地を持っていて、それに高い建物が建てられないとか建てられるとか、そういう問題はあるかもしれませんけれども、先ほど言いましたようなまちづくり憲章とか、地元でどういう高さの町がいいのかというときには、やはり三階建てとか四階建て、せいぜい五階建てぐらいまでの町にしたいということを望んでいますし、それから、大きなマンションが、そういう十メートルぐらいの高さの町の中に三十メートル、四十メートルというようなビルが建ってくると、全く町の論理が覆ってしまうわけです。そういう中では、やはりほとんどの方が、生活のためにもそれは困るというふうに考えているのではないかと思います。
 ですから、京都がどうなっていくかという質問ですけれども、まず、そういう面的な、特別に伝統的建造物群保存地区みたいなところだけじゃなくて、広い範囲で残っている都心居住地、これをやはり大切にしていくということが一つは重要かと思います。それから、言うまでもなく、周辺の山や川の状態を崩されないようにしていくというのが一つは重要じゃないかというふうに思います。
 いろいろな面がありますけれども、余り時間がありませんので、その程度にしておきます。

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景観法 理解のために(3)

2010-07-09 12:30:09 | 街づくり
参考人三人に対して、国会議員からの質疑応答です。


○委員 自治体において、固定資産税の軽減措置についてどういう考えを持って、今後どのように進めようという考えがあるのか。

○山出参考人 それではお答えをさせていただきます。
 苦労しながらやっています。楽ではありません。ただ、私は、区域を決めまして、そして、守りたいというところについては、建物の改造は、中は改造しても外側は守っていってほしい、こういうことを申し上げて、外側の修復等については補助金を出すということをいたしています。税金を出すわけですから、やはり公的な地域指定、文化財指定、そういう手続がまずは必要だ、その手続を踏まえました上で外観の維持保存には助成するということをやっています。
 住んでおる人にとりますと、格子戸よりもサッシの戸がいいということになります。そうしますと、サッシの戸の方が安くて格子戸は高いわけでありますので、価格差を市が助成するということをやっています。それから、その区域内の建物の固定資産税は非課税にしたり減免をしたり、こんな扱いをしています
 今先生、相続税のことでお触れでございますが、相続後に従前の建物あるいは景観が存続するということを前提にするならば、私も、相続税を減免しておあげする措置は大事なんではなかろうかな、こんなことを実は思っているわけであります。
 固定資産税、都市計画税は非課税あるいは減免にしておるわけでありますが、区域の外の建物というものもあるわけでございまして、区域の指定のあるなしにかかわらず、私はやはり住んでほしいわけであります。そこに住んでもらうときにはどうすればいいのかというのはやはり課題でございまして、この場合にも、固定資産税あるいは都市計画税の軽減というのは検討課題になるだろうというふうに思っています。そして、もしそういうことがなされるといたしますれば、その税収の減収補てんは交付税等でお願いをしたい、こう思っておる次第でございます。
 同時にもう一つ、指定した区域の中であろうと外であろうと、中の改造は生活様式に合わせてしていかなきゃなりません。どういう様式の変え方がいいのか、こういうことについて、実は十四年度に住宅局において研究をしてくださったわけでありまして、まだ突っ込み方が足りないのではなかろうかという思いがあります。そんなことも引き続いてお願いをしたい、こう思っている次第であります。
○委員 地区を限定するときに、やはり現在よりも地区の範囲を広げる必要性を感じるか。
○山出参考人 その必要性のあるところもあります。要請が出てくるところもあります。それはこたえたいというふうに思っていますが、指定をすることで資産価値が下がるとか、そういうこともございますので、やはり住んでいる人のコンセンサスを得ることに努力しなければなりません
○委員 実際住んでいる人は、余り景観の規制を強めてもらっては困る、こういう現地の住む人たちの意見というのはどの程度存在するのか。
○山出参考人 そういう意見はないわけではありません。しかし、これは地域の皆さんとの話し合いでございまして、やはり古いものを残していくというのは、国の財産であって、市の財産であって、単なる個人の財産ではないんだ、こういうことについてぜひ理解をしてほしい。私自身は、京都とか金沢という町は日本の国土の中で歴史に責任を持つべき町なんだよ、ぜひそのように協力してほしい、こういう言い方はしょっちゅうするわけでございますし、その過程では、またいろいろなことをしておあげしなければなりません。私の町は雪が降りますので融雪の装置をしておあげするとか、いろいろな地域とのきめの細かい仕事をして、そして残す方向に努力する、こういうことであります。
○委員  今後のまちづくりという観点から、看板の規制についてはどのような対策があるか。
○西村参考人 欧米は看板がなくてきれいな景観があるわけですけれども、それも最初からあったわけではなくて、やはり一九六〇年代ぐらいまでかなり看板があったわけです。それを、さまざまな規制を強化していく中で今のような景観を取り戻していったわけなので、何もアジアでそれができないということではなくて、いかにルールをつくっていくかだというふうに思います
 そのために、今の屋外広告物法を見ますと、幾つかやはり改善点があるんではないかと思います。それは提案されていることでもあるわけなんですけれども、一つは、今の屋外広告物法は、基本的に都道府県が、これには中核市や政令市も入りますけれども、条例をつくって規制するということになっていまして、基本的に規制の主体が都道府県なんですね。しかし、こういうものは、どう考えましても、きめ細かくそれぞれの基礎自治体がやっていかないと、なかなか違反看板を取り締まったりすることはできないわけでありますから、その意味で、こうした看板の規制の行政を基礎自治体がきちんとやれるようにするというのが非常に重要なことではないかと思います。
 それからもう一つは、やはり実際に規制をやるからには、違法な看板が放置されたのでは看板の機能をなしてしまいますので、何とかそれをちゃんと撤去しないと意味がないわけですけれども、なかなか今の違法看板が撤去できない仕組みになっているわけですね、財産権の問題がありまして。ですから、何らかの形で速やかに撤去して、違法な状況を改善する仕組みを広範につくっていかないといけないんではないか
 また、看板として、屋外広告物として取り締まれるものの表面積の規制が日本は非常に緩い、そしてまた、現在でも都道府県によってかなり状況が違っているわけなんです。ですから、これを地域の実態に合わせて強化していく必要があるだろう。そのためには、地域でどれぐらいの看板が出ていて、どれぐらい規制を強化するとどれくらいのものが違法になるのかということをきちんと調べないといけないわけでして、その意味でも、やはり基礎自治体できちんと責任を持って計画を立てて実施していくという仕組みを整えることが非常に重要じゃないかというふうに思っています。
○委員 看板の設置を余りやらなくなった場合、営業活動に対する効果というものに対する研究か何かなされているか。
○西村参考人 看板といっても幾つか種類があるわけです。一つは商品を宣伝している看板、それと、そこの仕事、業態を宣伝している看板、これは別の形態なわけですね。
 ですから、商品の看板はどこにあっても商品の看板ですけれども、自分の仕事を宣伝している看板は、やはり営業の権利がありますからそれは認めるということで、英語で言うとビルボードとサインと違うわけですけれども、商品の宣伝をしているビルボードと仕事の業態を宣伝しているサインというのを、ルールを変えて規制していくというような仕組みが必要だと思うんです。
 それからもう一つは、現場で、仕事をしているその場でサインを出すのはいいでしょうけれども、そこに行くまでのサインと現場でのサインとはやはり性格を異にして規制していくという考え方も一つはあるんじゃないかと思うんです。
 フランスの場合は誘導広告といいまして、エンシーネと言うんですけれども、その現場に行くまでに、この先に行くとこういうお店がありますという看板は、あるルールのもとで認められているんですけれども、それ以外は認められないということで、看板を幾つかルール化して、また分けて、そして、規制を強化する部分と営業活動の自由を認める部分とに分けていく必要があるんじゃないか、そういうふうに思います。
○委員 電柱の地中化は、どういうふうにやっていったら一番いいか。
○西村参考人 現在も無電柱化はそれなりに予算をつけて、そして予算も年度ごとにふえてきているという事実はあると思うんですね。ただ、現実的に見てなかなか実感が少ない。
 一つには、やはり今の無電柱化は、電力需要が大きくて、かつ安定していて、歩道がちゃんとあって、配電盤が置けるという、ある幾つかの条件を満たしているところから優先的にやられておりますから、どちらかというと大都市の幹線道路が中心になるわけですね。
 ところが、景観的に非常に重要なところは必ずしもそういうところだけではなくて、やはり観光地ですとか金沢の歴史的な市街地ですとか、歴史的な町並みが残っているようなところというのは非常に重要だと思うんですけれども、必ずしもそういうところでの無電柱化というのは優先順位はそう高くなかったと思うんですね。ですから、優先順位のつけ方をもう少し考える必要があるんじゃないか
 また、それはある意味で、今度の景観法に規定されている景観計画の中で無電柱化をどういうふうに進めていくのかというのをちゃんと市民も交えて議論して、そして優先順位がみんながわかる形で明らかになるとなれば、市民も、今のところ電柱はあるけれども、数年後にはこういう順番でなくなっていくんだということがイメージできれば、また世論も変わってくると思うんですね。今のところ、そういう情報というのは市民にほとんど知らされておりませんので、なかなか理解が進まない
 ですから、そういう意味では、計画を立てて、そして、大きな幹線道路だけではなくて、戦略的に非常に重要な風景のところの無電柱化を進めていく、つくるということが必要になってくるんじゃないかと思います。
○委員 住宅の景観。日本では一軒一軒は非常にすばらしい家だが、なかなか、地域の町並みということになると、欧米、ヨーロッパから比べるとやはり落ちるのではないだろうか。それも、屋根の色の問題とか建物の雰囲気ですとか高さの制限とか個人の財産に及ぶものについて。
○西村参考人 やはり次第に、ルールを決めて、いい景色をつくっていくことが地域の評価の高まりにつながるんだという世論も、少しずつではあるけれども醸成されてきているんじゃないかと思うんですね。
 今までは、個々の建物がそれぞれ他人と違うものをつくって自分の独自性を見せようとしていったわけですけれども、それをやるよりも、地域としての独自性を地域間で競争していく。そのためには、一つの地域として特色のある風景をつくっていく方がいいのではないかということは次第に広まりつつあるんじゃないか
 また、先ほど景観教育という問題がありましたけれども、世論としても高く盛り上げていくような仕組みをつくっていく。それがまた資産価値にもつながっていくような教育もしていく必要があるんじゃないかというふうに思います。

*****
○委員 住民参加を通して具体的な合意形成をするシステムに関してどういったイメージをお持ちなのか。
○西村参考人 都市計画では都市計画マスタープランというのがつくられているわけですけれども、その中で同じような実験がさまざまな都市でやられてきていると思うんです。
 一つは、自分たちの町が、どんな特色があって、何が誇れるのかというのを見つけていくというようなワークショップですとか町歩きですとか、いろいろな形での見学会をやるというようなことを各地でやられてきていて、ふだんは当たり前と思っているようなことでも、例えば地形的な特色ですとか眺望、日本の場合は関東平野を除けばどこからも山が見えるわけなので、特徴があるような山の眺望ですとか、非常に重要なお寺や神社の緑ですとか、鎮守の森ですとか、非常に特色のある街路とか、古い建物が何軒か残っているとか、何か自分たちの町にある非常におもしろいものを見つけていこう、そういうことの中で自分たちの町に対する愛着が深まっていく。それは単に非常に立派なものだけではなくて、自分たちが子供のころ遊んだような小さな、思い出のあるようなちょっとした広場が残っているとかいうようなこともあるわけですね。
 ですから、いずれにしても、自分たちの町をもう一回きちんと見直していって、よさを再発見していって、そこから何を自分たちの町は誇っていくのかということを見つけていくという作業が必要なんだと思うんです。今までの都市計画は、ないものを、これも欲しい、あれも欲しいというふうに行政にねだることが多かったわけですけれども、そうではなくて、今あるものの中で何が生かせるのか、町自慢は何なのかというのを考えていく。
 発想の転換で、そういう作業が、例えば景観計画というのを立てることが前提になっているわけですけれども、その景観計画を立てる中で全国でこういう活動が行われていくと、随分意識が変わってくるんじゃないかと思うんですね。
 そういうことが非常に重要で、だとすると、こういうことはどんな小さな町でも、特色がないと思われているところでも、子供のころの思い出はあるわけですし、子供の遊びはあるわけですから、何か出てくるんじゃないか。私自身も各地でやってみて、どんなに歴史の浅い、北海道の本当に真っすぐな道しかないようなところでも、発見するものはたくさんあるんですね。ですから、そういうことが非常に重要じゃないかと思います。
○山出参考人 金沢で市長として大変いつも苦しむのは、静ひつを旨とする住宅地に、ある日突如として高級マンションの計画が出てくる。開発業者は建てさせてくれと言いますし、住む人は高い建物を認めるな、こういうことを言いまして、そのはざまに立って苦しむというのが日常であります
 私は、その際に地域の皆さんに申し上げることは、マンション計画が出てきてから皆さん方が僕を責めてくれるのは困るので、もっとその前から、自分たちの住む区域はこういうまちづくりをしようよと約束事を交わしてくださらぬですか、こういう投げ方をいたすわけであります。
 自分たちの住んでおるところの建物の高さはこうしようよ、自販機は置かないことにしようよ、生け垣をしようよ、こういう約束事を早くから交わしたらどうか、こういうことを呼びかけまして、これを私どもは、条例によるまちづくり協定というわけであります。市民参画によるまちづくり条例という条例を既につくりまして、その条例に基づいて自分たちの地域の計画をつくりなさい、その計画をつくって、みんなで約束事を交わしなさい、判こを押し合うわけであります。そして、その判こを私のところへ持ってきて、市役所とまた判こを押しましょう、こういうことを言いまして、この地区協約を結んだのは十二地区あります。そのほかに、都市計画法の裏づけのある地区指定、地区契約というのは三十四ございます
 私は、これが本当は都市計画の原点ではなかろうかなという思いがあります。国や県や市の役人が地図を開いて、そして一方的に線を引いて、これが都市計画街路だというのが都市計画ではなくして、住む人がみずから自分の町のありようを考える、それが都市計画の原点ではなかろうか、こんなふうに思っていまして、そういうことを今働きかけておるわけであります
 例えば沿道景観をどうするかということにつきましても、土地の所有主でありますとか、そうした利害関係人がみんなで、ここの道の区間は看板のあり方をこうしようというふうに約束を交わしてもらう、そういう扱いをまずしてもらうということからスタートさせたい、こんなふうに思っておるわけであります。現にそういう取り組みを苦しみながら始めている、こう申し上げておきます。
○中林参考人 今二人のおっしゃったことは非常にもっともなことだと思います。同じことを考えておりますが、まず、最初に西村先生がおっしゃったような、地域のまちづくりにかかわってワークショップをするとかウオッチングをするとか、こういう試みというのは、私も何度かそういうものに参加して思いますことは、やはり、住民が地域のことを考えるというようなことについては、なれていない方もいらっしゃいますし、それから、問題が起こったようなときは、先ほどのごみステーションの問題もありますように、非常に意見がまとまらないんじゃないかというような状況も生まれたりもします。しかし、集団の中に議論を重ねて、そして、前もってだれかが結論を用意しているというようなことがなければ、地域の人というのは、ある種の知恵を見出すものだというふうに考えております
 その際に重要なのは、やはり情報がオープンにされていることと、分け隔てなくいろいろな考えを持った住民が集められて、フランクな議論ができる場をどう設定するかということだと思います
 それから、具体的には地域の住民がどのようなことをまちづくり、景観に対してしているかという点では、金沢の例もありましたけれども、京都でも、まちづくり憲章と呼ばれるようなものが町内あるいは町内を幾つか束ねたぐらいの広さの中でできて、都市計画法上の地区計画などを定めたりする例もあります。そうしたときには、やはり、その地域に即したいろいろな形態の基準などもそこで出てくるというようなことがあります。
 そのくらいにしておきます。
○委員 デザインや色彩等に関する規制、また、景観に関する全体規制を条例の中にどういったような表現のスタイルで落とし込んでいくのか。
○西村参考人 一つは、おっしゃいましたように、具体的な数値を挙げるということも可能ではないかと思うんです。そういうことをやっているところもあると思うんですね。もう一つは、具体的に目安としたものを挙げて、それ以外に、やはり、周辺とどういうふうに調和するか、調和するようなものというふうに書き込んで、そして、それは実際に調和しているかどうかというのを個別で議論していくというのが一般的な今の条例のスタイルじゃないかと思うんです。
 ですから、そこに若干の裁量の幅がある。その裁量をどうするかというところは非常に重要なんですけれども、一つ考えないといけないのは、出てきた開発案件を地域の関係者がちゃんと見て、これはいいじゃないかとか、やはりこれは調和しているとは思えないというのを、例えばそれぞれの団体、地域のいろいろな団体などが意見が言えるような仕組みが必要なんじゃないか。そうしないと、そこのところを判断するのが行政の一担当者で、それも個別の情報ですから、これは個人情報なので外に出さないということになると、全くのブラックボックスで議論しなくてはいけなくなるわけですね。そうすると、窓口の担当者に非常な圧力がかかるし、その窓口の担当者は必ずしも専門家でないわけですね
 ですから、その意味では、さまざまな意見が言える場ができて、透明な仕組みができて、そうすると、非常にセンシティブなところではたくさんの意見が出るでしょうし、そうでもないところはそう意見も出ないと思うんですね。そうすると、やはり市民の意識、そして意見の多さ、重さが、ある種、裁量をあるバランスで決めていくことにつながっていくんじゃないかと思うんです。ですから、その透明な意思決定の仕組みがどういうふうにできるかというところが非常に重要なかぎを握っているんじゃないかというふうに私は思います。
○山出参考人 私の方は、きょうまで景観条例をつくりまして、条例に基づきまして基本計画をつくって、その基本計画では区域指定をいたしまして、そして、区域ごとの景観形成のための誘導基準というものを設定しておるわけです。景観形成基準と申し上げたいと思いますが、後ほど先生にお上げしますが、かなり精緻なものにしてあります。
 この基準は公開をされていますし、建築士さんもみんな御存じであります。ですから、具体の建物等をつくります場合に、意匠とか色彩等については、建築士さんがこの基準をみんな見て、そしていろいろ判断をするわけであります。建築士さんが、基準によらない、少し意見が違うというようなときには、実は景観審議会というのがございまして、審議会の中にまた専門部会があって、そこで議論をしていただくということであります。意匠等については色見本を出してもらうというようなこともいたしたりしまして、そして議論を落ちつかせていくということをしておるわけであります。
 確かに難しい点はあるわけですが、例えて言いますと、金沢城址とか兼六園の近くでは、高さは決めます。そして色彩は、「周辺の自然に融和する色彩とする。」こういう表現です。それから広告物については、「周辺の街並みとの調和を図る。」こういう抽象的な表現ではあるわけですが、色見本を出してもらうとかというようなことをして、そして具体的にケースに応じて議論する、こういうことをいたしております。
 金沢という町は斜面の多い町でありまして、台地が三つあるものですから、その斜面の区域内で建物の色なんかの議論が出ますと、マンセル値という色彩の尺度があるそうであります、このマンセル値を使って議論するというようなこともありまして、精緻な議論もいたすわけであります。
 私は、景観というのは、いいものを見せる、そしていろいろな体験を積み重ねていく、その中から意識というものが高まっていくんだろうというふうに思っていまして、何よりも経験を積むこと、そして人々にいい事例を見せること、こう思っています。
○中林参考人 私も、そういう景観の規定について、いろいろ既に景観条例などでされていますように、今の色彩の彩度、鮮やかさを、黄色であればこれだけの範囲にするとか、だいだいであればこれだけの範囲にするとか、そういうことはあり得ることだというふうに思います。明らかに彩度が極端に高い建物がひどいというのはほとんどの方が合意できるようなことがありますので、数的に表現したりするということはあり得ることですし、そのことが議論の中で定まっていくのは好ましいことだと思います。
 その中でも、先ほど言いましたように、建物の高さというような基準についてはこれは特別に重要だというのは、やはり周りの建物や遠くからの景観に影響を与えます。ですから、こういうことについてはやはり数的な基準というのは決めていく必要があるだろうと思います。
 それから、地域によっていろいろあるわけですけれども、その町のあり方については、やはり定性的な、質を表現したような基準を設けて、これがどういうものなのかというのを住民の間で合意を得ていくというようなことも要ると思います。先ほど出ましたような下町再発見なんということが起こってきましたら、下町景観というのはどういう言葉で表現して、私たちがいいものとして残していけるのかというようなことを議論することも重要だと思います。
 それから、これは市長も言われましたように、それを審議会というような場で専門家なり代表的な意見の人で議論をするということも有効ではありますが、これがやはりオープンな形で、みんなの中にこの議論が伝わるような形で行われるというのが景観の場合には非常に重要なことではないかというふうに思います。

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景観法 理解のために (1)

2010-07-09 11:00:44 | 街づくり

 景観法理解のために、国会審議を抜粋します。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm


第159回国土交通委員会 第19号
平成16年5月11日(火曜日)

 内閣提出、景観法案、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案の各案。
 参考人として、東京大学大学院工学系研究科教授西村幸夫君、金沢市長山出保君及び平安女学院大学生活環境学部生活環境学科教授中林浩君、以上三名。

○西村参考人 西村でございます。
 まず、基本的な考え方としまして、大きな地域整備の流れというのが量の充足から質の向上へと非常に大きく変わってきていて、この景観法案はそれの非常に大きなメルクマールになるのではないかと思います。
 また、それは一方、平等しかし画一的な整備のあり方から、地域ごとの多様性や個性を尊重し重視するという整備のあり方へと変わっているということも一つの基本的な考え方としてあると思います。そのことは、地方分権の中で、国による規制から、地方の主体性を尊重していくような制度のあり方が求められているということになると思います。
 そしてまた、今回の景観法案では、景観重要建造物に指定されたものに関して相続税の適正評価などが検討されておられるわけなんですけれども、こういうことは、今までの、ストックの保持がなかなかそれに見合うインセンティブを持ち得なかった、結果的に貧しい景観をつくり出してしまったということに対して新たなインセンティブを与える方向として非常に重要ではないかと思います。
 また、最近、さまざまなところで景観裁判が行われているわけですけれども、その判例がいろいろ分かれているわけですね。その分かれている一つは、やはり景観に対して基本法制がないということはそれだけ世論が熟していないのではないかというふうに考える裁判官の方もいらっしゃいまして、非常に大きく裁判の結果が分かれている現実があると思います。これはどちら側にとっても不幸なことでありますから、一つ大きな流れをつくっていただいて、全体としてこうした景観裁判がもう少し集結するような方向を目指すということは非常に重要なことではないかというふうに思います。
 今回の景観法案に関する特色を私なりにまとめますと、非常に大きいのは、地方公共団体の景観条例、これはもう五百を超えていると思うんですけれども、これに法的根拠を与えるという意味で、地方分権を後押しする形の法律になっているということだと思います。
 また、景観計画がすべての基本になっておりますので、ある意味、非常にしっかりとした景観計画を立てないといけないということが地方に求められるわけで、これは非常に大きな、計画立案能力や、そのための人的資源をふやしていくというようなことにつながっていくのではないかと思います。
 また、景観地区という地区制度が提案されておりまして、ここで形態意匠の規制というのが初めて導入されることになるわけですけれども、新しく、先ほど申し上げましたように、量の充足や画一的な規制ではなくて、質を高める、建物の形や色までコントロールしようというわけですから、そういうことができるようになるということは、非常に一歩進んだ方向だというふうに思います。
 また、それに伴って、こうした質的なものをチェックするためには、数値基準があって、それを満たせばいいということになかなかならないものですから、その判定の仕方が難しいわけです。それに対処するために今回は認定制度という制度が提案されておりまして、これは、今までの、とかく建築の確認制度にすべてを連動させなければすべてのコントロールがきかなかった開発許可のシステムに、新しい、質の評価を与えるようなシステムを導入することになるという意味では非常に重要な一歩だというふうに思います。
 また、景観重要建造物の指定制度が盛り込まれているわけですけれども、今までこうした景観に重要な、もしくは文化財となる建物は、文化行政といいますか文化財行政の中で取り組まれてきていたわけですけれども、これを建設行政、都市計画行政の中で位置づけるということはなかなか国法レベルではなかったですね。ですから、その意味でも非常に重要な一歩ではないかというふうに思います。
 また、既成市街地だけではなくて、景観農振のように農地まで対象になるということで、広く農地や山のフリンジの部分まで土地利用のコントロールができるということは、今まで、都市計画区域の中と外でさまざま所轄官庁が違うというようなこともあって、なかなかうまい全体的な景観や環境のコントロールができなかったものを一歩前進させる仕組みというふうに評価できるんじゃないかと思います。
 ただ、景観法だけで、もしくはその関連法だけですべての景観が今一挙によくなるわけではなくて、やはりこれはさまざまな一連の施策の中の一つとして考えられる必要があるのではないか。その意味でいうとやはり課題というものは残されておりまして、それもさまざまな形で今後議論される必要があるのではないかと思います。
 それは一つには、まず、認定制度と関連するわけですけれども、実際に裁量の幅のある質のコントロールというのを現在の行政の仕組みの中でうまくできるだろうか、それだけの判断ができるマンパワーや情報開示の仕組みがあるだろうか。そういうことと一緒に考えないと、なかなか質のコントロールというのはうまくいかないのではないかという問題があると思います。
 それからもう一つは、そこに恐らくは、行政担当者だけではなくて、市民やNPO団体などのさまざまな方が意思決定に参加したり、もしくは公開された情報を利用する、そういう仕組みが必要になってくると思うんですね。ですから、その仕組みをどういう形でうまくつくっていくか。これは各景観行政団体に課せられた課題だと思いますけれども、その展望がないとなかなかうまく機能しないのかもしれない。ですから、その意味では、こうした展望が必要になってくるのではないかと思います。
 また、市民やNPO団体がここで何らかの判断を下そうとすると、ある開発行為が起きたときに、一体、景観がどういうふうに変わるのかということに関して、アセスメントのようなものがないと判断ができないわけですね。その意味では、さまざまな場合によって一体どうなるのかという議論ができる判断の材料を示すように、アセスメントが何らかの形で必要になってくるのではないか。それをどういう形で入れていくかということが課題としてあるのではないかと思います。
 また、今回の法案は、先ほども申し上げましたように、地方自治体に法的根拠を与えるという後押しするような法案だということですから、逆に言うと、熱心な自治体は大変頑張られるかもしれないけれども、熱心じゃないところは何もしないでも済むかもしれない。そうすると、自治体間の差がつきかねないということがあるわけです。その問題をどうするか。その問題は、恐らく、法律だけではなくて、さまざまな事業制度も一緒に考えていかないといけないと思うんですけれども、そういう議論が同時に必要になってくるのではないかと思います。
 また、この法案は建設行為が行われたときに発動されるわけですから、何も事が起こらないとなかなか物が動かないわけですね。一部、農地の改善に関しては景観農振の中でもう少し能動的なコントロールが可能ですけれども、大半の場合はそうではない。都市計画のコントロールはすべてそういう形になっているわけですけれども、しかし、それですと、今ある望ましくない景観をどうやって変えていくかということに関して、どこまでいけるかというなかなか難しい問題を抱えていると思うんですね
 その意味では、これは法案だけではないのかもしれませんが、さまざまな事業制度と並行して、そうした今の当たり前な風景、とりたてて非常にいいというものじゃないところをよくしていくための工夫というのも同時に必要になってくるんではないかというふうに思います。ですから、それは恐らくは、景観計画という、ここで掲げられている計画をどうつくっていくかということにかかわってくるわけでありまして、そのことが非常に重要な問題になってくるんじゃないかというふうに思います。
 一番最後に、都市計画の制度の中には、規制を緩和していくような仕組みの制度も並行してあるわけなんですけれども、こうした制度の場合は、そうした制度が使われる段階でかなりの部分の建物のボリュームやスカイラインが決まってしまうので、後で景観上いろいろ議論が出てきても、もう既に都市計画の決定をした段階で大半のものは決まってしまっているという問題があるわけです。
 ですから、その意味でいうと、現行の都市計画の制度とこの景観の仕組みとをどういうふうに整合させるかということをきちんと議論しておかないと、景観地区だけはうまくいくけれども、そうじゃないところは別の事業制度で、別の仕組みで別の容積の建物ができてしまって、後から景観で議論しようとしても、そもそも容積が認められているものを削ることができないというような問題が起きてくるんではないかと思うんですね。
 その意味でいうと、全体的な都市計画の仕組みとどういうふうに絡めるのかという議論が必要でしょうし、ここだけではなくて、大きく都市計画の仕組みを、今後、景観の観点からどういうふうに変えていくかという議論を並行して進めないと、なかなか、全市域また全都市の整備、景観上の改善というふうにいくには、少し、あと一歩議論が必要かなという気がしております。
 以上です。(拍手)

○山出参考人 金沢市長でございます。
 金沢市では、昭和四十三年以来、いろいろな条例をつくりまして、苦労しながら景観行政を進めさせていただきました。
 このたび、国におきまして景観法が制定されることになりました。景観行政の推進の上で心強いと思っています。私権を制限することができる公共の福祉にかかわるものとして景観を位置づけたわけでありまして、ここに景観法の意義があるというふうに思っています。
 特に、金沢市の条例に基づく制度なるものは、強制力のない届け出そして勧告を主とした制度でございますが、景観法では、罰則の伴う変更命令とかあるいは是正措置命令が可能になってございまして、景観行政を推進する上で大きな力になるものと評価したいと思っています。
 そこで、景観行政の主体でございますが、良好な景観は地域の自然と歴史にかかわるものでございまして、地域の自然と歴史は一つとして同じものはございません。したがって、景観施策の主体は、地域、とりわけ市町村であるべきだということが私のかねてからの主張でございました。法案では、景観行政団体といたしまして都道府県と市町村を同列に扱っていることを私は評価したい、このように思っています。
 そこで、歴史的な町並み保全と建築基準法との関係でございますが、歴史的町並みの保全は大変難しい課題でございます。近年、防火性能の各種検証実験等によりまして歴史的町並み保全の条件は少しずつ整いつつございますが、町家の二階部分が道路斜線にかかるなど、建てかえて町並みを永続させるためには、依然として厳しい規定がございます。
 今回の建築基準法の改正では、景観地区におきまして、交通上、安全上、防火上、衛生上支障がないと特定行政庁が認めましたときには斜線制限は適用されないということになってございますが、その判断基準として「敷地内に有効な空地が確保されていること」、こういう文言が法案に含まれております。
 景観地区のような厳しい規制をかけるところは、地区の範囲を絞り込まざるを得ません。町家が連檐した歴史的町並みの区域で有効な空地が確保されているというのは、現実にはあり得ない厳しい条件でございます。空地の確保を絶対条件にいたしますと、この規定が適用できる地区は極めて限定されるというふうに考えております。
 法案の成立後に政令あるいは運用指針が作成されることと思いますが、地域、特に市町村の自主性が最大限に尊重される、柔軟な運用が可能となるような政令、運用指針にしていただけるように要望しておきたいと思います。
 次に、景観政策と景観法の今後のあり方についてでございますが、いい町並み景観の保全、形成のためには、建物単体の規制を個別に行うのではなくて、景観が持つ調和と統一を全体として保つ整序の論理による必要があるというふうに思います。
 この法案では、都市計画法の地域地区として景観地区を位置づけて、各種の制限を都市計画として定めることにしてございますが、景観の統一的な整序の論理をこのような体系で十分に生かせるのだろうか、今後の運用を注視したいし、本来の姿としては、景観法の中に景観の統一的な整序の論理とそれを担保する手段を書き込んで、一貫した法律とすべきではなかろうか、このように思っております。
 特に、景観基準の重要な要素の一つでございます高さの制限についてでございますが、これにつきましては、景観法とは別の都市計画法や建築基準法など他の法律にゆだねておりまして、非常にわかりにくい規制形態をとっておるというふうに思っております。
 各自治体が国に先駆けて制定してまいりました景観条例に基づく景観行政を後押しするために、色彩とか意匠とか高さ等の規制を各自治体の条例にゆだねる景観条例への授権規定、これを景観法に設けるということ、このこととともに、地方自治法十四条三項の範囲内で罰則を設けることによりまして、地域の実情に応じたまちづくりを実効性あるものにすることができるように検討をいただきたい、このように考えています。
 あわせまして、建築基準法第六条の建築確認の対象となります建築確認関係規定の中に、景観法及びこれによる条例も読み込めるように法改正を求めまして、景観条例の実効性を担保していきたい。
 ともあれ、以上のような法体系によりまして、地方の条例による自主的な取り組みとのつなぎがより直接的になるのではないかと思っております。今後の課題として提起しておきたいと思います。
 次に、屋外広告物の規制でございますが、多年にわたって景観行政を行ってまいります中で、いろいろな難しさがあることもわかってまいりました。
 例えば屋外広告物についてでございますが、まず、営業活動との兼ね合いがあります。景観について理解を示してくれる企業もございますが、全国展開している大手企業は、概して、町の特性に対する理解が低うございます。企業の社会的責任として、景観に対する配慮を求めたいと思います。
 一方、屋外広告業の企業にはアウトサイダー的な企業もございまして、行政の指導を聞いてもらえない状況もございます。今回の屋外広告物法の改正で屋外広告業に登録制が導入されるということで、屋外広告物規制の実効性が高まるというふうに期待はいたしております。
 また、色彩は個人の価値判断に係るものでございます。本市では景観審議会を設置して審議してもらっておるわけでありますが、それだけで十分とは思っておりませんイルミネーションなど夜間景観の問題、沿道の看板整序の問題もございますし、国が、指針を示したりモデル事例の検討をするなど、景観行政を先導する取り組みをお願いしたい、このように思います。
 そして、景観教育の重要性について申し上げます。
 よい景観の保全、形成は個人の価値判断に係るものでございまして、究極的には、市民や企業の美意識、景観意識を高めることでしか、よりいい景観を創造することはできません。そんな意味で景観教育は重要でございまして、景観読本の一冊もつくるべきではなかろうか、このように思っています。国の啓発活動にも期待したいわけであります。
 最後に、法案への評価と国の役割への期待を申し上げます。
 国が、景観という国民の重要な財産の保全と形成に一歩を踏み出したことに敬意を表しますとともに、景観法案について強く支持したいと思います。今後、さらにこの景観法の仕組みが強化されることを期待しています。
 法案成立後には、地方、特に市町村のこれまでの取り組みが最大限尊重される運用がなされるように政令や運用指針が作成されることを強く要望しておきたいと思います。
 一方、国におかれましては、景観法をつくって、市町村に任せて終わりということでは美しい国土はできません。景観の重要性に対する国民の理解を得るために、不断に景観意識を高める啓発活動を行ってほしいし、市町村の先進的取り組みに対しまして、景観シミュレーションの技術提供等、技術的、財政的支援をよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。(拍手)

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景観法 理解のために(2)

2010-07-09 10:59:57 | 街づくり

○中林参考人 中林でございます。
 私は、景観という問題は非常に多岐にわたる問題を抱えているので、いろいろ申し上げることもあるかと思いますけれども、現在、景観の荒廃ということが問題になっているときに、やはり、高層建築の林立という問題と自動車交通の蔓延、こういうものが、今まででき上がってきた景観の中に入り込んできた、このことが非常に大きな景観の混乱をもたらしたんだということを最初に申し上げておきたいというふうに思います。そしてまた、このことは、建築の規制や自動車の規制を怠ってきた国土計画とか都市計画の責任も大きいというふうに存じます。
 このたび出されました美しい国づくり政策大綱、これの景観に対する認識というのは非常に高邁なもので、それに基づきまして今回の景観法というものが成立しようとしていることは非常に歓迎すべきことで、以下、五点について指摘をしておきたいというふうに思います。
 法案に対しては賛成でございますので、主に運用にかかわることになるかとは思いますが、まず一点目は、非常に大きな話でございますけれども、今まで人々が親しんできた景観というのが一挙に変わったり、それから、生まれてきてずっと見てきた景観というのが一挙に変わってしまう、こういうことは非常に不幸なことであり、社会的にも損失だというふうに思います。また、これは人権にかかわる問題でもあると思います。
 ですから、私は、すぐれた景観を享受する権利、景観権というものが必要だと思いますけれども、一挙にこれができないことも事実でありまして、こういう景観権というものが確立していく第一歩となる立法であることを期待したいというふうに思います。
 それから、昨今の景観をめぐる問題で非常に特徴的なのは、ひところは、景観をとるのか経済をとるのかというような問題の立てられ方もしましたけれども、現在では、景観を守らなければ経済も守れない、地域社会も守れない、そういう議論が随分起こってきて、この立法の中にあります目的や基本理念でもこうした思想があるというふうに考えております。
 第二点目は、私が景観法というものを考えるときに、住民が景観を守ろうといろいろな運動、まちづくり運動をしているわけですけれども、その中で直面している問題に、景観の評価というのは個々人によって違うので、あなた方の反対するのはおかしいというような議論とか、あるいは、建築基準法や都市計画法を守っているのでこれはとめることはできないんだ、こういう議論が随分あって、どう見ても景観破壊だと思われるようなことがなかなかストップできなかった、こういうようなことがあると思います。これをどう助けていくのかということが立法の基本にあるべきだというふうに思いますし、運用もそういうされ方が重要なのではないかと思います。
 そして、具体的な内容にかかわって、第三点ですが、既に非常に重要だとされているような景観が、随分、この間侵害されてきました。例を挙げていますように、説明している時間はございませんが、京都の中心部の非常に高密な市街地の中に高層マンションが林立している問題、それから、世界遺産の一つにされている銀閣寺のバッファーゾーンに宅地開発がされたり、あるいは、同じ世界遺産の一つであります平等院鳳凰堂の背景に高層マンションが頭を出していたり、こうした問題があります。最近では、非常に落ちついたニュータウンであります洛西ニュータウンというのがございますが、そこでのマンション問題があります。係争中でありますが、ここの不服申請に対する建築審査会は、棄却はしましたが、事業者の社会的責任を問うというような付言もつけ加えております。それから、大阪の箕面の滝というのがありますけれども、ここの表側の山すそに六十メートルのマンションが今建って、係争中であります。これも箕面市の条例で、駆け込みで建設を始めましたので、できた段階で既存不適格ということになりますけれども、そうした問題もあります。
 ですから、非常に重要だと思われる景観が非常に侵害されているわけで、これは恐らく法が制定後には景観地区となるわけですけれども、そういうところが、より充実した計画のもとに回復されることを望みます。
 それから、西村先生もおっしゃいましたけれども、第四点目として、私は、この間重要な議論として、普通の景観、非常に落ちついた日常的な景観をどう守れるか。文化財的価値があるというふうにはされませんけれども、そういう景観をどう守っていくかということがこの景観法でどう運用されていくのかということに大変関心を持っております。政策大綱の中でも、「鎮守の森のように、その地域に住む人ならだれもが守りたいと思う景観もあり、このような地域景観への配慮も欠かせない」というふうに書いてありますことがどう実現されていくのかということがあります
 そしてまた、普通の景観は当然のことながら、既に非常に荒れてしまった景観というものもあるわけです。日本の景観の代表として、ロードサイドショップの建ち並ぶような郊外の幹線道路の写真が掲げられたりもしておりますけれども、こうした景観をどのように修復していくのか。今回の景観法ではこういうところはどういうことになるのかということが非常に心配されるところであります。
 そして第五点目ですけれども、景観に対する合意について、どういう景観がいいのかというのは、確かにその場その場では個々人の評価は違うものがあると思います。しかし、私たち人間は、いろいろ話し合いをしたり合意形成の試みをする中で、ある種の景観に対する合意というのを生み出していく、そういうことを信じております。そうした中で住民の潜在的にも持っている美意識が醸成され、ある種の基準というのをもたらすものだと考えますが、そのためには、こういう景観に対する基準というものが住民参加で行われることが非常に重要であります。したがって、景観計画の策定の手続など、できる限り住民参加が貫かれるように望みたいというふうに思います。
 都市計画における都市計画マスタープラン、これも各市町村が定めるものですけれども、市町村によっては非常に小まめに住民の意見を問うところもあれば、非常に粗っぽくやっているところもあるわけです。こういうところで丁寧に住民の意見を聞くことによって、非常に重要なものであります景観についての計画というのを充実していくことができるのではないかというふうに思います。
 私は、今回提案されている法律というのは非常に画期的なものだと考えております。しかしながら、例えば政策大綱のねらいからすれば、それが覆う地域とか内容においては、ある程度限定的なものになるなということは否めないというふうに思っております。
 もちろん、景観法だけが景観をつくるものではありません。ほかの政策も重要なのでありますけれども、そうした点で、景観行政団体となる市町村並びに都道府県、これが、そのほかの、公共交通の充実とか地場の商工業、観光の振興など、こうした非常に体系的な、殊さら景観については、ほかのものを含めた体系的な目標像を掲げて積極的にこの法を運用されるということを期待したいと思います。
 議員の皆様におかれましても、そうした重要な景観に対する立法でございますので、十分御審議いただきますように期待しまして、私の意見を終わらせていただきたいと思います。(拍手)
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いよいよ、明日・あさって、西仲商店街 恒例、草市

2010-07-09 09:30:42 | NPO・地域力
 この行事が来ると、夏を感じます。

 7/10.7/11 月島西仲通り商店街恒例の草市。

 商店街の仲間たちと楽しく子ども向け企画に勤しみたいと思っています。

 考えた末の企画は、ヨーヨー釣りと型抜き。
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明石小学校 取り壊しの入札

2010-07-09 01:18:10 | 教育

 明石小学校の取り壊しの入札が行われ、業者が決定した模様です。

 区は、原型を残して再生を行うリノベーションの検討は、一切行わなかったのだろうか。
 残念で仕方がありません。

 不思議なのは、改築といった場合、取り壊しと新築の両者を含めた概念であるにもかかわらず、別々に業者選定がなされ、同一業者が行うのではないという点。

 これでは、残すべき構造物があったとしても、取り壊し業者と新築業者の連携が取れないのではないだろうか。

***中央区ホームページより*****
 
入札日:平成22年6月24日 件名:明石小学校校舎等撤去工事 PDF・60KB

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学校改築工事に関連して

2010-07-09 00:15:07 | 教育

 学校改築工事にあたり、新たな総合評価方式を新設し、入札を行うとのことです。


****中央区ホームページより*****

平成22年7月1日 学校改築工事の入札に新たな総合評価方式を新設しました

 中央区では、区立小学校、中学校及び幼稚園の改築工事について、学校改築工事に対応した新たな評価項目を総合的に評価する総合評価方式(「学校改築における総合評価方式」)を新設し、7月上旬公告予定の区立小学校及び幼稚園改築工事において、この新たな総合評価方式による入札を実施します。


「学校改築における総合評価方式」の新設について

7月上旬公告予定の区立小学校及び幼稚園改築工事において、学校改築工事に対応し
た新たな評価項目を総合的に評価する総合評価方式(学校改築における総合評価方式)
の入札を実施します。

1 対象工事(2件)
(1) 中央区立中央小学校及び中央幼稚園改築工事(建築工事)
(2) 中央区立明石小学校及び明石幼稚園改築工事(建築工事)
※ 平成22年第3回区議会定例会提案予定案件

2 「学校改築における総合評価方式」の概要
(1) 対象工事は建設共同企業体への発注工事
対象工事は、区立小・中学校及び幼稚園改築工事で建設共同企業体に発注する工事です。
現行の総合評価方式における「施工能力評価点」、「地域貢献等評価点」の評価基準は、
建設共同企業体の各構成員の評価点を総合し、建設共同企業体の評価点として算出します。

(2) 「学校改築における総合評価方式審議会」の設置
総合評価方式の入札の実施、運用、落札者の決定等について審議するため、副区長を委
員長とする「学校改築における総合評価方式審議会」を設置します。

(3) 学識経験者2人に意見聴取
学識経験者2人に、入札前にこの総合評価方式を実施しようとするとき、及び落札者決
定基準を決定するとき、並びに入札後に落札者を決定するときには意見を聴きます。

(4) 学校改築工事に対応した落札者の決定方法
現行の総合評価方式の評価項目である「工事価格点」、「施工能力評価点」及び「地域貢
献等評価点」に加えて、過去の公立学校新改築工事などの「同種工事の実績点」、生涯学習
や学校教育への「企業の教育貢献点」及び児童の安全面や教育上の「学校改築工事として
の配慮点」を総合的に評価して落札者を決定します。

※ 配点等の詳細については、別紙「配点表」を参照してください。
http://www.city.chuo.lg.jp/press/puresuheisei22/puresuh220701/files/gakkoukaitikusougouhyouka.pdf

【施工能力審査型総合評価方式】
中央区立中央小学校及び中央区立中央幼稚園改築工事(建築工事) JV案件

入札公告 PDF・52KB

入札手順スケジュール PDF・15KB


【施工能力審査型総合評価方式】
中央区立明石小学校及び中央区立明石幼稚園改築工事(建築工事) JV案件

入札公告 PDF・52KB

入札手順スケジュール PDF・15KB


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7月8日(木)のつぶやき

2010-07-09 00:13:21 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
09:31 from web
本日第一回中央区協働推進会議。中央区ではこの会議を設置して、1協働を推進するための方策の検討及び検証2協働事業の審査及び評価 をすることにより、区における地域との協働及び社会貢献活動のより一層の推進を図り、もって快適で活力に満ちた都心型協働社会の実現を目指すとのこと。期待します。
10:34 from web
中央区人口11万6千(年少15歳未満1万2千6百)、7/1現在保育園待機児旧定義(認可待ち)298人、新定義(認証などいっている人除く)122人。幼稚園で預かり保育(16時半まで)を実施するが、空きあり。休園中の幼稚園3園(昭和・常盤・阪本)あり。これらの有効活用を図るべき。
17:49 from web
障がい者支援NPOハート・エイド・ワンによる展覧会「ここから始まる。」11日まで麻布十番駅近く元麻布ギャラリー(オーストリア大使館前)開催。障がいのある方々の作品を展示・販売。デザイナー故水野皓司氏と写真家岩村秀郷氏の作品も展示。販売収益は障がい者支援活動に還元。明日読売に掲載。
by kosakakazuki on Twitter
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