中央区もICT(情報コミュニケーション技術)教育の導入が、進められています。
私は、紙の教科書で学んだため、デジタル教科書なるものの効用や利便性が、いかなるものか実感としてわかりません。
いまだに、PC画面で情報を得るのは苦手で、紙の新聞、紙の書籍に頼っています。
ただ、ひとり一台ipadの時代は、そう遠くないかもしれないと感じています。
グーテンベルクの印刷革命以来の大転換といわれる電子書籍の普及が、いままさに起ころうとしています。
ICTの教育への導入は、科学的な検証のもと、その効用、利便性と利点・欠点をきちんと把握した上で、導入を図っていくべきであり、その準備段階の検討は必要です。
ひとつ期待できることは、障がいのある子達への教材の充実です。
たとえば、デジタル教科書が、自動的に音読してくれたり、文字が拡大することで、目の不自由な子のための有効な教材になりうるはずです。
*****読売新聞社説****
デジタル教科書 性急な「導入」には反対だ(7月5日付・読売社説)
学校で使う教科書や教材を小型のパソコン(PC)や電子端末に納めて「デジタル教科書」にする――そんな構想を政府が進めている。
2015年を目標に全国の小中学生全員に配備する計画だ。実現すれば、5年後には教室の風景が一変するだろう。
しかし、最初に「導入ありき」の今の議論には、性急で乱暴な印象が拭(ぬぐ)えない。端末機器の選定をにらんで、PCメーカーや通信事業者などの思惑ものぞく。
教科書のデジタル化は、昨夏の衆院選に際し、民主党政策集に登場した。原口総務相が暮れに発表した「原口ビジョン」で15年の導入を明言、議論に火がついた。
総務省は、モデル小学校10校でタブレットPCなどを使った実証実験を、近く始める予定だ。
学校へのPC、ネットワーク(校内LAN)整備や電子黒板の普及などでICT(情報通信技術)化を進めてきた文部科学省にしてみれば、デジタル教科書で総務省に一歩先んじられた格好だ。
4月に有識者会議を設置して、来年度予算の概算要求に反映させようと議論を急いでいる。
両省が競合する中で、肝心の教育面の論議が置き去りにされるようでは本末転倒である。
デジタル教科書が子供たちの教育にどんな功罪をもたらすか。日常的な使用が心身に悪影響を及ぼさないか。そうした点に、徹底した検証と議論が必要だろう。
導入推進派は効用を説く。語学でネイティブの発音が聞ける、ドリル学習などが効率的にできる、情報活用力が高まり、学力向上にもつながる。
そうした利便性が確認されるなら、それを生かす方法を考えるのもいいだろう。
逆に米国で最近、情報機器の常時使用による「注意力散漫」「ディスプレー中毒」などが問題になっていることを指摘し、子供の体や情緒、姿勢、視力などに悪影響がないかを調査すべきだと主張する慎重派の研究者もいる。
紙の教科書こそ子供の学びにふさわしいという声も根強い。
今の教科書は、教科用図書として発行されることを前提に、学習指導要領に則(のっと)って編集され、文科省の検定を受けている。
機能やコンテンツに拡張性があるデジタル教科書が取って代われば、検定制度の抜本的見直しも迫られるだろう。
全員に配備というのは海外でも例のない取り組みだ。それだけに慎重な議論が肝要だ。
(2010年7月5日01時35分 読売新聞)
私は、紙の教科書で学んだため、デジタル教科書なるものの効用や利便性が、いかなるものか実感としてわかりません。
いまだに、PC画面で情報を得るのは苦手で、紙の新聞、紙の書籍に頼っています。
ただ、ひとり一台ipadの時代は、そう遠くないかもしれないと感じています。
グーテンベルクの印刷革命以来の大転換といわれる電子書籍の普及が、いままさに起ころうとしています。
ICTの教育への導入は、科学的な検証のもと、その効用、利便性と利点・欠点をきちんと把握した上で、導入を図っていくべきであり、その準備段階の検討は必要です。
ひとつ期待できることは、障がいのある子達への教材の充実です。
たとえば、デジタル教科書が、自動的に音読してくれたり、文字が拡大することで、目の不自由な子のための有効な教材になりうるはずです。
*****読売新聞社説****
デジタル教科書 性急な「導入」には反対だ(7月5日付・読売社説)
学校で使う教科書や教材を小型のパソコン(PC)や電子端末に納めて「デジタル教科書」にする――そんな構想を政府が進めている。
2015年を目標に全国の小中学生全員に配備する計画だ。実現すれば、5年後には教室の風景が一変するだろう。
しかし、最初に「導入ありき」の今の議論には、性急で乱暴な印象が拭(ぬぐ)えない。端末機器の選定をにらんで、PCメーカーや通信事業者などの思惑ものぞく。
教科書のデジタル化は、昨夏の衆院選に際し、民主党政策集に登場した。原口総務相が暮れに発表した「原口ビジョン」で15年の導入を明言、議論に火がついた。
総務省は、モデル小学校10校でタブレットPCなどを使った実証実験を、近く始める予定だ。
学校へのPC、ネットワーク(校内LAN)整備や電子黒板の普及などでICT(情報通信技術)化を進めてきた文部科学省にしてみれば、デジタル教科書で総務省に一歩先んじられた格好だ。
4月に有識者会議を設置して、来年度予算の概算要求に反映させようと議論を急いでいる。
両省が競合する中で、肝心の教育面の論議が置き去りにされるようでは本末転倒である。
デジタル教科書が子供たちの教育にどんな功罪をもたらすか。日常的な使用が心身に悪影響を及ぼさないか。そうした点に、徹底した検証と議論が必要だろう。
導入推進派は効用を説く。語学でネイティブの発音が聞ける、ドリル学習などが効率的にできる、情報活用力が高まり、学力向上にもつながる。
そうした利便性が確認されるなら、それを生かす方法を考えるのもいいだろう。
逆に米国で最近、情報機器の常時使用による「注意力散漫」「ディスプレー中毒」などが問題になっていることを指摘し、子供の体や情緒、姿勢、視力などに悪影響がないかを調査すべきだと主張する慎重派の研究者もいる。
紙の教科書こそ子供の学びにふさわしいという声も根強い。
今の教科書は、教科用図書として発行されることを前提に、学習指導要領に則(のっと)って編集され、文科省の検定を受けている。
機能やコンテンツに拡張性があるデジタル教科書が取って代われば、検定制度の抜本的見直しも迫られるだろう。
全員に配備というのは海外でも例のない取り組みだ。それだけに慎重な議論が肝要だ。
(2010年7月5日01時35分 読売新聞)