「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

「口蹄疫」は人畜共通感染症か?-口蹄疫の基礎の基礎と、我々の日常生活における問題点-

2010-07-30 18:09:53 | 医療
猛威を振るった宮崎の口蹄疫は一昨日(7月27日)に、ようやく非常事態宣言は解除されましたが、「未だ終息宣言には至っていません」。いつ再燃するか?飛び火するか?わからない口蹄疫!多くの方のご参加をお待ちしております。

第42回 感染・免疫懇話会 講演会

 宮崎県で今年の4月20日に口蹄疫感染の疑いがある牛が見つかり、その農家で飼育されていた全16頭を殺処分したのですが、その後被害が拡大し、5月15日には和牛ブランド「宮崎牛」の種雄牛49頭も殺処分対象になってしまいました。5月18日、東国原宮崎県知事は、口蹄疫問題で非常事態宣言を宮崎県内に発令。これまでに殺処分対象となった牛豚などの累計頭数は、6月27日時点で199,284頭。ワクチン接種を終了した分を含めると276,055頭となり、口蹄疫は単に酪農家だけの問題ではなく、我々遠隔地の一般市民の生活にも影響が影に日向に出てきているように感じられます。
 口蹄疫のウイルスは、ピコルナウイルスの一種とのこと。とすれば、今はやりの夏風邪の原因のエンテロウイルスはじめポリオ、ライノ、A型肝炎もその仲間。僕らの体に多少なりとも影響を与えるのではと、考えるのが人の情ではないでしょうか?僕らは罹らないのか?かかっても軽症といってもどの程度軽症なのか?口蹄疫の牛や豚の肉を食べたとして僕らの体に与える影響は無いのか?宮崎県庁には消毒マットが敷かれたようだが、宮崎に旅行したらウイルスを葛飾に持ち込まないだろうか?また、家で飼っている動物に影響を与えることはないのだろうか?ちょっと考えただけでもこんなに疑問が出てきます。
 今、話題の口蹄疫について、この3月まで、動物衛生研究所で口蹄疫の研究をされ、現在は帝京科学大学で教鞭を執っておられる村上洋介先生を、遠く山梨県上野原市よりお招きしてお話を伺いたいと思います。入場無料。どなたでも参加できます。恒例の講演会後の食事会(会費制)も行います。今回は、講師の先生が遠方より来られるため、土曜開催とし、開始時間も午後5時と繰り上げますのでお間違えの無いようにお願い申し上げます。 

葛飾区医師会 感染・免疫懇話集談会 連絡先 電話3604-2101 FAX3604-2103 

「口蹄疫」は人畜共通感染症か?
-口蹄疫の基礎の基礎と、我々の日常生活における問題点-


帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科教授
前、(独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 所長
村上 洋介

平成22年7月31日 土曜 午後5時~
会場 葛飾区医師会館 3階 講堂
東京都葛飾区立石5-15-12 電話 3691-8536

 口蹄疫はピコルナウイルス科アフトウイルス属の口蹄疫ウイルスの感染による急性の熱性伝染病で,ウシやブタなどの家畜をはじめ,野生動物を含む偶蹄類が罹患します.
 口蹄疫ウイルスの特徴は,感染伝播が速く汚染が広い範囲に及びやすいことです.致死率は幼獣を除けば低いといえますが,発病後は発育障害,運動障害及び泌乳障害などが群れ全体に及びますので,家畜は経済的価値を失い産業上大変大きな損失が生じます.
 さらに,世界貿易機関の枠組みの中で定められている国際的な動物衛生のルールに基づき,発生地域の家畜や畜産物は口蹄疫の清浄な地域への輸出が規制されますので,畜産物の国際流通にも多大の影響を与えます.
 これまで口蹄疫がなかった畜産物輸出国に発生すれば輸出停止による経済的な被害は甚大なものとなりますし,同様輸入国に発生すれば常在的な発生地域の畜産物の輸入を断る理由を失います.
 また,口蹄疫のワクチンは発病を防ぎますが感染は阻止できませんので,予防的にワクチンを使用すると却って症例を見失うことになって本病の根絶を難しくします.このため,口蹄疫の清浄な国に本病が発生した場合には,その防疫には上記の国際ルールに従い殺処分による根絶をめざした対策が執られます.
 口蹄疫ウイルスとヒトの関係については,少数例ですがヒトの感染事例があります.しかし,古い報告には口蹄疫ウイルスの感染が証明されていないものやヒトの別の感染症と混同されたものがあること,さらに,ウマなど同じ農場で飼育されている奇蹄類と同様に,ヒトは口蹄疫ウイルスに対して感受性が低いと考えられており,実際に近年の大規模な発生でも防疫従事者を含め感染者は認められていません.このため,世界保健機構をはじめとする国際機関は,調査の継続は必要としているものの,現在のところ口蹄疫を”Non-Zoonotic”疾病としています.
 口蹄疫は産業動物の疾病ですが,その清浄性を保つことで様々な衛生条件が整っていない地域からの畜産物の輸入が規制されているという面も持っています.口蹄疫は世界の畜産物の需給に影響を与える食料の安全保障上の問題ともいえましょう.

以上
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北海道では、日本脳炎の予防接種がない!?

2010-07-30 10:52:41 | 小児医療

  日本脳炎の予防接種、済んでいますでしょうか。
 積極的勧奨をやらない時期がございましたが、今は、昔のように、積極的に勧奨しています。

 ところで、小児科医のメーリングリストで、北海道では、日本脳炎の予防接種がなされていないということが話題になっています。
 移動が多い昨今、これは問題です。

 また、予防接種をしない理由が、日本脳炎を媒介する蚊(コガタアカイエカ)がいないからということでしたが、近年、北海道では、その蚊の存在が言われています。
 よって、北海道でも、日本脳炎予防接種が必要であると考えられます。


<北海道で日本脳炎がなされない法的な縛り>
予防接種法の第2章「予防接種の実施」の第3条の第2項に
「都道府県知事は、前項に規定する疾病のうち政令で定めるものについて、当該疾病の発生状況等を勘案して、当該都道府県の区域のうち当該疾病に係る予防接種を行う必要がないと認められる区域を指定することができる。」

とあり、

予防接種法施行令には
定期の予防接種を行うことを必要としない疾病
として
「第2条 法(予防接種法のことです)第3条第2項の政令で定める疾病は、日本脳炎とする。」

と、あります。

国の法律と政令に
「日本脳炎の接種は、知事の判断で省いていいですよ」
と、定めていることになります。

実際に、
「厚労省が北海道は日本脳炎の免除地域だと指定して、それを受けて道が今年も日脳は免除されますと決定して各市町村に通知している。」とのこと。


<北海道でも日本脳炎を媒介する蚊がいます。>

http://idsc.nih.go.jp/disease/JEncephalitis/QAJE02/fig02.gif

<予防接種をしないで日本脳炎発病の例>
 関東地方の小学生。居住地区近隣には豚舎もないし・・という
理由でワクチンを受けていなかった。
 夏休みに九州・某県の親戚の家に1週間ほど遊びに行った。
帰ってきてから発病し入院。大病院転院したが、亡くなった。

以上、

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7月29日(木)のつぶやき

2010-07-30 01:37:34 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
11:06 from web
東京都中央区は中学生女子約960人対象に子宮頸がん予防ワクチン接種に対し自己負担なしの全額助成を開始。一回目2万円二回目(1ヵ月後)1万8千円三回目(6ヵ月後)1万8千円。40%接種率で2千9百万円の予算。31日11時から中央区保健所(明石町12-1)が子宮頸がん予防説明会実施。
12:20 from web
明日30日午後7時より当院隣子育て広場あすなろの木にて、「豊洲新市場予定地の汚染物質処理に関する実験」の最終報告を受けて、情報交換の場を持ちます。お忙しい中、日本環境学会坂巻先生にもお越しいただき分析を深めたいと考えます。ご関心のある方は、ご連絡ください。03-5547-1191
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保育園での子ども達の生の声。夏にどこに行くかという問いに、ハワイ、フランス、大阪、沖縄、おばあちゃんちなど聞かれる一方、どこもいかない、近所の公園やショッピングセンター等の回答も。旅行に行く・行かないの二極化があるのだろうか?3-6歳の子どもの声というバイアスがあるが受けた印象。
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