中央区立明石小学校の保存を望む会は中央区長宛て、追加署名簿1320名合計3717名を提出しました。建築学会から、明石小学校は重要文化財の価値があるという見解が出されましたが、それを踏まえ、中央区が重要文化財指定の手続きを始めるようお願いしたということです。
本日7/22、東京新聞で取り上げられておりましたので、掲載いたします。
***東京新聞(2010/07/22)*****
中央区立明石小解体 5回目の署名提出 市民団体保存求め『区長の決断に期待』
2010年7月22日
関東大震災を教訓に建設された復興小学校の一つで、日本建築学会が国重要文化財に相当すると評価した中央区立明石小学校の解体問題で、市民団体「明石小学校の保存を望む会」が二十一日、同校の保存活用を求める署名簿を区に提出した。一方、日本建築学会は区が解体について同学会と合意したと説明したことに抗議。両者の溝が深まっている。
「明石小学校の保存を望む会」の署名簿提出は五回目で、今回は千三百二十人分を提出。累計で三千七百十七人分となった。同じく解体される予定の中央小についても「中央小学校・幼稚園の建替え計画を考え直す会」が二百九十一人分(累計六百九十六人分)の署名簿を提出した。
保存を望む会の中村敬子代表は「重文相当の評価があるのに区が計画を進めることに困惑している。貴重な文化財を残すよう、区長の決断に期待したい」と話している。
一方、区と学会の溝も深刻化している。区は十五日の区議会区民文教委員会で学会が解体に合意し、両者が協力して現校舎の記録保存や再利用可能部材の活用などを進めると説明したが、学会側は「一切合意していない」と強く反発。二十日の理事会で区側に抗議文の送付を決めた。学会の担当者は「信頼関係が損なわれ、区に協力できる状態ではない」と説明。解体工事が八月十日にも始まる中、校舎の記録保存も危ぶまれる状況になっている。 (岡村淳司)
******産経新聞*****
明石小は重文に相当」 建築学会、区教委に意見 区民ら、校舎保存求める署名
7月22日7時56分配信 産経新聞
関東大震災後に建築された「復興小学校」の一つで、老朽化のため建て替えが決まっている中央区明石町の区立明石小学校について、日本建築学会は「国指定重要文化財に相当する価値がある」との見解を区教育委員会に伝えた。学会の意見は建造物の所有者に及ぼす影響が強いとされ、8月に解体工事を始める区教委の判断が注目される。これに伴い、校舎の保存を求める区民らが21日、区に学会の判断を尊重するよう求める申し入れを行った。
復興小学校は19校が現存。中央区には10校あり、明石小などについては卒業生や近隣住民らが署名活動を行うなどして保存運動を展開している。
学会は2月にも「学校教育に関する東京市の理想の高さを示す建物で、表現主義的な外観デザインによる建築の秀作として高い価値がある」などと校舎保存を求める要望書を区教委に提出したが、解体の期日が迫ったことなどから、さらに詳細な現地調査を実施したうえで9日付で再度、要望書を提出した。
今回の要望書では明石小について「意匠的な完成度は極めて高い。80年以上を経て今日まで現役の小学校として活用されてきたことは奇跡的であり、中央区や東京都にとってかけがえのない文化遺産」とし「国指定の重要文化財建造物としてその価値を後世に伝えていくべきだ」と強調している。
学会は1886(明治19)年に創立され、国内建築の調査や情報発信では最も権威を持つ団体。建築物の保存を求める要望書は過去10年で約50件提出しており、解体から一転、保存になったものも多いという。
区教委は明石小など3校については解体の予定に変更はないが、新校舎には意匠を取り入れることや階段の手すりなど可能な素材は再利用することなどを約束し、残りの4校は保存を検討する余地があるなどと回答したという。
21日には「中央区立明石小学校の保存を望む会」(中村敬子代表)メンバーらが1370筆の署名を提出し、学会の判断を尊重するよう求めた。受け取った区教委事務局の遠藤誠副参事は「学校では引っ越し作業も進んでおり、解体は近隣住民の説明会を終え、理解を得ている」などと応じた。
中村代表は「重文相当という意見を受けての今日の対応に困惑している。重文というのは区民や国の財産なのに、壊してしまうことは考えられない」と話していた。
以上、
本日7/22、東京新聞で取り上げられておりましたので、掲載いたします。
***東京新聞(2010/07/22)*****
中央区立明石小解体 5回目の署名提出 市民団体保存求め『区長の決断に期待』
2010年7月22日
関東大震災を教訓に建設された復興小学校の一つで、日本建築学会が国重要文化財に相当すると評価した中央区立明石小学校の解体問題で、市民団体「明石小学校の保存を望む会」が二十一日、同校の保存活用を求める署名簿を区に提出した。一方、日本建築学会は区が解体について同学会と合意したと説明したことに抗議。両者の溝が深まっている。
「明石小学校の保存を望む会」の署名簿提出は五回目で、今回は千三百二十人分を提出。累計で三千七百十七人分となった。同じく解体される予定の中央小についても「中央小学校・幼稚園の建替え計画を考え直す会」が二百九十一人分(累計六百九十六人分)の署名簿を提出した。
保存を望む会の中村敬子代表は「重文相当の評価があるのに区が計画を進めることに困惑している。貴重な文化財を残すよう、区長の決断に期待したい」と話している。
一方、区と学会の溝も深刻化している。区は十五日の区議会区民文教委員会で学会が解体に合意し、両者が協力して現校舎の記録保存や再利用可能部材の活用などを進めると説明したが、学会側は「一切合意していない」と強く反発。二十日の理事会で区側に抗議文の送付を決めた。学会の担当者は「信頼関係が損なわれ、区に協力できる状態ではない」と説明。解体工事が八月十日にも始まる中、校舎の記録保存も危ぶまれる状況になっている。 (岡村淳司)
******産経新聞*****
明石小は重文に相当」 建築学会、区教委に意見 区民ら、校舎保存求める署名
7月22日7時56分配信 産経新聞
関東大震災後に建築された「復興小学校」の一つで、老朽化のため建て替えが決まっている中央区明石町の区立明石小学校について、日本建築学会は「国指定重要文化財に相当する価値がある」との見解を区教育委員会に伝えた。学会の意見は建造物の所有者に及ぼす影響が強いとされ、8月に解体工事を始める区教委の判断が注目される。これに伴い、校舎の保存を求める区民らが21日、区に学会の判断を尊重するよう求める申し入れを行った。
復興小学校は19校が現存。中央区には10校あり、明石小などについては卒業生や近隣住民らが署名活動を行うなどして保存運動を展開している。
学会は2月にも「学校教育に関する東京市の理想の高さを示す建物で、表現主義的な外観デザインによる建築の秀作として高い価値がある」などと校舎保存を求める要望書を区教委に提出したが、解体の期日が迫ったことなどから、さらに詳細な現地調査を実施したうえで9日付で再度、要望書を提出した。
今回の要望書では明石小について「意匠的な完成度は極めて高い。80年以上を経て今日まで現役の小学校として活用されてきたことは奇跡的であり、中央区や東京都にとってかけがえのない文化遺産」とし「国指定の重要文化財建造物としてその価値を後世に伝えていくべきだ」と強調している。
学会は1886(明治19)年に創立され、国内建築の調査や情報発信では最も権威を持つ団体。建築物の保存を求める要望書は過去10年で約50件提出しており、解体から一転、保存になったものも多いという。
区教委は明石小など3校については解体の予定に変更はないが、新校舎には意匠を取り入れることや階段の手すりなど可能な素材は再利用することなどを約束し、残りの4校は保存を検討する余地があるなどと回答したという。
21日には「中央区立明石小学校の保存を望む会」(中村敬子代表)メンバーらが1370筆の署名を提出し、学会の判断を尊重するよう求めた。受け取った区教委事務局の遠藤誠副参事は「学校では引っ越し作業も進んでおり、解体は近隣住民の説明会を終え、理解を得ている」などと応じた。
中村代表は「重文相当という意見を受けての今日の対応に困惑している。重文というのは区民や国の財産なのに、壊してしまうことは考えられない」と話していた。
以上、