「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

東京都中央区月島 こども元気クリニック・病児保育室5547-1191、10/6(日)の急病対応について

2013-10-04 23:00:00 | 小児医療
 10/6(日)11:00~で、急病対応致します。
 (時間が変則的になっております。)

 個別にお伝えしているところですが、万が一の場合、併せて急病対応いたしますので、お気軽にご相談下さい。
 

 また、月曜日からの登園登校に備え、「治癒証明」が必要な場合、日曜日に書かせていただきます。月曜日わざわざクリニックによる必要がなくなると思いますので、ご利用下さい。



 mission:日本の小児医療救急問題の解決と、地域の子ども達の24時間365日の安全安心。
     


医療法人小坂成育会
こども元気!!クリニック・病児保育室

東京都中央区月島3-30-3 ベルウッドビル2~4階

電話03-5547-1191


*******小坂クリニック10月のお知らせ******

【1】インフルエンザ予防接種を開始致しました。

 インフルエンザは冬に猛威を振るいます。
 毎年、インフルエンザ脳症で幼い命が奪われています。
 小児科医としては、どうしても不幸な事態は防ぎたいと思っています。

 第一にできることは、予防接種です。
 (第二、第三は、十分な休養と人ごみを避けること。外出時のマスクと帰宅後の手洗いうがい。)
 

 ご家族でまずは、予防接種をして防いでください。


 受験等大切な行事のあるかたも、接種をお忘れなく。


 親御さんの接種も実施致します。


 ご予約:03-5547-1191(日曜日も接種致します。)


【2】10月の日曜日(10/14祝も含め)は、お休みなしで診療致します。

*月曜日朝一番で登園できるよう治癒証明なども日曜日に書きますのでご利用ください。



【3】日曜日の予防接種を実施中です。

患者様からの御要望にお応えし、日曜日の予防接種(予約制)を実施しています。

ご希望の方は、お電話でお申し込み下さい。



以上です。

急に涼しくなって参りました。
気候の変動から喘息の発作が出たり、風邪をひくこともあり難しい季節です。

どうか体調をくずされませんように。
ご無理をなさらず、十分に休養をとって、励んでください。


食欲の秋、行楽の秋、読書の秋、芸術の秋…

お元気でお過ごしください。


小坂和輝
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メモ:農作物共済組合強制加入事件 最高裁H17.4.26

2013-10-04 11:24:38 | シチズンシップ教育




http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62606&hanreiKbn=02
事件番号

 平成16(行ツ)178



事件名

 差押処分無効確認等請求事件



裁判年月日

 平成17年04月26日



法廷名

 最高裁判所第三小法廷



裁判種別

 判決



結果

 棄却



判例集等巻・号・頁

 集民 第216号661頁




原審裁判所名

 札幌高等裁判所



原審事件番号

 平成15(行コ)5



原審裁判年月日

 平成16年03月18日




判示事項

 水稲等の耕作の業務を営む者について農業共済組合への当然加入制を定める農業災害補償法(平成11年法律第69号による改正前のもの)15条1項,16条1項,104条1項,農業災害補償法(平成11年法律第160号による改正前のもの)19条と憲法22条1項




裁判要旨

 農業共済組合の区域内に住所を有する水稲等の耕作の業務を営む者でその業務の規模が一定の基準に達するものは当該組合の組合員となり当該組合との間で農作物共済の共済関係が当然に成立する旨を定める農業災害補償法(平成11年法律第69号による改正前のもの)15条1項,16条1項,104条1項,農業災害補償法(平成11年法律第160号による改正前のもの)19条の規定は,憲法22条1項に違反しない。




参照法条

 憲法22条1項,農業災害補償法(平成11年法律第69号による改正前のもの)15条1項,農業災害補償法(平成11年法律第69号による改正前のもの)16条1項,農業災害補償法(平成11年法律第69号による改正前のもの)104条1項,農業災害補償法(平成11年法律第160号による改正前のもの)19条

判決文全文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319130713821212.pdf
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メモ:医薬品ネット販売の権利確認事件

2013-10-04 10:57:17 | 築地を守る、築地市場現在地再整備



http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=82895&hanreiKbn=02
事件番号

 平成24(行ヒ)279



事件名

 医薬品ネット販売の権利確認等請求事件



裁判年月日

 平成25年01月11日



法廷名

 最高裁判所第二小法廷



裁判種別

 判決



結果

 棄却



判例集等巻・号・頁

 民集 第67巻1号1頁




原審裁判所名

 東京高等裁判所



原審事件番号

 平成22(行コ)168



原審裁判年月日

 平成24年04月26日




判示事項

 薬事法施行規則15条の4第1項1号(同規則142条において準用する場合),159条の14第1項及び2項本文,159条の15第1項1号並びに159条の17第1号及び2号の各規定の法適合性




裁判要旨

 薬事法施行規則15条の4第1項1号(同規則142条において準用する場合),159条の14第1項及び2項本文,159条の15第1項1号並びに159条の17第1号及び2号の各規定は,一般用医薬品のうち第一類医薬品及び第二類医薬品につき,店舗販売業者による店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による販売又は授与を一律に禁止することとなる限度において,薬事法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効である。




参照法条

 薬事法36条の5,薬事法36条の6,行政手続法38条1項,薬事法施行規則15条の4第1項1号,薬事法施行規則142条,薬事法施行規則159条の14第1項,薬事法施行規則159条の14第2項本文,薬事法施行規則159条の15第1項1号,薬事法施行規則159条の16第1号,薬事法施行規則159条の17第1号,薬事法施行規則159条の17第2号

全文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130111150859.pdf
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メモ:旭川国民健康保険条例事件 最高裁H18.3.1

2013-10-04 10:55:04 | シチズンシップ教育


http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=24926&hanreiKbn=02
事件番号

 平成12(行ツ)62



事件名

 国民健康保険料賦課処分取消等請求事件



裁判年月日

 平成18年03月01日



法廷名

 最高裁判所大法廷



裁判種別

 判決



結果

 棄却



判例集等巻・号・頁

 民集 第60巻2号587頁




原審裁判所名

 札幌高等裁判所



原審事件番号

 平成10(行コ)8



原審裁判年月日

 平成11年12月21日




判示事項

 1 市町村が行う国民健康保険の保険料と憲法84条
2 国民健康保険の保険料率の算定基準を定めた上でその決定及び告示を市長に委任している旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)8条(平成6年旭川市条例第29号による改正前のもの及び平成10年旭川市条例第41号による改正前のもの),12条3項と国民健康保険法81条及び憲法84条
3 旭川市長が平成6年度から同8年度までの各年度の国民健康保険の保険料率を各年度の賦課期日後に告示したことと憲法84条
4 恒常的に生活が困窮している状態にある者を国民健康保険の保険料の減免の対象としていない旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)19条1項と国民健康保険法77条及び憲法25条,14条




裁判要旨

 1 市町村が行う国民健康保険の保険料については,これに憲法84条の規定が直接に適用されることはないが,同条の趣旨が及ぶと解すべきであるところ,国民健康保険法81条の委任に基づき条例において賦課要件がどの程度明確に定められるべきかは,賦課徴収の強制の度合いのほか,社会保険としての国民健康保険の目的,特質等をも総合考慮して判断する必要がある。
2 旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)が,8条(平成6年旭川市条例第29号による改正前のもの及び平成10年旭川市条例第41号による改正前のもの)において,国民健康保険の保険料率の算定の基礎となる賦課総額の算定基準を定めた上で,12条3項において,旭川市長に対し,保険料率を同基準に基づいて決定して告示の方式により公示することを委任したことは,国民健康保険法81条に違反せず,憲法84条の趣旨に反しない。
3 旭川市長が旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)12条3項の規定に基づき平成6年度から同8年度までの各年度の国民健康保険の保険料率を各年度の賦課期日後に告示したことは,憲法84条の趣旨に反しない。
4 旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)19条1項が,当該年において生じた事情の変更に伴い一時的に保険料負担能力の全部又は一部を喪失した者に対して国民健康保険の保険料を減免するにとどめ,恒常的に生活が困窮している状態にある者を保険料の減免の対象としていないことは,国民健康保険法77条の委任の範囲を超えるものではなく,憲法25条,14条に違反しない。
(1~3につき補足意見がある。)





参照法条

 (1~3につき)憲法84条,国民健康保険法(平成9年法律第124号による改正前のもの)76条 (1につき)国民健康保険法5条,国民健康保険法(平成14年法律第102号による改正前のもの)79条の2 (1,2につき)国民健康保険法81条 (2につき)旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号。平成6年旭川市条例第29号による改正前のもの)8条,旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号。平成10年旭川市条例第41号による改正前のもの)8条,旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号。平成9年旭川市条例第8号による改正前のもの)9条,旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号。平成12年旭川市条例第23号による改正前のもの)10条,旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号。平成9年旭川市条例第8号による改正前のもの)11条,旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号。平成7年旭川市条例第14号による改正前のもの)12条1項,旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号。平成8年旭川市条例第8号による改正前のもの)12条1項,旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号。平成9年旭川市条例第8号による改正前のもの)12条1項 (2,3につき)旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)12条3項 (3につき)旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)13条 (4につき)憲法14条,憲法25条,国民健康保険法6条6号,国民健康保険法77条,旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)19条1項

全文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100406211711.pdf
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H22.7参議院議員選挙 議員定数配分規定/最大較差1対5.00合憲:最高裁大法廷H24.10.17

2013-10-04 09:52:52 | シチズンシップ教育
 




******************************************
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=82642&hanreiKbn=02
事件番号

 平成23(行ツ)64



事件名

 選挙無効請求事件



裁判年月日

 平成24年10月17日



法廷名

 最高裁判所大法廷



裁判種別

 判決



結果

 破棄自判



判例集等巻・号・頁

 集民 第241号91頁




原審裁判所名

 東京高等裁判所



原審事件番号

 平成22(行ケ)21



原審裁判年月日

 平成22年11月17日




判示事項

 公職選挙法14条,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性




裁判要旨

 公職選挙法14条,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の下で,平成22年7月11日施行の参議院議員通常選挙当時,選挙区間における投票価値の不均衡は違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていたが,上記選挙までの間に上記規定を改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず,上記規定が憲法14条1項等に違反するに至っていたということはできない。
(補足意見,意見及び反対意見がある。)





参照法条

 憲法14条1項,憲法15条1項,憲法3項,憲法43条1項,憲法44条,公職選挙法14条,公職選挙法別表第3

判決文全文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20121017181207.pdf


一部抜粋


平成23年(行ツ)第64号 選挙無効請求事件
平成24年10月17日 大法廷判決

主 文

原判決を次のとおり変更する。
被上告人の請求を棄却する。
訴訟の総費用は被上告人の負担とする。


理 由

上告代理人須藤典明ほかの上告理由について

1 本件は,平成22年7月11日施行の参議院議員通常選挙(以下「本件選
挙」という。)について,東京都選挙区の選挙人である被上告人が,公職選挙法1
4条,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定(以下,数次の改
正の前後を通じ,平成6年法律第2号による改正前の別表第2を含め,「参議院議
員定数配分規定」という。)は憲法14条1項等に違反し無効であるから,これに
基づき施行された本件選挙の上記選挙区における選挙も無効であると主張して提起
した選挙無効訴訟である。



2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。

(1) 参議院議員選挙法(昭和22年法律第11号)は,参議院議員の選挙につ
いて,参議院議員250人を全国選出議員100人と地方選出議員150人とに区
分し,全国選出議員については,全都道府県の区域を通じて選出されるものとする
一方,地方選出議員については,その選挙区及び各選挙区における議員定数を別表
で定め,都道府県を単位とする選挙区において選出されるものとした。そして,各
選挙区ごとの議員定数については,定数を偶数としてその最小限を2人とする方針
- 2 -
の下に,昭和21年当時の人口に基づき,各選挙区の人口に比例する形で,2人な
いし8人の偶数の議員定数を配分した。昭和25年に制定された公職選挙法の参議
院議員定数配分規定は,以上のような選挙制度の仕組みに基づく参議院議員選挙法
の議員定数配分規定をそのまま引き継いだものであり,その後,沖縄返還に伴って
沖縄県選挙区の議員定数2人が付加されたほかは,平成6年法律第47号による公
職選挙法の改正(以下「平成6年改正」という。)まで,上記議員定数配分規定に
変更はなかった。なお,昭和57年法律第81号による公職選挙法の改正(以下
「昭和57年改正」という。)により,従来の個人本位の選挙制度から政党本位の
選挙制度に改める趣旨で,参議院議員選挙についていわゆる拘束名簿式比例代表制
が導入され,各政党等の得票に比例して選出される比例代表選出議員100人と都
道府県を単位とする選挙区ごとに選出される選挙区選出議員152人とに区分され
ることになったが,比例代表選出議員は,全都道府県を通じて選出されるものであ
って,各選挙人の投票価値に差異がない点においては,従来の全国選出議員と同様
であり,選挙区選出議員は従来の地方選出議員の名称が変更されたものにすぎな
い。

(2) 選挙区間における議員1人当たりの人口の最大較差は,参議院議員選挙法
制定当時は1対2.62(以下,較差に関する数値は,全て概数である。)であっ
たが,その後,次第に拡大した。昭和52年7月に施行された参議院議員通常選挙
(以下「昭和52年選挙」という。)における選挙区間の投票価値の較差は最大1
対5.26に拡大し,最高裁昭和54年(行ツ)第65号同58年4月27日大法
廷判決・民集37巻3号345頁(以下「昭和58年大法廷判決」という。)は,
いまだ違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態が生じていたとする
- 3 -
には足りない旨判示したが,平成4年7月に施行された参議院議員通常選挙(以下
「平成4年選挙」という。)における選挙区間の投票価値の較差が最大1対6.5
9に拡大するに及んで,最高裁平成6年(行ツ)第59号同8年9月11日大法廷
判決・民集50巻8号2283頁(以下「平成8年大法廷判決」という。)は,結
論において同選挙当時における上記議員定数配分規定が憲法に違反するに至ってい
たとはいえないとしたものの,違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等
状態が生じていたものといわざるを得ない旨判示した。
他方,平成6年改正は,上記のように1対6.59にまで拡大していた選挙区間
における議員1人当たりの選挙人数の最大較差を是正する目的で行われ,前記のよ
うな参議院議員の選挙制度の仕組みに変更を加えることなく,直近の平成2年10
月実施の国勢調査結果に基づき,できる限り増減の対象となる選挙区を少なくし,
かつ,いわゆる逆転現象を解消することとして,参議院議員の総定数(252人)
及び選挙区選出議員の定数(152人)を増減しないまま,7選挙区で定数を8増
8減したものであり,上記改正の結果,上記国勢調査結果による人口に基づく選挙
区間における議員1人当たりの人口の最大較差は,1対6.48から1対4.81
に縮小し,いわゆる逆転現象は消滅することとなった。その後,平成6年改正後の
参議院議員定数配分規定の下において平成7年7月及び同10年7月に施行された
参議院議員通常選挙当時の選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差
は1対4.97及び1対4.98であったところ,こうした国会における較差の縮
小に向けた措置を踏まえ,最高裁平成9年(行ツ)第104号同10年9月2日大
法廷判決・民集52巻6号1373頁及び最高裁平成11年(行ツ)第241号同
12年9月6日大法廷判決・民集54巻7号1997頁は,上記の較差が示す選挙
- 4 -
区間における投票価値の不平等は,投票価値の平等の有すべき重要性に照らして到
底看過することができないと認められる程度に達しているとはいえず,上記改正を
もって立法裁量権の限界を超えるものとはいえないとして,当該各選挙当時におけ
る上記議員定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえない旨判示した。

(3) 平成12年法律第118号による公職選挙法の改正(以下「平成12年改
正」という。)により,比例代表選出議員の選挙制度がいわゆる非拘束名簿式比例
代表制に改められるとともに,参議院議員の総定数が10人削減されて242人と
された。定数削減に当たっては,選挙区選出議員の定数を6人削減して146人と
し,比例代表選出議員の定数を4人削減して96人とした上,選挙区選出議員の定
数削減については,直近の平成7年10月実施の国勢調査結果に基づき,平成6年
改正の後に生じたいわゆる逆転現象を解消するとともに,選挙区間における議員1
人当たりの選挙人数又は人口の較差の拡大を防止するために,定数4人の選挙区の
中で人口の少ない3選挙区の定数を2人ずつ削減した。平成12年改正の結果,い
わゆる逆転現象は消滅したが,上記国勢調査結果による人口に基づく選挙区間にお
ける議員1人当たりの人口の最大較差は1対4.79であって,上記改正前と変わ
らなかった。

(4) 平成12年改正後の参議院議員定数配分規定の下で平成13年7月に施行
された参議院議員通常選挙当時において,選挙区間における議員1人当たりの選挙
人数の最大較差は1対5.06であったところ,最高裁平成15年(行ツ)第24
号同16年1月14日大法廷判決・民集58巻1号56頁(以下「平成16年大法
廷判決」という。)は,その結論において,同選挙当時,上記議員定数配分規定は
憲法に違反するに至っていたものとすることはできない旨判示したが,同判決に
- 5 -
は,裁判官6名による反対意見のほか,漫然と同様の状況が維持されるならば違憲
判断がされる余地がある旨を指摘する裁判官4名による補足意見が付された
。ま
た,上記議員定数配分規定の下で平成16年7月に施行された参議院議員通常選挙
当時において,選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は1対5.
13であったところ,最高裁平成17年(行ツ)第247号同18年10月4日大
法廷判決・民集60巻8号2696頁(以下「平成18年大法廷判決」という。)
も,その結論において,同選挙当時,上記議員定数配分規定は憲法に違反するに至
っていたものとすることはできない旨判示したが,同判決においては,投票価値の
平等の重要性を考慮すると,投票価値の不平等の是正については国会における不断
の努力が望まれる旨の指摘がされた。
平成16年大法廷判決を受けて,参議院議長が主宰する各会派代表者懇談会は,
「参議院議員選挙の定数較差問題に関する協議会」を設けて協議を行ったが,平成
16年7月に施行される参議院議員通常選挙までの間に較差を是正することは困難
であったため,同年6月1日,同選挙後に協議を再開する旨の申合せをした。これ
を受けて,同選挙後の同年12月1日,参議院議長の諮問機関である参議院改革協
議会の下に選挙制度に係る専門委員会が設けられ,同委員会において各種の是正案
が検討されたが,当面の是正策としては,較差5倍を超えている選挙区及び近い将
来5倍を超えるおそれのある選挙区について較差の是正を図るいわゆる4増4減案
が有力な意見であるとされ,同案に基づく公職選挙法の一部を改正する法律(平成
18年法律第52号)が平成18年6月1日に成立した。同改正(以下「平成18
年改正」という。)の結果,平成17年10月実施の国勢調査結果による人口に基
づく選挙区間における議員1人当たりの人口の最大較差は,1対4.84に縮小し
- 6 -
た。そして,平成18年改正後の参議院議員定数配分規定(以下「本件定数配分規
定」という。)の下で平成19年7月に施行された参議院議員通常選挙(以下「平
成19年選挙」という。)当時の選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最
大較差は,1対4.86であったところ,最高裁平成20年(行ツ)第209号同
21年9月30日大法廷判決・民集63巻7号1520頁(以下「平成21年大法
廷判決」という。)は,その結論において,同選挙当時,本件定数配分規定は憲法
に違反するに至っていたものとすることはできない旨判示したが,同判決において
は,上記のような較差は投票価値の平等という観点からはなお大きな不平等が存す
る状態であって,選挙区間における投票価値の較差の縮小を図ることが求められる
状況にあり,最大較差の大幅な縮小を図るためには現行の選挙制度の仕組み自体の
見直しが必要となる旨の指摘がされた。
なお,上記の専門委員会が平成17年10月に参議院改革協議会に提出した報告
書に示された意見によれば,現行の選挙制度の仕組みを維持する限り,各選挙区の
定数を振り替える措置により較差の是正を図ったとしても,較差を1対4以内に抑
えることは相当の困難があるとされている。また,同報告書においては,平成19
年選挙に向けての較差の是正の後も,参議院の在り方にふさわしい選挙制度の議論
を進めていく過程で,較差の継続的な検証等を行う場を設け,調査を進めていく必
要があるとされた。

(5) 平成18年改正後の平成20年6月に改めて参議院改革協議会の下に専門
委員会が設置され,同委員会において同年12月から同22年5月までの約1年半
の間に6回にわたる協議が行われたが,同年7月に施行される参議院議員通常選挙
(本件選挙)に向けた較差の是正は見送られる一方,同25年に施行される参議院
- 7 -
議員通常選挙に向けて選挙制度の見直しを行うこととされ,本件選挙後にその見直
しの検討を直ちに開始すべき旨を参議院改革協議会において決定する必要があると
されるとともに,同23年中の公職選挙法の改正法案の提出を目途とする旨の工程
表も示された。

(6) 平成22年7月に本件定数配分規定の下での2回目の参議院議員通常選挙
として施行された本件選挙当時の選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最
大較差は,1対5.00に拡大した

なお,本件選挙後,参議院に選挙制度の改革に関する検討会が発足し,その会議
において参議院議長から改革の検討の基礎となる案が提案され,平成23年以降,
各政党からも様々な改正案が発表されるなどし,上記検討会及びその下に設置され
た選挙制度協議会における検討を経て,平成24年8月に公職選挙法の一部を改正
する法律案が国会に提出されたが,成立には至っていない。同法律案の内容は,同
25年7月に施行される参議院議員通常選挙に向けた改正として選挙区選出議員に
ついて4選挙区で定数を4増4減するものであり,その附則には,同28年に施行
される参議院議員通常選挙に向けて選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検
討を行う旨の規定が置かれている(同法律案による改正が行われたとしても,同2
2年10月実施の国勢調査結果による人口に基づく選挙区間における議員1人当た
りの人口の最大較差は,1対4.75である。)。


3 憲法は,選挙権の内容の平等,換言すれば,議員の選出における各選挙人の
投票の有する影響力の平等,すなわち投票価値の平等を要求していると解される。
しかしながら,憲法は,どのような選挙制度が国民の利害や意見を公正かつ効果的
に国政に反映させることになるかの決定を国会の裁量に委ねているのであるから,
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投票価値の平等は,選挙制度の仕組みを決定する唯一,絶対の基準となるものでは
なく,国会が正当に考慮することができる他の政策的目的ないし理由との関連にお
いて調和的に実現されるべきものである。それゆえ,国会が具体的に定めたところ
がその裁量権の行使として合理性を有するものである限り,それによって投票価値
の平等が一定の限度で譲歩を求められることになっても,憲法に違反するとはいえ
ない。
憲法が二院制を採用し衆議院と参議院の権限及び議員の任期等に差異を設けてい
る趣旨は,それぞれの議院に特色のある機能を発揮させることによって,国会を公
正かつ効果的に国民を代表する機関たらしめようとするところにあると解される

前記2(1)においてみた参議院議員の選挙制度の仕組みは,このような観点から,
参議院議員について,全国選出議員と地方選出議員に分け,前者については全国の
区域を通じて選挙するものとし,後者については都道府県を各選挙区の単位とした
ものである(この仕組みは,昭和57年改正後の比例代表選出議員と選挙区選出議
員から成る選挙制度の下においても基本的に同様である。)。昭和22年の参議院
議員選挙法及び同25年の公職選挙法の制定当時において,このような選挙制度の
仕組みを定めたことが,国会の有する裁量権の合理的な行使の範囲を超えるもので
あったということはできない。しかしながら,社会的,経済的変化の激しい時代に
あって不断に生ずる人口変動の結果,投票価値の著しい不平等状態が生じ,かつ,
それが相当期間継続しているにもかかわらずこれを是正する措置を講じないこと
が,国会の裁量権の限界を超えると判断される場合には,当該議員定数配分規定が
憲法に違反するに至るものと解するのが相当である。
以上は,昭和58年大法廷判決以降の参議院議員(地方選出議員ないし選挙区選
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出議員)選挙に関する累次の大法廷判決の趣旨とするところであり,後記4(2)の
点をおくとしても,基本的な判断枠組みとしてこれを変更する必要は認められな
い。
もっとも,最大較差1対5前後が常態化する中で,平成16年大法廷判決におい
て,複数の裁判官の補足意見により較差の状況を問題視する指摘がされ,平成18
年大法廷判決において,投票価値の平等の重要性を考慮すると,投票価値の不平等
の是正については国会における不断の努力が望まれる旨の指摘がされ,さらに,平
成21年大法廷判決においては,投票価値の平等という観点からはなお大きな不平
等が存する状態であって較差の縮小が求められること及びそのためには選挙制度の
仕組み自体の見直しが必要であることが指摘されるに至っており,これらの大法廷
判決においては,上記の判断枠組み自体は基本的に維持しつつも,投票価値の平等
の観点から実質的にはより厳格な評価がされるようになってきたところである。


4 上記の見地に立って,本件選挙当時の本件定数配分規定の合憲性について検
討する。

(1) 憲法は,二院制の下で,一定の事項について衆議院の優越を認め(59条
ないし61条,67条,69条),その反面,参議院議員の任期を6年の長期と
し,解散(54条)もなく,選挙は3年ごとにその半数について行う(46条)こ
とを定めている。その趣旨は,議院内閣制の下で,限られた範囲について衆議院の
優越を認め,機能的な国政の運営を図る一方,立法を始めとする多くの事柄につい
て参議院にも衆議院とほぼ等しい権限を与え,参議院議員の任期をより長期とする
ことによって,多角的かつ長期的な視点からの民意を反映し,衆議院との権限の抑
制,均衡を図り,国政の運営の安定性,継続性を確保しようとしたものと解され
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る。
いかなる具体的な選挙制度によって,上記の憲法の趣旨を実現し,投票価値の
平等の要請と調和させていくかは,二院制の下における参議院の性格や機能及び衆
議院との異同をどのように位置付け,これをそれぞれの選挙制度にいかに反映させ
ていくかという点を含め,国会の合理的な裁量に委ねられているところであるが,
その合理性を検討するに当たっては,参議院議員の選挙制度が設けられてから60
年余,当裁判所大法廷において前記3の基本的な判断枠組みが最初に示されてから
でも30年近くにわたる,制度と社会の状況の変化を考慮することが必要である。
参議院議員の選挙制度の変遷は前記2のとおりであって,これを衆議院議員の選
挙制度の変遷と対比してみると,両議院とも,政党に重きを置いた選挙制度を旨と
する改正が行われている上,選挙の単位の区域に広狭の差はあるものの,いずれ
も,都道府県又はそれを細分化した地域を選挙区とする選挙と,より広範な地域を
選挙の単位とする比例代表選挙との組合せという類似した選出方法が採られ,その
結果として同質的な選挙制度となってきているということができる。このような選
挙制度の変遷とともに,急速に変化する社会の情勢の下で,議員の長い任期を背景
に国政の運営における参議院の役割はこれまでにも増して大きくなってきていると
いうことができる。加えて,衆議院については,この間の改正を通じて,投票価値
の平等の要請に対する制度的な配慮として,選挙区間の人口較差が2倍未満となる
ことを基本とする旨の区割りの基準が定められている。これらの事情に照らすと,
参議院についても,二院制に係る上記の憲法の趣旨との調和の下に,更に適切に民
意が反映されるよう投票価値の平等の要請について十分に配慮することが求められ
るところである。
参議院においては,この間の人口移動により,都道府県間の人口較差が著しく拡
- 11 -
大したため,半数改選という憲法上の要請を踏まえた偶数配分を前提に,都道府県
を単位として各選挙区の定数を定めるという現行の選挙制度の仕組みの下で,昭和
22年の制度発足時には2.62倍であった最大較差が,昭和58年大法廷判決の
判断の対象とされた昭和52年選挙の時点では5.26倍に拡大し,平成8年大法
廷判決において違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態と判断され
た平成4年選挙の時点では6.59倍にまで達する状況となり,その後若干の定数
の調整によって是正が図られたが,基本的な選挙制度の仕組みについて見直しがさ
れることはなく,5倍前後の較差が維持されたまま推移してきた。
(2) さきに述べたような憲法の趣旨,参議院の役割等に照らすと,参議院は衆
議院とともに国権の最高機関として適切に民意を国政に反映する責務を負っている
ことは明らかであり,参議院議員の選挙であること自体から,直ちに投票価値の平
等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難い。昭和58年大法廷判決
は,参議院議員の選挙制度において都道府県を選挙区の単位として各選挙区の定数
を定める仕組みにつき,都道府県が歴史的にも政治的,経済的,社会的にも独自の
意義と実体を有し,政治的に一つのまとまりを有する単位として捉え得ることに照
らし,都道府県を構成する住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能
を加味しようとしたものと解することができると指摘している。都道府県が地方に
おける一つのまとまりを有する行政等の単位であるという点は今日においても変わ
りはなく,この指摘もその限度においては相応の合理性を有していたといい得る
が,これを参議院議員の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請は
なく,むしろ,都道府県を選挙区の単位として固定する結果,その間の人口較差に
起因して投票価値の大きな不平等状態が長期にわたって継続していると認められる
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状況の下では,上記の仕組み自体を見直すことが必要になるものといわなければな
らない。また,同判決は,参議院についての憲法の定めからすれば,議員定数配分
を衆議院より長期にわたって固定することも立法政策として許容されるとしていた
が,この点も,ほぼ一貫して人口の都市部への集中が続いてきた状況の下で,数十
年間にもわたり投票価値の大きな較差が継続することを正当化する理由としては十
分なものとはいえなくなっている。さらに,同判決は,参議院議員の選挙制度の仕
組みの下では,選挙区間の較差の是正には一定の限度があるとしていたが,それ
も,短期的な改善の努力の限界を説明する根拠としては成り立ち得るとしても,数
十年間の長期にわたり大きな較差が継続することが許容される根拠になるとはいい
難い。平成16年,同18年及び同21年の各大法廷判決において,前記3のとお
り投票価値の平等の観点から実質的にはより厳格な評価がされるようになってきた
のも,較差が5倍前後で推移する中で,前記(1)においてみたような長年にわたる
制度と社会の状況の変化を反映したものにほかならない。

(3) 現行の選挙制度は,限られた総定数の枠内で,半数改選という憲法上の要
請を踏まえた偶数配分を前提に,都道府県を単位として各選挙区の定数を定めると
いう仕組みを採っているが,人口の都市部への集中による都道府県間の人口較差の
拡大が続き,総定数を増やす方法を採ることにも制約がある中で,このような都道
府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図ると
いう要求に応えていくことは,もはや著しく困難な状況に至っているものというべ
きである。このことは,前記2(4)の平成17年10月の専門委員会の報告書にお
いて指摘されていたところであり,前回の平成19年選挙についても,投票価値の
大きな不平等がある状態であって,選挙制度の仕組み自体の見直しが必要であるこ
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とは,平成21年大法廷判決において特に指摘されていたところである。それにも
かかわらず,平成18年改正後は上記状態の解消に向けた法改正は行われることな
く,本件選挙に至ったものである。これらの事情を総合考慮すると,本件選挙が平
成18年改正による4増4減の措置後に実施された2回目の通常選挙であることを
勘案しても,本件選挙当時,前記の較差が示す選挙区間における投票価値の不均衡
は,投票価値の平等の重要性に照らしてもはや看過し得ない程度に達しており,こ
れを正当化すべき特別の理由も見いだせない以上,違憲の問題が生ずる程度の著し
い不平等状態に至っていたというほかはない。
もっとも,当裁判所が平成21年大法廷判決においてこうした参議院議員の選挙
制度の構造的問題及びその仕組み自体の見直しの必要性を指摘したのは本件選挙の
約9か月前のことであり,その判示の中でも言及されているように,選挙制度の仕
組み自体の見直しについては,参議院の在り方をも踏まえた高度に政治的な判断が
求められるなど,事柄の性質上課題も多いためその検討に相応の時間を要すること
は認めざるを得ないこと,参議院において,同判決の趣旨を踏まえ,参議院改革協
議会の下に設置された専門委員会における協議がされるなど,選挙制度の仕組み自
体の見直しを含む制度改革に向けての検討が行われていたこと(なお,本件選挙後
に国会に提出された前記2(6)の公職選挙法の一部を改正する法律案は,単に4選
挙区で定数を4増4減するものにとどまるが,その附則には選挙制度の抜本的な見
直しについて引き続き検討を行う旨の規定が置かれている。)などを考慮すると,
本件選挙までの間に本件定数配分規定を改正しなかったことが国会の裁量権の限界
を超えるものとはいえず,本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたという
ことはできない。
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5 参議院議員の選挙制度については,限られた総定数の枠内で,半数改選とい
う憲法上の要請を踏まえて各選挙区の定数が偶数で設定されるという制約の下で,
長期にわたり投票価値の大きな較差が続いてきた。しかしながら,国民の意思を適
正に反映する選挙制度が民主政治の基盤であり,投票価値の平等が憲法上の要請で
あることや,さきに述べた国政の運営における参議院の役割に照らせば,より適切
な民意の反映が可能となるよう,単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまら
ず,都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で
改めるなど,現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講
じ,できるだけ速やかに違憲の問題が生ずる前記の不平等状態を解消する必要があ
る。


6 なお,被上告人は,憲法は主権者たる国民による統治機構の民主的統制の基
盤として人口に比例した議員の定数の配分を要請しているとした上,本件定数配分
規定は,平等権の問題にとどまらず,民主主義の根幹である正当な選挙を前提とす
る統治機構の在り方の観点からも憲法に違反すると主張する。しかしながら,憲法
の解釈として両議院とも国会議員の選挙制度の仕組みの決定において国会に裁量権
があると解されることは,最高裁昭和49年(行ツ)第75号同51年4月14日
大法廷判決・民集30巻3号223頁以降の累次の大法廷判決の趣旨とするところ
であって,前示のとおり本件選挙当時の選挙区間における投票価値の不均衡を本件
選挙までに是正する措置を講じなかったことが上記の選挙制度に係る憲法秩序の下
における国会の裁量権の限界を超えるものとはいえないと解される以上,本件定数
配分規定は所論の観点からみても憲法に違反するに至っていたということはできな
い。被上告人は,両議院の法律案等の議決における議員の表決権の価値が完全に均
- 15 -
等であり,憲法改正の国民投票等(憲法96条,79条2項)における投票権の価
値も同様であることなども指摘するが,当該指摘に係る各局面と,全国民の代表と
して国政に係る多様な事項の決定に継続的に関わる国会議員の構成に多角的に民意
が反映されるように選挙制度の仕組みを定める局面とは,事柄の性質が異なり,こ
れらを同列に論ずることはできないというべきであり,当該指摘も上記判断を左右
するものではない。


原判決は,本件定数配分規定が本件選挙当時憲法に違反するものであったと
しつつ,行政事件訴訟法31条1項に示された一般的な法の基本原則に従い,本件
請求を棄却した上で,当該選挙区における本件選挙が違法であることを主文におい
て宣言したものであるが,原判決は,前記判示と抵触する点において失当であり,
その限度において変更を免れないというべきである

以上の次第で,原判決には,憲法の解釈,適用を誤った違法があり,本件上告
は,その限りにおいて理由があるから,原判決を変更して,被上告人の請求を棄却
することとする。


よって,裁判官田原睦夫,同須藤正彦,同大橋正春の各反対意見があるほか,裁
判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。なお,裁判官櫻井龍子,同金築誠
志,同千葉勝美の各補足意見,裁判官竹内行夫の意見がある。


(判決文は、まだ、反対意見、補足意見、意見が延々続きますが、ここで文字数制限の都合上、掲載を終えます。)
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