1)公益社団法人の定款の内容が違法の場合、欠格事由に該当し、公益認定が取消されます。
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公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律
(欠格事由)
第六条 前条の規定にかかわらず、次のいずれかに該当する一般社団法人又は一般財団法人は、公益認定を受けることができない。
三 その定款又は事業計画書の内容が法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反しているもの
(公益認定の取消し)
第二十九条 行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消さなければならない。
一 第六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。
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2)公益社団法人の理事長、理事には、善管注意義務が生じています。
理事長、理事は、当該公益社団法人との、委任契約に基づき、理事長、理事の地位についています。
委任契約を結んだ場合、委任された側(受任者)には、民法644条に基づき、善管注意義務が生じています。
ついでにいいますと、民法645条で、説明責任も生じています。
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民法
(受任者の注意義務)
第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
(受任者による報告)
第六百四十五条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。
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3)さらに、公益社団法人の理事長、理事には、誠実義務(忠実義務)が生じています。
理事長、理事の皆様は、当該公益社団法人と、委任契約に基づき、理事長、理事の地位についたことによって、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」83条で規定する誠実義務(忠実義務)という、善管注意義務よりさらに高度な責任を負っています。
注)、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」は、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」の特別法であり、前者は、後者に包含される関係上、公益社団法人は、後者の規定にも沿う必要があります。
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「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」
(忠実義務)
第八十三条 理事は、法令及び定款並びに社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のため忠実にその職務を行わなければならない。
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