こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

夜中に犬に起こった奇妙な事件

2007-04-06 00:00:00 | 未分類
マーク・ハッドン氏『夜中に犬に起こった奇妙な事件』を読みました。

一言で言うと、ミステリ版『くらやみの速さはどれくらい』でしょうか?
こっちの方が、先なんですけどね。

主人公は、数学や物理は優秀なのに、他人の表情が読み取れず、うまく人付き合いできないクリストファー。

ある夜、近所の飼い犬が園芸用フォークで刺し殺されていた。
彼は探偵のように近所の聞き込み捜査を始めた。
父親は他人事に首を突っ込むなと言ったが、彼なりの理屈で調査を続けていた。
それらの事を書き付けていた本を父親に取り上げられ、その隠し場所をつきとめたことで、
彼は、驚くべき事実を知る。

周りの情景の全ての情報を瞬時に脳が取り込むために、新しい場所に行くと
容量オーバーしたようにパニックを起こして、悲鳴をあげるか、うなり声をだしてしまう。

そんな彼が、自分の家から百六十キロも離れたロンドンへ行くという冒険をします。
どれほどの新しい大量の情報が、彼の脳になだれ込むのでしょうか?
我々が、日常生活として行っている何でも無いことが、大量の情報の取捨選択によって行われているのだ
ということが、よく分かります。
彼の大いなる冒険を、高揚感と不安感を持って共に味わいました。

コメント
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