こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

僕たちの終末

2007-04-10 00:00:00 | 未分類
機本伸司さん『僕たちの終末』を読みました。

近未来の日本、近い将来、X一万クラスの太陽フレアが連続発生し、X百万クラスの発生さえ、
予想されるという。
それらを‘‘太陽暴風’’と名づけ、宇宙環境センターなどでの監視を強化している。
しかし、フレアの予知はいまだに困難で、発生を確認してから規模をランクづけして
警報を出す程度だ。
国の計画では、次の極大期が始まるとされる七年後を、第一期の完成目標として、
シェルターやドームを大量に建設するというものだ。ただし、第二期まで進行したとして、
入居できるのは、国民の一割にも満たないだろうという。

そんな中、あるホームページで入会金一万円として、宇宙船で宇宙へ行こうという計画が発表された。
そんな古臭い詐欺のような話、信用するほうが馬鹿みたいだが、瀬河那由の父・恒夫が申し込み、
ついには、自分の会社・人材派遣会社から宇宙船の製造会社を立ち上げてしまう。

宇宙船の話を持ち出した犯人は、元・天文学者の神崎正。
夢ばかり追いかけて具体性が無く、周りが宇宙船を着々と造り、メディアへの説明をし、
様々な法的許可を得ようとし、政治的問題にも苦労している中、艦に乗せる文化遺産のデータを選んでいる
役に立たない上に、するべき努力もしない、とんでもない男です。

法律を通すために政治家の協力を得ようとすると、それと引き換えに宇宙船に乗せろと言う。
国際政治がからんでくると、そんな政治家も役に立たず、完成した宇宙船を乗っ取られそうになります。
最後の最後までアクシデントに見舞われ、息つく暇もありません。
果たして、彼らはバーナード星系へ旅立てるのか?

とても面白く読めたのですが、バーナード星系に居住可能な惑星があったとしても、
あの人数では種としての存続は難しいと思えました。

コメント
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