こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

移動都市

2007-04-24 00:00:00 | 未分類
フィリップ・リーヴ氏の『移動都市』を読みました。

「六十分戦争」で、それまでの文明が崩壊した時代。
人類は、都市にスチームエンジンと巨大なキャタピラや車輪を付けて移動し、
様々な物資を他都市を食うことで得るようになっていた。
その中の一つ、ロンドンに住むギルド見習いのトムは、あこがれのギルド長・ヴァレンタインに
出会うのだが、彼を殺そうとした少女の名前を知ったことを聞くと、ダストシュートに
突き飛ばされてしまった。
その少女ヘスターと、慣れない大地をさまよい、奴隷にされそうになり、
大スパイにかくまわれと、命からがらの冒険をする。

それまで、絶対正義だと思っていた世界の崩壊、悪と思っていた人々の正当な理由。
トムは、多くの事を学びながら、何が正しいかを自ら選んでいきます。
四部作との事で、まだこの続きがあるようです。そのせいか、悪人がまだ小物です。
少し物足りません。

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都会のトム&ソーヤ4

2007-04-23 00:00:00 | 未分類
はやみねかおるさんの『都会のトム&ソーヤ4 四重奏』を読みました。

『大脱走 THE GREAT ESCAPE』は、クラスメイトが自主制作映画コンテストに
出す予定だったのを出し忘れていたことから始まった。
締め切りに間に合うには、昼休みから体育の時間にかけて事務局に届けなくてはならない。
担任は許可を出してくれたが、体育教師は許してくれない。
そこで創也は手助けを申し出た、もちろん内人も巻き添え(^^;)
ということで、今回の使命は、マラソン大会の中、先生の目を盗んで抜け出し
無事に完成フィルムを事務局に届けることにある。

意外と無計画な創也に内人が振り回され、苦労するところが笑えます。
でも、本当に内人はサバイバルに向いていますね。

『深窓の令嬢の真相』は、究極のゲームをつくる資金が三百万円足りず、
ジャパンテレビのドキュメンタリー番組のエキストラをすることになったことから始まる。
堀越ディレクターと一緒に、オバケ屋敷を探検する中学生の役だったはずだけど・・・。
以前、頭脳集団(ブランナ)のの計画を頓挫させた創也と内人は、彼らのブラックリストに
載っているらしく、今回の窃盗団の計画書にも奇妙な中学生かいると書かれているらしい。

今回も、ただでもらえる細々した物を集めては、彼らの計画を邪魔する小細工をした内人。
今後、彼らに関われば、命に関わる事態になりそうなので、これからの展開が心配です。

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あなたに贈る物語

2007-04-21 00:00:00 | 未分類
青い鳥文庫のアンソロジー集『あなたに贈る物語』を読みました。

『黒魔女さん、若おかみに会いに行く』は、黒魔女さんシリーズと小学生若おかみシリーズを
一緒にしたもので、魔物とユーレイがうまいこと組み合わせられて、楽しかったです。

『樋口一葉は名探偵』は、設定に無理があります。同時代に生きていても、子どもの頃から
友達なわけないでしょう(^^;)

『少年名探偵WHO』も、設定に無理があるんですよね。
子どもが事務所を借りられるわけがない。新聞記者として採用されるわけがない。
まぁ、子どもの夢だから、言っちゃいけないのかもしれませんが。

『ヘイナとトッスのクリスマス』は、フィンランドの温かなクリスマスの光景が目に浮かぶ
やさしい物語です。

『坂道をのぼったら』は新シリーズの導入部だけなので物足りませんが、
編集部の意向らしいので、仕方ないですね。作者のせいじゃないので。

『パスワードの贈り物スペシャル「風魔術団」』は、文字通り電子探偵団へのクリスマスプレゼントです。
このアンソロジー集に登場するキャラクターたちが、この物語の世界にも存在するように描かれていて
サービス精神旺盛な作者に好感が持てます。

全体として、やはり子供向けの文庫なのかな?と改めて感じました。
物足りなかったり、突っ込みどころが多かったり。

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まだ見ぬ冬の悲しみも

2007-04-20 00:00:00 | 未分類
山本弘さんの『まだ見ぬ冬の悲しみも』を読みました。

『奥歯のスイッチを入れろ』は宇宙パイロットだったタクヤが、事故で全身に損傷を受け、
光速運動できるニュードロイドのパイロットとしてスカウトされた話の顛末。
特別な能力を手に入れたら、世界がどのように感じられるか、何を思うのか、という
興味深い物語です。

『バイオシップハンター』は、我々にあだなす者は全て滅ぼしてきた人類にとって、
かなり大きな試練の物語です。金も時間も根気も、気の遠くなるほどかかる試練とは何か?
ぜひ、読んでみてください。

『メデューサの呪文』は、この本の中で一番好きな物語です。
文明が崩壊したかに見えるインチワームの星アルハムデュリラー。
彼らの隠された武器と地球に迫る危機。その荒唐無稽さが素晴らしいです。

『まだ見ぬ冬の悲しみも』は、タイムトラベルで発生する、多くのパラレルワールドの
最悪のパターンに当たってしまったら、というところです。
大抵のパラレル物って、最良のパターンしか描かないので、こういう話もアリかな、と思います。

『シュレディンガーのチョコパフェ』は、マッドサイエンティストによる人類の危機と
何じゃそりゃ?の結末。シリアスな展開なのですが、結末は何じゃそりゃ?とバカバカしさも感じられます。

『闇からの衝動』は、そのままでも面白いけれど、C・L・ムーアやヘンリー・カットナーを
読んでいないと味わえないようにも思えるので、いつか古本屋でも探しに行こうかな?と考えています。
実行できるかはともかく(^^;)

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狼の一族

2007-04-19 00:00:00 | 未分類
『異色作家短編集18狼の一族 アンソロジー/アメリカ篇』を読みました。

フリッツ・ライバー氏著『ジェフを探して』は、酒場に現れる女の幽霊の話。
手当たり次第に男を誘惑しているように感じられるが、その目的は?
ということで、女の望みが果たされて気分はスッキリ。
男の人にとっては、嫌な話かもしれません。

ジャック・リッチー氏著『貯金箱の殺人』では、十二歳くらいの少年が
父方の大おじの殺人依頼をする話。
実際に大おじは殺され、依頼されたヴィザビーは、ある事から殺人の容疑者にされる。
ヴィザビーは少年にはめられたのか?少しずつ謎が明かされていく過程が気持ちいいです。

チャールズ・ウィルフォード氏著の『鶏占い師』は、小さな島の別荘で出会い、
死を宣告したおいぼれ占い師との物語。
常に死の影におびえて暮らさなければならず、色々と思うこともあるでしょうけれど、
ある意味、恩人かもしれません。

ハーラン・エリスン氏著の『どんぞこ列車』は、運も金も無くした元ミュージシャンが、
ただ乗りした貨物列車で再び取り戻した男気の物語です。
いい結果が待っているとは思えませんが、精神的に得るものがありそうです。

ロバート・クーヴァー氏著の『ベビーシッター』は、ベビーシッター自身とその恋人と、
依頼した家族を巡る出来事を、断片的に多方向から切り取りでたらめに並べたような物語です。
結構残酷な物語なので、あまりお勧めできません。

ウィリアム・コツウィンクル氏著の『象が列車に体当たり』は、文字通りそのままです。
象から見た列車って、そんなものかもしれませんねぇ。
そして、サバンナの仲間たちの態度の変化も笑えます。
このアンソロジーの中では、一、二位くらいの面白さだと思います。

ジーン・シェパード氏著の『スカット・フォーカスと魔性のマライア』は、小学生の
喧嘩ゴマの物語です。
アメリカの小学生って、こんなにも残酷で容赦ないのでしょうか?ギャング以外の何者でもないですね。
だからこそ、マライヤやウルフが現れたというように思えます。まさに魔性です。

R・A・ラファティ氏著の『浜辺にて』はうすぼんやりしたオリヴァーが、
出会った貝と共に送った不思議な人生。入れ子構造のようですね。彼にとっては
幸せだったのかな?おだやかなファンタジーです。かなり好み。

ジョン・スラデック氏著の『他の惑星にも死は存在するのか?』はSFスパイ小説です。
ピーターは、コンピュータをプログラムする道具を手に入れるために、時を越え、
敵から逃亡するために奇想天外な方法を駆使します。その突飛さが面白いです。

トーマス・M・ディッシュ氏著の『狼の一族』は、狼男に生まれてしまったアーレスの物語。
人間として生き、同時に狼としても生きていこうなんて、無理な話なのでしょう。
悲しいけれど、好きな物語です。

アヴラム・デイヴィットスン氏著の『眠れる美女ポリー・チャームズ』は、
見世物小屋で見せ物にされている、三十年眠り続けている美女を見物に行き、
その正体を明かそうとする物語です。
結局、本物だったのでしょうか?

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