京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 奥琵琶湖をたずねて

2013年05月21日 | 奥琵琶湖・湖北路を訪ねて

全周約220kmの琵琶湖を16回に分けて一周する「ぐるり琵琶湖一周ウォーク」が開催されていました。昨秋9月、瀬田の唐橋から出発したこのツアーは、今回が8回目にあたります。湖北、奥琵琶湖を巡る回につまみ食いで参加してみたいと思い立ち、申し込んでいたのです。まさかの体調不良に見舞われコンディションづくりに慌てましたが、当日の朝の気分次第と決めてのぞみました。前夜は早めに就寝、ぐっすり眠れたようでした。

20日、午前8時35分京都駅八条口を出発。名神高速道路の集中工事による片側1車線の通行規制で、滋賀県長浜市湖北町にある「道の駅湖北みずどりステーション」到着は予定よりも遅れました。到着後、先ずお弁当とお茶でお昼です。お豆さんのおこわがおいしく、ご飯の量が多いのも「しっかり食べてしっかり歩けよ」という励ましに感じます。実際、案内書にあった12.5kmという今回の行程は、正しくは16km弱だと行きの車内で聞かされ愕然。したがって5時間前後このあと歩かねばならないことになります。

眼前に竹生島が浮かぶスタート地点を、ウォーキングリーダーのあとについて12時40分に出発。

延々と鹿よけの防護柵が施され、山藤や桐の花が咲く山沿いの道で片山集落を抜け、「西野水道公園」で一休み。「西野水道」とは、江戸時代、余呉川氾濫に苦しんでいた村人を救うために、古生層の岩盤から成る山塊をゲンノウとノミだけで琵琶湖へ水抜きのために掘削した、全長220m、幅1~1.5m、高さ1.6~3mの水路です。5年の歳月をかけ、私財を投じたのが西野村充満寺住職・西野恵荘だったと説明がありました。



1時40分、いよいよ賎ヶ岳リフト乗り場までの山越えの道に入りました。息が切れるひどくきつい山道、登っては休憩を繰り返し尾根に出るまでに1時間20分。起伏に富んだ尾根づたいを徐々に下ってリフト乗り場まで、山越えには2時間ほどかかりました。

石灰石を切りだしたあとが無残な伊吹山、その手前に青々と小谷城があった小谷山です。水田が広がる眼下の集落まで下ります。足元左下方に琵琶湖が広がっていることがわかるのですが、木々の茂りでよくは見えません。そして開けました!琵琶湖の展望の美しかったこと。2度と見ることのない風景を目に焼き付け、心に刻むばかりでした。

山を越え、「賎ヶ岳リフト乗り場」で小休止後、4時に出発。あと7キロ弱で琵琶湖最北端の塩津浜に到着です。旧トンネルを抜けて湖岸へ出たあとは、左手に琵琶湖を見ながら「飯浦(はんのうら)」へ、そしてゴールの「塩津浜」へと進みます。
飯浦から広々とした湖が広がり竹生島の後方に周囲よりは小高い長命寺山までが望めます。進んできた山中は明るい緑が湖面に映えています。


この山の向こうに余呉湖が広がるのです。

湖岸を作る山の切り立ちも美しく、水鳥が飛び立つ音を立てます。湖を抱きかかえて静かに日が傾いてゆく奥琵琶湖でした。

塩津浜ゴールは5時40分。名神の工事による渋滞を避け、湖西回りで6時前帰途につきました。
季節ごとに表情を変えるといわれる琵琶湖、この万緑の侯に訪れることができたのも嬉しいことです。しかし奥琵琶湖は冬、いつか冬にもう一度訪ねることができたら、幸せです。

コメント (12)
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