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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

トイレに一輪、台所に一輪

2024年02月14日 | 日々の暮らしの中で
〈春風はすべてをほころばせようとする風だといいます〉 
こんな心地よい言葉をどこかで目にしていたけれど、春一番の訪れもないまま初夏のごとき陽気になった。


すべての葉を落とした落葉樹の枝ぶりの、きっぱりとした美しさを見るのもいいものだ、などと昨年12月も半ばごろ、川べりを歩きながら孫娘に話したところ、なんとまあ一直線に「嫌い」と返ってきたことがあった。(おい、おい! 嫌いといってしまえばあとが続かないよ) どんよりと暗い京の冬は好まないのかしら。



〈12月末から咲き始めた水仙が、春めいてきた今は庭中に、まっ白に咲いている〉と82歳の女性が書いていた。
ほのかに漂う甘い香り。
〈トイレに一輪、台所に一輪、そして仏壇にも一輪〉。
つつましさ、ひそやかさ。素朴さ。小さな自然がそこにあるのがいい。
絶やすことなく楽しまれる暮らしぶりがうかがえる投稿文だった。ひと重咲きの野水仙だろう。

〈トイレに一輪、台所に一輪、仏壇に一輪〉
花の香を召しませと、誰かを思い、なにかを思って、私も真似たい一輪の仏前供花。

早く咲いておくれ。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
水仙の花 (サッ チー)
2024-02-15 10:05:34
Kei様、おはよう御座います。
 一輪の水仙の花を、それぞれの場所で愛でる・・
 素敵な心構えですね。
 香りと、色と、姿、も良くて大好きです。
 千葉県の南には「水仙ロード」が有って1月には
 賑わうのですが、最近行ってなく花屋さんで買いたいくらい。
 (我が家の鉢植えの水仙の花はまだほんの少し芽をだしただけ)
 人を思いながら捧げる水仙の花。心を込めて、庭で咲いたら・・
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香り、色、そして姿も サッチーさん (kei)
2024-02-15 12:04:33
静かな、優しい心遣いが感じられて、こんなふうに暮らしたいなと思う小文でした。
香に色、姿もよし。最高のべっぴんさんですね。
花のある暮らしはいいですね。
地植えだしと、あまり手をかけないずぼらさが災いするのか、どれも遅咲きで(笑)
この方のお宅は早くから水仙花盛り。えらい違いです。
芽を出して、花茎を伸ばしていくのを見ながら、今か今かと待つ。
これはおおきな楽しみです。
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水仙 (りりん)
2024-02-15 13:46:21
こんにちは

落葉した木々を針葉樹の多い外国の人が見た時、もう枯れてしまった?と思ったとか
日本の冬枯れの光景はどこか寂しげだけど、春を待つ静かな想いを温められますね。

水仙、うちも地植えのものが4種類くらいあるのですが、昨日見たら、雪がほとんどない裏庭で10センチくらい伸びていました。
今年は早い開花になりそうです。(^^♪
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静かな思いをあたためて りりんさん (kei)
2024-02-15 20:49:29
見慣れているとは思うのですよね。
まあ、情趣をまだ解さないのでしょうか(笑)
葉を落とし、冬に入る前には芽吹きの用意をすませている、とか?
なんとなく明るい色合いにあたりを染めますよね。

もうしばらくですね。
待つ楽しみ、じっくり味わ居たものです。


りりんさん、お気遣いいただきありがとうございます。近いうちに手に入れます。
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春風駘蕩 (Rei)
2024-02-16 16:57:14
中国の四字熟語と思いますが(六朝時代?)
何かのんびりして好きな成語です。
ジェシーちゃん、若者らしい気持ちのよい発言ですね。
滞在中は寒い時期、特に京都の底冷えは
身に染みて感じられたでしょう。

亡き弟さんのご本はいつまでもKeiさんの心の中に
ありましょう。
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春風 Reiさん (kei)
2024-02-16 22:51:58
本来の2月の厳しさはありませんね。
隣にいてくれたら嬉しい存在は、「春」ですね。
穏やかな春風に一気に芽吹きも始まりそうな予感です。
拒否感強くて(笑)、続きませんでした。
はっきりモノ申す子ですが、人の気持ちを推し量れるように成長したなと思う場面も多くありました。
18歳ですものね。

Reiさん、京都ではエスカレーターは基本左側に立ちます。
四条駅には張り紙どころか「2列に並んで」と登り口の足元に表示がありました。
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