自分で自分の人生を選ぶことができない。
選択肢のない人生の辛さを知る父親二人は、子供には苦労させたくない、自由に生きてほしいと一方的に思いを架ける。
家族とはいっても、人はいろいろな価値観や感情で生きているのに。
子供の意思を奪うことになったり、双方が思いを言葉にしないために、情に薄く冷たい人間だと父への理解も進まず、親子関係はこじれてしまっている。
とは言っても、親が子を思う、それぞれの事実の中には普遍性があって、真実と思えるものがある。
家族の解体や再生への希望が表から裏から、丁寧にすくい上げられる。
人間同士の関係はほんと厄介だ。人間関係がなければ、なんの苦労もないのだろうが・・・。それじゃあ人生は空白だ、という思いに納得する。
人と人との関係も、南部鉄器のように多くの工程をたどり、繊細な、シンプルで強い模様がデザインされていけたらいい。
「辛い思いをしたあなただからこそ、誰かのためにできることがきっとある」
補導委託を受けたことで、人間関係が浮き彫りになって、糸がほぐれていくラストは心地よく、あたたかだった。
折に触れての
固かった紫陽花の冬芽がほころび始めた。
花咲きますように。
昔、母言いました
「親が子を思うほど子は親を思わない」と。
少し悲しい気持ちで聞いた記憶です。
これ以上禁を破れないので
柚月裕子さんは残念ながらよめません。
と言いながら我慢のない私は買っています。
Keiさんのコメントから内容推察しています。
親と子、考えさせられました。
優秀な親族への劣等感からマネーロンダリングに関わり逮捕された男の話でした。
読み進むにつれて、少年や父親たちの過去が明かされていくわけですが、
きっと多くの家族、夫婦、親子関係の中に潜む問題であり心情でもあるのではないかと思いました。
我が家にもあるような、あったようなと思い、読む箇所もありました。
工房に関わる人間の人柄がお互いに作用し合い、ぶつかり合いますが、癒されもするし発見もある。
人は人の中で育つものですね。味が染み合うのでしょうか。
やはり、自分が生きることと他人が生きることと、
ここがつながり合えれば生きる楽しさが大きくなりそうに思えます。
目標を持った少年、一歩ずつ段差をクリアーしてi強くなると思います。
いつも文学的で気持ちがいいです😄
親を超えてはならない、と心の中で思う・
昔の絵師の気持ちは矛盾を感じながら読んでいました。
父親と、長男との関係は現代でも難しいことなのですね。
我が家でも長男は父親と全く違う道に進んだ時は、
母親として、とても苦しみました。💦
今となっては彼らにとって、今が幸せならば良しと思っています。
自分に引き寄せてあれこれ思うことをまとめてみるのですが、
問題は、うまく表現できないことです。
いつも目を通していただきありがとうございます。
特に息子には幼い時から将来を縛ることをしませんでした。人生の方向は彼自身の選択でした。
亡き弟と似て出版・編集に関わりながら、書くことは父親の何かがつながって??
そんな息子をどう見ているのか、ほとんど口にしません。
それぞれに人生があるのですよね。難しいことはありますが…。
じっくり何度も感想を読ませていただきました。
>家族の解体や再生への希望が表から裏から、丁寧にすくい上げられる
ほんとにkeiさまが感じられたこの文章
作者の柚木裕子さんが書く芯の部分かと思います。
真摯かつ丁寧な作品が多いです。
まだ未読の作家人生15年の軌跡を描いた初エッセイ『ふたつの時間、ふたりの自分』を読んでみようと思っています。
柚月さんのご両親のこともうかがっておりましたので、連載が2022年からと知り、
直接の言及はありませんでしたが、ただ、何となく、
岩手県の地を舞台に描かれるには10年余りの年月が必要だったのかな…と読後に思ったりしました。
りりんさんがおっしゃいましたように(震災ではなく)自然災害からくる貧困の過酷な暮らしぶりが語られました。
「辛い思いをしたあなただからこそ、誰かのためにできることがきっとある」
この言葉、春斗くんへ、孝雄と悟親子へ、健司へ、八重樫へ、
震災被災者へ、読者への、…そしてご自身に向けたエールですね。
感想を交わし合えたことで、2度3度と余韻に浸りページを開き返しています。
ありがとうございました。エッセイ本、見てみますね。
「風に立つ」の作品世界を語ってる柚月裕子さんの最新のインタビュー記事がありました。
よろしかったら
https://news.yahoo.co.jp/articles/79d6c2027f65c979c5fa08b871a9218c1fe0f2d9
拝見しましたが、ゆっくりまた読み直します。
保存しました。
本当にありがとうございます。