きのう日曜日、13日の奈良の空はすばらしい青空だった。
西ノ京駅の改札を出ると目の前に薬師寺方向を示す矢印があって、なんの思慮もなく歩きだしていた。
杉山二郎氏が「近鉄駅を西に渡り迂回して六条大路を東して、薬師寺八幡宮を拝した後、正面から訪問することを勧める」と書いていたのを読んでいたのに。
東院堂
初めて訪れた大阪の四天王寺では、西の鳥居をくぐって境内地をうろうろキョロキョロ。整えられた伽藍配置を正面から拝すことに気も回らなかった失敗の経験をした。幸いにもなぜかそれが思い出され、「白鳳伽藍」の姿を見なくちゃと東院堂に寄り、回廊など眺めつつ南門へと歩き、中門をくぐることにした。
左手に西塔
西塔には風鐸があった。けれど、東塔にはないことに気づいた。
風鐸と言えば、たくさんの風鐸が揺れる高野山の根本大塔が思い出される。寂聴さんがその音を「天来の妙音」と讃え、私も聞いてみたくて塔を仰ぎ時を過ごしたことがあった。
この西塔は1528年に焼失してのち、東塔への綿密な調査に基づいて設計され、伝統的な木造建築の工法で1981年に再建されている。この令和の世に至って、どのような音を奏でるのだろう。
こちらは東塔
古色の趣のためか東塔の姿は美しく感じる。三重塔でありながら、裳階による装飾があるせいで、その軒の出が全体を六重塔のような姿で見せてくれている。
東塔は創建当時から残る建物だが、2009年から12年かけて全面解体修理が行われた。母を誘い二人で奈良を巡った20代前半、以前の姿の東塔前で写真におさまる母と私が残されたが、ここに来たのもそれ以来となる。
金堂には薬師三尊像(中央に薬師如来、右に日光菩薩、左に月光菩薩)が安置されている。風に幕が揺れて・・・、失礼ながらカメラを向けてしまった。
薬師如来像造立の意図には、病気の治癒祈願が主であって、温和で雅潤な顔貌を造形するものだが、ここ金堂の薬師如来像のお姿は「隙のない王者の風格、畏厳に満ちている」と杉田氏は指摘される。
当時の国際情勢の投影を見いだし、また、不祥事が続いた薬師寺の歴史への記述にも興味深いものがある。
今度は、眼前に塔!ではない姿を望みたい。屋並み越しにとか木立の向こうに…塔の姿を眺めてみたいものだ。
歩いて10分ほどのところに唐招提寺があるが、いずれまた訪れようと帰路に着いた。
勘違いをしていました。
京都ではなく、奈良だったのですね。
失礼致しました。
短かそうですが、紅葉の季節に巡ってみたいものです。
思いついて出かけた薬師寺でした。
本当は市の歴史資料館に行く予定でいたのですが、変更しました。
良いお天気でしたから。良すぎるほどでした。
もう少し秋の気配が深まったころがいいですね(笑)