Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

「ダウト」&「ホルテンさんのはじめての冒険」

2009-03-11 00:10:15 | 機内食・映画・美術展
珍しく見たいものが重なったので渋谷Bunkamuraで映画の二本立て。

「ダウト」

60年代のカソリック中学校を舞台にしたメリル・ストリープとフィリップ・シーモア・ホフマンによる心理劇。

メリル・ストリープの鬼校長が怖い、怖い。こういう芝居をするだろうなあ、と言う予想通りとはいえ、やっぱり怖い。「マンマ・ミーア」のはしゃいだおばさんは痛くて見ていられず機内ですぐ消してしまったが、こっちは目が離せない。さすがの貫禄。

それに少しも劣らないのがフィリップ・シーモア・ホフマン。太った気弱そうな顔が神父らしい優しい顔にも見えるし、裏のある狡猾な顔にも見える。本当にうまい役者だと見るたびに感心する。

60年代を舞台にしているが、自分の信ずることのみが善であると疑わないこと、不寛容の恐ろしさなど、今まさに問われるべきテーマ。地味とは言え、こういうテーマを娯楽映画にできるところがアメリカはすごい。


「ホルテンさんのはじめての冒険」

たぶんはじめて見たノルウェー映画。

定年退職する列車の運転手さんの話なので、ベルゲン急行の運転席は見られるわ、車両倉庫には入れるわ、その上なぜかオスロ空港の裏側にまで入り込んで、この監督さんは乗り物マニアと見た。鉄道マン同士、線路の音を聞いただけでどの路線か当てる遊びなんてタモリ倶楽部みたい。

タイトルには冒険とあるが、主人公は積極的に冒険するわけではない。本人が所在無くしていると次々に不思議な人に出会う、というところはちょっとフェリーニに似ている。「甘い生活」や「女の都」からエロ要素を取り去って、イタリアの湿った暖かい空気をつめたいノルウェーの空気に変えた感じ。それじゃ全然別物、ってわけでもないのだ。口数の少ない所は「かもめ食堂」にも似ている。北欧ってやっぱり口が重いのだろうか。

結構クスクス笑える所があるのだが、劇場のまばらなお客さんはノリが悪くてさびしかった。


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コメント (6)
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