さて今年のGW、初めてカタール航空に乗ってみた。
成田からドーハまでは満席のB777。
エコノミーでも足元が若干広く、座席も固いが体がすっぽり納まる感じで、すわり心地は悪くない。
22時10分に出発すると、夜中近くに最初の機内食。
ビーフとオリーブの煮込みがなかなかおいしく、これはちょっと真似してみたい。マンゴームースもおいしくて、自宅で夕食を済ませて来たのに、味見だけとか言いながらついつい食べてしまう。
食事をしながら映画でも、とエンタメ・システムをいじってみると、これがすごいラインナップ。
エミレーツもメニュー豊富だが、こちらも負けない、と言うか、新作映画はこちらの方が多いかもしれない。
悩みつつ選んだ一本目は 「アメリカン・ハッスル」 American Hustle。
コンゲーム物は好きなので選んだが、字幕なし、音質の悪い機内映画でこれは大失敗。ストーリーの半分ぐらいしか理解できていないと思うので、これを評価することはできない。
しかしなかなか豪華なキャストのがんばりはわかり、いつものことながら主演のクリスチャン・ベールは化ける、化ける。オープニングのバーコード禿を必死でヘアーメイクするところは笑った。
いつもお堅いエイミー・アーヴィングも70年代風の超セクシー衣装でがんばっているが、この人、頭の良さそうなところは詐欺師に向いていてもやっぱり優等生のにおいが抜けなくて、いささかミスキャストじゃないだろうか。
そのエイミーに比べて昨年のオスカー女優、ジェニファー・ローレンスはさすがにうまい。まだ20代前半の若さで、頭空っぽのフラストレーションをためたかみさん役を見事にこなしている。
そしてもう一人、カメオ出演のロバート・デニーロ。
最近、どうしたの、と思うほど映画に出まくって、その割にはやる気のなさそうな演技が続いていたが、このちょい役は気に入ったのか、さすがの迫力で場をさらう。御大はこういう登場の仕方がふさわしそうだ。
リモコンの故障で読書灯が消えなくなってしまったが、アイマスクをしたら4,5時間も寝てしまった。
それでもドーハまではまだ時間がある、ということで2本目、「ウォルト・ディズニーの約束」 Saving Mr. Banks。
子供の頃大好きだった「メアリー・ポピンズ」の作者が映画化を巡ってディズニーやそのスタッフとバトルを繰り広げる話だが、作者の子供時代を合間にはさんで実にうまいつくり。オーストラリア生まれだったことも含めて作者のP.L.トラバースのことは何も知らなかったが、改めて検索してみるとかなり偏屈な人だったよう。ディズニーだってこの映画に登場するようないい人だったはずはない(とは漫画「ビリー・バット」の読みすぎ?)が、ディズニー社の作品だからこれはしょうがない。
そんな一癖もふた癖もある人たちの話を、映画の有名な曲をちりばめて心温まる話にしてしまうところは、さすがハリウッドと言うべきだろう。
絶対安心印のエマ・トンプソン主演で、これは見やすく、面白かった。
とドーハも近づき、朝食の時間。
2食目にお粥は食べやすくてありがたい。
3時間ほどの乗り継ぎで、次の目的地までは2時間弱のフライト。
それでもちゃんと温かい食事を出すのが中東のエアライン。
エミレーツ同様、中東発の朝食はボリューム満点。
大好きなホムスが付いているのがありがたい。
そして帰路、同じく夜中の出発で夕食は済んでいたが
好奇心で受け取った機内食はやはりちゃんと温かい。
久しぶりに見るいんげんがうれしくて、つい食べちゃう。
さらにドーハを真夜中に発つと
ホットスナックと称してまたこのボリューム。
しかし茄子と豆腐のあんかけ煮込みは和風とも中華風ともつかない奇妙な料理。
2,3時間目を閉じて休んだ後、シャールーク・カーンのインド映画を見始めたものの、あまりに泥臭いコメディだったのですぐにやめて、今度は今年のアカデミー外国語映画賞を獲ったというイタリア映画に変更。「グレート・ビューティー/追憶のローマ」 La Grande Bellezza。
見始めた途端に既視感。小人やら尼僧、サーカスの動物とは、これはフェリーニへのオマージュ、というより模倣そのものじゃないか。
見ていると「甘い生活」「8 1/2」「フェリーニのローマ」などの場面が次々に思い出される。
思わせぶりでわざとわかりづらい作りにしているんじゃないかというところもあるが、要はハイソで空虚な生活を送ってきた初老の主人公が死の影に取りつかれると言うお話。にしても頭でっかちな感じであまり実感がないと思ったら、監督はまだ40歳そこそこだった。やっぱりね。
と文句を言いつつ、最後まで見てしまったのは主役のおじさんのジャケットや帽子の着こなしがやたらにかっこよかったから。シリアのアサド父のようなラッキョウ頭で、顔もコメディーの方が似合いそうな面白い顔なのだが、りゅうとした着こなしはさすがイタリア男。
にしても142分は長かった。
せめてニーノ・ロータの曲でもついていればよかったのに。
やがて成田が近づいて最後のお食事。
ちょうど残っていたチキンは中華風の煮込みが中華麺の上に乗ったもの。
これまたちょっと変な料理だが、麺に飢えていたのでおいしくいただく。
と、初めてのカタール航空は機内食もエンタメ・システムも十分満足のいくものだった。
さて、私はこの飛行機でどこへ行ったでしょう?
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成田からドーハまでは満席のB777。
エコノミーでも足元が若干広く、座席も固いが体がすっぽり納まる感じで、すわり心地は悪くない。
22時10分に出発すると、夜中近くに最初の機内食。
ビーフとオリーブの煮込みがなかなかおいしく、これはちょっと真似してみたい。マンゴームースもおいしくて、自宅で夕食を済ませて来たのに、味見だけとか言いながらついつい食べてしまう。
食事をしながら映画でも、とエンタメ・システムをいじってみると、これがすごいラインナップ。
エミレーツもメニュー豊富だが、こちらも負けない、と言うか、新作映画はこちらの方が多いかもしれない。
悩みつつ選んだ一本目は 「アメリカン・ハッスル」 American Hustle。
コンゲーム物は好きなので選んだが、字幕なし、音質の悪い機内映画でこれは大失敗。ストーリーの半分ぐらいしか理解できていないと思うので、これを評価することはできない。
しかしなかなか豪華なキャストのがんばりはわかり、いつものことながら主演のクリスチャン・ベールは化ける、化ける。オープニングのバーコード禿を必死でヘアーメイクするところは笑った。
いつもお堅いエイミー・アーヴィングも70年代風の超セクシー衣装でがんばっているが、この人、頭の良さそうなところは詐欺師に向いていてもやっぱり優等生のにおいが抜けなくて、いささかミスキャストじゃないだろうか。
そのエイミーに比べて昨年のオスカー女優、ジェニファー・ローレンスはさすがにうまい。まだ20代前半の若さで、頭空っぽのフラストレーションをためたかみさん役を見事にこなしている。
そしてもう一人、カメオ出演のロバート・デニーロ。
最近、どうしたの、と思うほど映画に出まくって、その割にはやる気のなさそうな演技が続いていたが、このちょい役は気に入ったのか、さすがの迫力で場をさらう。御大はこういう登場の仕方がふさわしそうだ。
リモコンの故障で読書灯が消えなくなってしまったが、アイマスクをしたら4,5時間も寝てしまった。
それでもドーハまではまだ時間がある、ということで2本目、「ウォルト・ディズニーの約束」 Saving Mr. Banks。
子供の頃大好きだった「メアリー・ポピンズ」の作者が映画化を巡ってディズニーやそのスタッフとバトルを繰り広げる話だが、作者の子供時代を合間にはさんで実にうまいつくり。オーストラリア生まれだったことも含めて作者のP.L.トラバースのことは何も知らなかったが、改めて検索してみるとかなり偏屈な人だったよう。ディズニーだってこの映画に登場するようないい人だったはずはない(とは漫画「ビリー・バット」の読みすぎ?)が、ディズニー社の作品だからこれはしょうがない。
そんな一癖もふた癖もある人たちの話を、映画の有名な曲をちりばめて心温まる話にしてしまうところは、さすがハリウッドと言うべきだろう。
絶対安心印のエマ・トンプソン主演で、これは見やすく、面白かった。
とドーハも近づき、朝食の時間。
2食目にお粥は食べやすくてありがたい。
3時間ほどの乗り継ぎで、次の目的地までは2時間弱のフライト。
それでもちゃんと温かい食事を出すのが中東のエアライン。
エミレーツ同様、中東発の朝食はボリューム満点。
大好きなホムスが付いているのがありがたい。
そして帰路、同じく夜中の出発で夕食は済んでいたが
好奇心で受け取った機内食はやはりちゃんと温かい。
久しぶりに見るいんげんがうれしくて、つい食べちゃう。
さらにドーハを真夜中に発つと
ホットスナックと称してまたこのボリューム。
しかし茄子と豆腐のあんかけ煮込みは和風とも中華風ともつかない奇妙な料理。
2,3時間目を閉じて休んだ後、シャールーク・カーンのインド映画を見始めたものの、あまりに泥臭いコメディだったのですぐにやめて、今度は今年のアカデミー外国語映画賞を獲ったというイタリア映画に変更。「グレート・ビューティー/追憶のローマ」 La Grande Bellezza。
見始めた途端に既視感。小人やら尼僧、サーカスの動物とは、これはフェリーニへのオマージュ、というより模倣そのものじゃないか。
見ていると「甘い生活」「8 1/2」「フェリーニのローマ」などの場面が次々に思い出される。
思わせぶりでわざとわかりづらい作りにしているんじゃないかというところもあるが、要はハイソで空虚な生活を送ってきた初老の主人公が死の影に取りつかれると言うお話。にしても頭でっかちな感じであまり実感がないと思ったら、監督はまだ40歳そこそこだった。やっぱりね。
と文句を言いつつ、最後まで見てしまったのは主役のおじさんのジャケットや帽子の着こなしがやたらにかっこよかったから。シリアのアサド父のようなラッキョウ頭で、顔もコメディーの方が似合いそうな面白い顔なのだが、りゅうとした着こなしはさすがイタリア男。
にしても142分は長かった。
せめてニーノ・ロータの曲でもついていればよかったのに。
やがて成田が近づいて最後のお食事。
ちょうど残っていたチキンは中華風の煮込みが中華麺の上に乗ったもの。
これまたちょっと変な料理だが、麺に飢えていたのでおいしくいただく。
と、初めてのカタール航空は機内食もエンタメ・システムも十分満足のいくものだった。
さて、私はこの飛行機でどこへ行ったでしょう?
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